概要
東急電鉄が営業している鉄道路線の1つ。蒲田駅から多摩川駅を結ぶ路線で、全7駅。全区間が東京都大田区内に所在する。
旧・東京急行電鉄時代の2000年まで、蒲田駅から目黒駅までを結ぶ「東急目蒲線」として運行されていたが、2000年より営団地下鉄(現:東京地下鉄)南北線、都営地下鉄三田線との相互運転のため、目黒駅から武蔵小杉駅の間(現在は日吉駅まで延伸)で運行される「東急目黒線」と、本項で扱っている東急多摩川線とに分割された。
東急電鉄の前身となる会社のひとつ、「目黒蒲田電鉄」が、田園調布開発のため敷設・開業した路線、後の東急目蒲線に、直接連なる歴史を持っていることから、東急電鉄の発祥路線と呼ばれている。
2007年より本路線と駅、沿線の町を舞台とした現代アートによる街づくり計画、「多摩川アートラインプロジェクト」が立ち上がり、美術が本路線を彩っている。
歴史
元々同一路線であったため、一部東急目黒線と関連する内容を含むが、東急多摩川線の遍歴は以下の通り。
- 本路線は1923年3月に、東急電鉄の前身となる鉄道会社のひとつ、目黒蒲田電鉄が敷設した路線で、当初は目黒-丸子(現在の沼部駅)間で開業した。同年11月に蒲田駅までの路線が全通、目黒-蒲田間での営業が開始される。1924年には、丸子-武蔵新田間に鵜ノ木駅、下丸子駅が開業。また翌1925年には、矢口(現:矢口渡駅)-蒲田間に本門寺道駅が開業。
- 駅名は丸子駅が1924年に武蔵丸子駅、次いで1926年に沼部駅へと改称。矢口駅は1930年に矢口渡駅に改称。本門寺道駅は1936年に道塚駅へと改称。現在の多摩川駅は、1923年の路線開業時、奇しくも現在と同じ多摩川駅の名で開業したが、1926年に丸子多摩川駅、次いで1931年には多摩川園前駅へと改称している。
- 大東亜戦争末期の1945年6月、矢口渡-道塚-蒲田間路線の運行休止。同年8月に矢口渡-蒲田間の新線が開業。新線開業に伴い、道塚駅は翌1946年に廃止された。
- 1966年、鵜ノ木駅が鵜の木駅に改称。次いで1977年、多摩川園前駅が多摩川園駅に改称。
- 2000年8月、東急目蒲線が運転系統を分離。これにより東急目蒲線は、東急目黒線と東急多摩川線に分割される。東急多摩川線としての営業開始。多摩川園駅が多摩川駅に改称。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 読み | 接続路線 | その他 |
---|---|---|---|---|
TM07 | 蒲田 | かまた | 東急池上線(IK15)、JR京浜東北線 | 西口はユザワヤの聖地状態である。 |
TM06 | 矢口渡 | やぐちのわたし | なし | ナムコ(現バンダイナムコグループ)発祥の地。また、駅名となった多摩川の渡し船・矢口の渡しも1949年までこの駅の近くに乗り場があった。 |
TM05 | 武蔵新田 | むさしにった | なし | 近郊に新田義興を祀る新田神社がある。ちなみにこの新田神社、破魔矢発祥の神社でもある。 |
TM04 | 下丸子 | しもまるこ | なし | キヤノン本社最寄り駅。近辺は漫画「それでも町は廻っている」の舞台モデルにもなっている。 |
TM03 | 鵜の木 | うのき | なし | 毎年7月頃に「全国鵜の木祭り」というイベントが開かれる。 |
TM02 | 沼部 | ぬまべ | なし | 近郊に桜の名所「桜坂」がある。 |
TM01 | 多摩川 | たまがわ | 東急東横線(TY09)、東急目黒線(MG09) | 駅近郊にかつて「多摩川園」という遊園地があった。1925年開園、1979年閉園。閉園後も2000年の改称まで駅名に名残が残った。 |
余談
西武鉄道にも多摩川線が存在する。こちらについては以下を参考にされたし。
また過去には読みの同じ東急玉川線も存在した(路面電車、通称玉電)。そのうち支線である三軒茶屋~下高井戸間は世田谷線として現存し、廃止された区間も大部分が田園都市線に継承されている。