JRバス関東
じぇいあーるばすかんとう
関東地方(長野県を含む)における旧国鉄バスを承継した一般路線バスと、東京他首都圏発着を中心とした高速バスを運行するバス会社。JR東日本の100%出資子会社である。子会社として「ジェイアールバステック」を持ち、こちらも高速バスを運行している。
長距離夜行高速バス運行業者としては最大手でもある。
なお、長野新幹線開業に伴い廃止された信越本線横川駅~軽井沢駅間(碓氷峠区間)の代替輸送として開業した碓氷線も当社が担当する。
支店・営業所
同業他社で言うバス営業所を支店、出張所や支所は営業所と呼称している。
特徴
会社発足時に営業所ごとの自主予算制度を導入しており、支店制度を導入した後は支店ごとの独立採算性を重視。社内では毎年ランク付けが行われている。
- A:支店単体の収支が黒字であり、全社の収支にも寄与している
- B:支店単体の収支が黒字だが、全社の収支にも寄与するには至っていない
- C:支店単体の収支が赤字
しかしこの方法では高速バスを担当する支店とローカルの一般路線バスのみ担当する支店で格差が出るため、高速バスの担当も各支店に配分する事でバランスを保っている。この関係上、都心から大きく離れた支店が東京発着の高速バスも担当することがあり、運転手の送り込みついでに営業運転を行う高速バス路線が開設されている。
一覧
※はSuica導入済み支店。ただし、宇都宮・西那須野支店はtotra(Suica機能付き地域連携ICカード)を導入。
東京支店
※東京都江東区塩浜にあるJRバス関東の高速バスの一大拠点。そして日本最大の高速バス営業所。以前は社内でも別格の扱いとされ、入社後他の支店・営業所で経験を積み、社内試験に合格しないと配属されることがなかったが、乗務員不足が深刻化した現在では新人もいきなりここに配属されることがあるようだ。
共同運行会社の大半もここに入庫するため、日本で最も多くのバス会社・ナンバーを見ることが出来る営業所。
到着台数が半端なく多いため、通常は乗務してきた運転手が行う洗車・車内清掃・給油作業はここでは運転手が行わず、ジェイアールバステックの職員が行う。
東名三ヶ日支店
静岡県浜松市北区三ヶ日町にある支店。乗務員のみが配置され、車両の配置はない。
西日本JRバスの乗務員休憩所・宿泊所も近くに設けられており、東海道昼特急や京阪神行のドリーム号はここでJRバス関東と西日本JRバスの間で運転手の交代を行う。
営業所は農協の特産センターと同じ建物に入居しており、24時間体制で職員が常駐している。なお名古屋発着の東名ハイウェイバスは乗務距離がアンバランスになるため、ここでの交代は実施されない(なので関東とバステック担当便は休憩回数が1回多い)東名経由のJRバスが新東名高速道路を経由しないのはこのためである。
白河支店
福島県白河市にある支店。地方路線をメインに担当する営業所で近年厳しい状況ながら、白棚線に関しては比較的堅調な需要を確保している。JR東日本総合研修センターへの送迎輸送もここが担当しており、京成バスから移籍したボルボB10M連節バスが3両配置されている。
なお支店の最寄りバス停はJRバスではなく、福島交通のバス停である。
宇都宮支店
※栃木県芳賀郡芳賀町にある支店。作新学院前とツインリンクもてぎを結ぶ水郡西線と定期観光バス「神秘の石の街大谷と世界遺産日光号」を担当する。
貸切車としてトランスイート四季島“深遊探訪”メニューの日光ルートで使用するバスがここに配置されている。
佐野支店
※栃木県佐野市にある支店。東北道を経由する新たな高速バス運行拠点として2009年11月に開設。支店に隣接して佐野新都市バスターミナルがある。
江東区のゼロメートル地帯に立地する東京支店が災害等で機能不全になった場合に運行管理をここが代替することもできるバックアップ機能も持つ。
下部組織として古河営業所を持ち、一般路線バスはこちらが担当している。
近年では佐野市コミュニティバスさーのって号も担当している。
いわき支店
福島県いわき市にある支店。高速バスいわき号・ひたち号のみ担当だが、かつては一般路線バスも所管していた。
土浦支店
※茨城県土浦市にある支店。高速バスはつくば号・ミッドナイトつくば号・かしま号・ひたち号・THEアクセス成田の他、乗務員のみ東名高速ドリーム号、東海道昼特急号なども担当する。一般路線は霞ヶ浦線、君島線、ひたち野うしく線、イオンモール土浦線、あみプレミアム・アウトレット線、深夜バス土浦リレー号を担当。
東関東支店
※千葉県香取郡多古町にある支店。高速バスかしま号が大変好調で、八日市場営業所時代は広い敷地に数台バスが置かれているだけの状況から一気に変貌した。
鹿嶋支店
茨城県鹿嶋市にある支店で、鹿島線鹿島神宮駅近くの高架下に車庫を構える。以前は東関東支店の下部組織の営業所だった。
整備工場がないため、所属車両の整備は東関東支店や土浦支店で実施する。整備工場への入出場の関係で、東関東支店や土浦支店が主管する路線にも入ることがある。
館山支店
千葉県館山市にある支店。1933年に開設されたJRバス関東の支店の中では最も長い歴史を持つ支店。好調な高速バスとは反対に一般路線バスは国・県・沿線自治体からの補助によりなんとか維持している状況。
ここが担当する高速バスの房総なのはな号の一部便は館山駅以南を一般路線の南房州本線と州の崎線として運行している。
長野原支店
※群馬県吾妻郡長野原町にある支店。長野原草津口駅より草津温泉駅を経由し、白根火山に至る志賀草津高原線を担当している。沿線に有名な温泉地を抱え、観光客の利用が多いことから国鉄バス時代は数少ない黒字営業所だった。
ここが担当する高速バスの上州ゆめぐり号は、東京への運転手送り込みを兼ねて設定された路線。
小諸支店
長野県小諸市にある支店。地域輸送が主体の営業所で横川-軽井沢間の鉄道代替バス碓氷線もこの営業所が担当。ちなみに碓氷線は貸切免許で運行されているので、交通バリアフリー法の適用対象外だったりする。
下部組織として長久保営業所を持つ。
中央道支店
長野県伊那市にある支店。前身は伊那支店→中央道統括支店。中央道支店には自社内で唯一の車両塗装設備も備え、各支店の車両リニューアルやエンジン等重要部品のオーバーホールなどを施工している。また他社からの譲渡車がここで整備・改装を受ける。
諏訪支店
長野県諏訪郡下諏訪町ある支店。元は中央道支店の下部組織だった。
一般路線は利用者の激減により担当がなく、高速バス2路線とコミュニティバスの受託運行を担当している