概要
CV:稲田徹
石竜(ガーゴイル)の異端児。
異端児最初期からのメンバーで、リーダーであるリド同様Lv.5クラスの実力を持つ。
リドとレイとは長年の付き合いだが、地上進出や人類との共存を願う二人とは違い、人間に対して否定的な派閥に組し、その筆頭でもある。
全身が灰色の石で出来ており、体全体が武器になるため、得物や飛び道具は使わず自らの爪などを駆使し戦う。
人物像
陽気で気さくなリドや物静かで心優しいレイとは違い、慎重深く厳格な性格をしている。ただ人魚(マーメイド)のマリィは彼の事を恥ずかしがり屋だと語っている。
言葉は喋れるものの口調は片言で、原作では台詞は漢字部分以外は全てカタカナとなっている(アニメでは台詞を聞き取りやすくするためレイ同様流暢な言葉遣いになっている)。
過去に自分達と関りを持った人間達に何度も裏切られてきたため、人間に対し不信感を抱いており、初登場時もベル・クラネル達【ヘスティア・ファミリア】と積極的に関わろうとせず距離を置いていた。一方で同胞である異端児に対する仲間意識は誰よりも強く、仲間達に危害を加えようとする者には決して容赦しない。
人間に対しては現在も警戒を緩めず簡単には心を開こうとしないものの、地上での騒動以降はベル達【ヘスティア・ファミリア】に対してはある程度心を開くようになり、彼らがダンジョンで境地に陥った時は救出に向かうなど、自分達の為に尽くしてくれた彼らに報いるため協力をしている。
劇中の様相
【イケロス・ファミリア】による異端児襲撃時は、ラーニェ達を殺されたことに激昂し報復を宣言。元々人間に不信感を持っていた異端児は多くいたため、彼の宣言が切っ掛けで殆どのメンバーが人類否定派に移る事となり、共に18階層にある「リヴィラの街」を襲撃。油断していた【イケロス・ファミリア】のメンバー数人を原型をとどめないほど八つ裂きにしたが、これが危険な武装モンスターの登場として冒険者の間で誤解されてしまうことに繋がってしまう。
『人造迷宮クノッソス』ではディックス・ペルディクスの撹乱の呪詛(カース)を受け仲間と同士討ちする状態に陥ってしまうが、その戦いの中でベルが放った「誰かを救うことに、人も怪物も関係ない」という言葉を聞き、ある程度の正気を取り戻したことで標的を【イケロス・ファミリア】に変え攻撃を開始する。
ディックスを退けた後、理性を無くした状態で地上に出て行ってしまったウィーネを仲間と追いかけるが、そこでベルがウィーネを助けるために【ロキ・ファミリア】と対峙する愚行を目撃し、目を見張る事となる。
最終的にベルやフェルズによってウィーネは救われ、自分達異端児の為に愚者となってまで死力を尽くしてくれたベルに感謝した。
その後仲間と共に地上からダンジョンに帰還するための作戦を決行するが、その最中ベルの失墜を良しとしないヘルメスが、ベルの名声を取り戻すために異端児の誰を犠牲にするという残酷な要求を突きつけてくる。
その要求を聞いたグロスは、人間を最も嫌っていた自分がその役にふさわしいとして、初めて認めた人間であるベルの名誉挽回の為に自ら志願し、一部の仲間と共に地上で暴れまわり、彼に打ち取られようとする。
ヘルメスがエイナ・チュールに事前に渡していたアイテムを目印に襲い掛かるが、ベルが誰も犠牲にしないという選択を取ったことで一瞬動きを止め、更にアステリオスが乱入し、その隙に透明布を装備した他の【ヘスティア・ファミリア】のメンバー達に救助され、暴れまわっていた他の異端児共々生き延びることとなった。ちなみに死に物狂いで帰還作戦に協力したのに苦労が台無しになりかけたため、リリルカ・アーデやヴェルフ・クロッゾに叱責されることとなり、アニメではそのことについてとても気まずそうに返答するシーンが追加されている。
その後は無事ダンジョンで仲間達と合流を果たす。死に損なったと答えながらも無事に帰ってきたことで同胞達からは喜ばれ、共に隠れ里へと帰還することとなる。
外伝『ソード・オラトリア』では、ベルとグロスが起こした一部始終をフィン・ディムナも目撃しており、フィンはその時の「人の為に命を捧げようとする怪物の勇気」と「怪物の信頼に答えた少年の愚行」を見て衝撃を受けることとなり、同時に自分がかつて捨て去った冒険者としての矜持や理想を取り戻し、後に闇派閥打倒の為に『怪物との共闘』という、それまでのフィンでは決して選ばなかったであろう選択をするに至っている。異端児側にとっても『人間との共闘』などは少し前なら想像もしなかった事であり、結果論になるが、最も人間を嫌っていたグロスの行動は、異端児騒動の中心であったウィーネと同様かそれ以上に、彼ら異端児の取り巻く環境を大きく変える切っ掛けとなっているのである。