ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

概要

ケルト神話のフィニアンサイクル(フィンの物語群)の主人公。

エリン(アイルランドの古称)の王コーマックを守る、フィアナ騎士団の団長。

本名は「ディムナ」であるが、金髪で色白なことから「フィン(金髪)」というあだ名で呼ばれる。

同じケルト神話のクー・フーリンと並び称される大英雄であるが、クー・フーリンが勇に傾く、ありていに言えば脳筋タイプであるのに対し、フィンは知勇を兼ね備えたタイプの英雄とされる。

親指に魔法の力が宿っており、困ったときに親指をなめると良い知恵が浮かぶという能力と掬った水に癒しの効果を与える能力を持っている(ただし、死んだ人間には効果がない)。

 前者の能力に纏わるエピソードとして、以下の物がある。フィネガスというドルイド僧の元で修行した時分に、フィネガスに「食べた者に大いなる知恵を与えるを料理せよ、しかしてこれは私が食べるものだから、決して食べてはならぬぞ」と言いつけられたが、フィンは親指に鮭の脂が跳ねたので咄嗟に舐めてしまった。当初こそフィネガスはフィンを咎めこそしたが、フィンという名前の人物が予言の力を手に入れるという予言があった事を思い出し、予言の人物こそフィンに他ならないと確信。彼に知恵の鮭を全て食べる事を許可したという。これが今日のフィンの知性の源泉となったのである。

来歴

戦の神ヌァザの孫娘マーナと、フィアナ騎士団団長クール・マックトレンモーの間に生まれる。

父親はフィンが生まれる前に部下の裏切りで殺されており、母親は息子の命を守るために隠れ家で出産し、乳母に後を託して、息子と離れることになる。

長じてたくましい若者になったフィンは、数々の冒険を経て、かつて父のものであったフィアナ騎士団を取り戻すことに成功する。

フィアナ騎士団団長として多くの武功を挙げたフィンであったが、婚約者グラニアと部下のディルムッド・オディナとの三角関係が原因で、騎士団の結束に亀裂が生じてしまう。

やがて代替わりしたエリンの王は、自分をしのぐ名声を持つフィンを疎ましく思っており、同盟を破棄してフィアナ騎士団に宣戦布告。

騎士団はフィンに従う者と、王の側につく者とで分裂してしまい、フィンもその戦の中で戦死することになる。

また、息子の名前はオシーンといい、フィオナ騎士団にも数えられている戦士でもある。

彼の名前は「小鹿」に由来するが、これには悲しいいわれが存在する。

フィンにはサーバという美しい妖精の妻がいて、お互いに深く愛し合っていた。しかし、これをよく思わないドルイドが彼女を鹿に変えて連れ去ってしまった。フィンの必死の捜索も虚しく、サーバは終ぞ見つかる事はなく、森林で出会った実の息子からサーバとは二度と会うことが出来ないと宣告されてしまう。フィンは息子に鹿の子供という意味を込めて「オシーン」と名付けたのだった。

余談ではあるが、後妻として迎えたマーニサーにも先立たれ、最後に迎えた妻がグラニアとなる。グラニアの逸話については項目を参照していただきたいが、配下のディルムッドを嫉妬から見捨てたのもこうした過去の傷が大きすぎたが故なのかもしれない。

しかしながら、最初から嫉妬深かったわけではなく、全盛期のフィンはとても寛大で公平な人物であったと伝わっている。

武器

  • 『マック・ア・ルイン』

フィンの持つ名剣。巨人の首を一太刀で撥ねる威力を持っている。

  • 『ビルガ』

穂先を袋で覆っていないと常に血を求める魔槍であり、アラビア製の黄金の鋲で彩られている。

サウワン祭の日に現れて火を吐いて暴れ回る巨人『炎の息のアイレン』との戦いではアイレンが竪琴から発する魔の音色で眠らされそうになった際、ビルガから発するスズメバチの羽音のような音波で抵抗し、ビルガをアイレンの急所に投擲して殺した。

  • マント

炎から身を守れる頑丈なマントで、これもアイレンとの戦いで使用された。

  • 鶴革袋

槍の穂先から盾まで大きさを無視して収納できる不思議な袋。

ケルト神話版の四次元ポケットというべきか。

  • ブランとスコローン

フィンの相棒である2匹の猟犬。

出自については元は人間であったなど諸説ある。

また、ブランは毒の爪を持っており、巨人討伐に貢献したという。

フィン・マックールをモチーフにしたキャラクター

ランサーサーヴァントとして登場。

フィン・マックール(Fate)

名前がフィン・マックールを元にしたと思われるキャラクターが登場する。

フィン・ディムナ

種族幻魔仲魔として登場。