曖昧さ回避
- アメリカ大陸にかつて生息していたイヌ科の動物。※本頁で解説。
- ニンジャスレイヤーに登場するキャラクターの一人。ダイアウルフ(ニンジャスレイヤー)にて。
- 氷と炎の歌(ドラマ版:ゲーム・オブ・スローンズ)に登場する動物。ダイアウルフ(氷と炎の歌)にて。
データ
英名にあるダイアとはダイヤモンドのことではなく、「恐ろしい」を意味する英語direから。
学名はAenocyon dirus(アエノシオン・ディルス)で語義は「恐ろしい狼」。
かつては発見当初はドールの近縁種と考えられたことから、カニス・ディルス(Canis dirus、恐ろしい犬)としてイヌ属に分類され、現在のタイリクオオカミとも近縁とみられていたが、DNAの研究により、遠縁であることが判明し「アエノシオン属」という扱いになった。
イヌ族に含まれるイヌ属の種とはより古い時代に分岐し異なる進化を遂げたとみられる。
かねてより、オオカミやイヌの直接の祖先ではなく、イヌとオオカミの共通の祖先から分岐進化したとする説が強かったが、それが裏付けられる形となった。
イエイヌの場合オオカミやキンイロジャッカル、アビシニアジャッカルといったイヌ属の近縁種と混血する例が見られるが、ダイアウルフの場合それは無理だという。
遺伝子上の関係性としてはヒトとチンパンジーくらいの距離感とのこと(「ゲーム・オブ・スローンズ」で有名なダイアウルフ、その全ゲノム解読で判明した驚きの事実)。
約180万年前~約1万年前まで北米大陸の草原に生息していたオオカミで、イヌ属の哺乳類どの種よりも大きい。(イヌ科全体としては、最も有名なアンフィキオンをはじめとする「Bear Dog」の方がかなり大型だった。)
体長1.5mに達しどっしりした体格を持つ。また脚は短く長距離走行は得意ではなかったらしく、バイソンなどの鈍重な大型動物や死肉を食べていたと考えられている。とはいえ顎はハイエナ程強靭ではなかったらしく、硬い骨の齧り過ぎでタイリクオオカミより歯の折れる頻度が8倍も高かった。
多くの大型哺乳類同様、約1万年前を境に絶滅した。気候変動による獲物の減少や、より俊敏で適応能力の高いタイリクオオカミやコヨーテとの生存競争に敗れたためなど様々な説がある。