概要
中性口調とは、万人が現実社会の会話で無意識に使っている、良くも悪くも最も凡庸でスタンダードな言葉遣いである。
それには男性的なニュアンスも女性的なニュアンスも全く含まれていない、完全にユニセックスでニュートラルな言い回しであることから、男子にとっても女子にとっても、使い勝手が非常に良いとされる言葉遣いでもある。
家庭内における両親の躾や幼稚園・小学校の日本語の授業でも、中性口調の使い方を普段な私生活で学習し続けることはあっても、創作作品で出てくる男性語や女性語などの役割語の使い方を家庭内や授業で全く触れていないのが、リアルな教育現場と家庭環境の実態である。
2000年以降の漫画やアニメにおいて、とりわけそれらの代表格とも言うべき主人公キャラクターもまたそういったジェンダーレスな時潮の影響をモロに受けて、中性口調化が常時徹底されるジェンダーフリー化のシンボルとなっているのが、昨今な現状である。
なぜ役割語を避けて中性口調を重用するのか、それは男性らしさや女性らしさを強調させる言葉遣いにおける性差別を助長させないようにする狙いがあるからであり、同時に男子の女性化、女子の男性化という価値観を肯定させる「個性」と「多様性」の尊重でもある。
用法・使い方
肯定形
- 「名詞+だ・だよ・だね・だよね」(実例:おもちゃだ、おもちゃだよ、おもちゃだね、おもちゃだよね)
- 「動詞+よ・ね・よね」(実例:行くよ、行くね、行くよね)
- 「形容詞+よ・ね・よね」(実例:うれしいよ、うれしいね、うれしいよね)
- 「名詞+じゃん」(実例:アニメじゃん)
- 「動詞+じゃん」(実例:イケるじゃん)
- 「形容詞+じゃん」(実例:元気じゃん)
否定形
- 「名詞+じゃない(よ・ね・よね)」(実例:犯人じゃないよ、犯人じゃないね、犯人じゃないよね)
- 「動詞+じゃない(よ・ね・よね)」(実例:行くんじゃないよ、行くんじゃないね、行くんじゃないよね)
- 「形容詞+じゃない(よ・ね・よね)」(実例:元気じゃないよ、元気じゃないね、元気じゃないよね)
疑問形
- 「名詞+じゃない(の)?」(実例:UFOじゃない?、UFOじゃないの?)
- 「動詞+じゃない(の)?」(実例:行ったんじゃない?、行ったんじゃないの?)
- 「形容詞+じゃない(の)?」(実例:元気じゃない?、元気じゃないの?)
- 「名詞+じゃない(の)かね?」(実例:UFOじゃないかね、UFOじゃないのかね?)
- 「動詞+じゃない(の)かね?」(実例:行ったんじゃないかね?、行ったんじゃないのかね?)
- 「形容詞+じゃない(の)かね?」(実例:元気じゃないかね?、元気じゃないのかね?)
- 「名詞+じゃない(の)かな?」(実例:UFOじゃないかな?、UFOじゃないのかな?)
- 「動詞+じゃない(の)かな?」(実例:行ったんじゃないかな?、行ったんじゃないのかな?)
- 「形容詞+じゃない(の)かな?」(実例:元気じゃないかな?、元気じゃないのかな?)