チビヒカリ
すもーるどーん
概要
『DP(DS・2006年)』のリメイク作品として発表された『BDSP(Switch・2021年予定)』が、その内容を忠実に再現しすぎていた事に由来している。
かつてポケモンシリーズは技術的制約もあって、第1世代『赤・緑』から第5世代『ブラック2・ホワイト2』までのドットのグラフィックの作品では、「フィールド上でキャラクターをSD体型で表示する」という表現技法を基本としていた。
プラットフォームが3DSに変わった『XY』からは次第に頭身を上げるようになり、第6世代のリメイク作品である『ORAS』もそれに準じた形で作られていた。
一方、『BDSP』の初報として流されたPVには、グラフィックこそ一新されているもののDS時代と変わらないSD体型のヒカリが映っていたのである。
『BDSP』は従来のリメイク作品とは大きく異なり、ストーリーを含め忠実に元の作品を再現する方針であることが明確になっており、リメイクで恒例となっていた登場人物の服装等のリデザインはなく、町や道路などもDPtと同じスケールで描かれている。
また、『XY』以降のシリーズで恒例となっている着せ替えの機能も同じくリメイク作品である『ORAS』には存在しなかったため、今作も同様にない可能性が大きい。
このように従来のリメイクとは異なった原作重視のスタイルであることや、スピンオフながら正当進化形らしい表現を採用した『LEGENDSアルセウス』のPVが同時公開された事も、『BDSP』の特殊性をより際立たせた。
「リメイクにあえて最新の技術を使用せず、レトロ感を残す」という技法自体はままあるもので、特にSwitchでは『ゼルダの伝説 夢をみる島』が同じSD体型でのリメイクで好評を博したばかりであった。
しかし、あちらが専用のCGが起こされているなどそれなりの手間と工夫が注がれている事が素人目にも明らかな造りであったのに対し、初報の『BDSP』のPVからはそのようなものがあまり見られないという意見も存在する。
こうした背景から、ヒカリに対して「一人だけ2006年からそのままやってきたよう」という形容がなされるようになり、さらに一部でそれを直喩的にイラストで表現するという遊びが発生。
次第に常時二頭身の謎の生命体と言わんばかりの作品も増加してゆき、2006年当時のヒカリ観からも外れたミームとして独り歩きを始めたのである。
なお、このミームはお膝元の日本よりも、海外でより盛り上がる傾向が見られる。
グラフィックを重視するプレイヤーが多い事や、ソフトの流通が全世界同時発売した『XY』あたりからでそもそもSD表現に馴染みの無い地域も多い事が一因ではないかと考えられている。
ミームとは無関係に「Chibi」という単語がスラング的に広まっており「Chibi Hikari」で世界的に通じる他、英語圏では「Small down(小さくする)」と「Dawn(ヒカリの英語版の名称)」を掛け合わせた「Small dawn」とも呼ばれている模様。
しかしながら、第1~第5世代まではSD体型がフィールド上のデフォルトであり、過去作から通して知っているプレーヤーの中には「見慣れたかつての表現に立ち返った」という見方もあり、衣装が元々のデザインそのままであることも含め、別段特別視はしていない者もいる。