名称
旧支配者、原初のもの、とも呼ばれることがある。
「狂気の山脈にて」ではウィリアム・ダイアー教授は古のもの達を主に「Old ones」と呼んでいる。「Elder things」という呼称はネクロノミコンで使われていることがレイク教授によって言及されているのみである。「Great old ones」という呼称も登場するのは2回のみである。
「Elder things」の呼称はクトゥルフ神話TRPGによって普及したものである。
特徴
人間を遥かに超える知能、体力、寿命を備えている。
胞子によって繁殖する。性別はない。
形状は植物や棘皮動物に近く、体の様々な部位が5個で一組となっている。体長約2.4m、樽状の胴体、球根状の首、五芒星形の頭、胴体下部に球根状のものと五芒星形の足、胴体側面に5本の枝状の触手、5枚の膜状の翼を持つ。この翼は空を飛行するのと水中を航行するのに使われる。
笛の音の様な声を出す。ショゴスのテケリ・リ!という鳴き声は古のもの共の声を真似たもの。
肌の色は灰色。虹彩は赤色。頭の繊毛は虹色。
エラと気孔を持ち、水陸両用。二酸化炭素を吸い、酸素を出す。
無機物から栄養を摂取可能だが、生物を捕食する事を好む。
体組織は非常に頑丈かつ弾力に優れている。
文化
性別がなくセックスしない種族なので、家族という概念がない。しかし、気の合う仲間同士で同居する事は珍しくなかった。繁殖も入植地を拡大する以外は滅多に行われなかった。
地球に来る以前から技術に必要以上に頼る生活は精神を満足させるものではないと判断したので、戦争や限られた生産でしか使わなかった。運搬も陸上では大型爬虫類、海中ではショゴスを使用した。クレーンの代わりに翼竜を使用した。猿人の様な動物を食用または娯楽用に飼育していた。
服は着ない。部屋の使い方は家具を部屋の中央に集めて、壁を彫刻にするというもの。
歴史
地球入植
先カンブリア時代、表面が海洋に覆われていた地球に最初に入植する。最初の都市は南極に建設されたらしく、その都市の礎石と南極は後世では聖地とされ、文明の中心は常に南極だった。
彼らは、優れた科学力により、まず食用、後に労働力としてショゴスを創造した。彼らは海中で地球最初の生命を創造した。彼らは、地球各地に都市を建設していった。当初、多くの都市は海底にあったが、地球に来る前に住んでいた惑星で陸上生活に適応したので、陸上にも都市が築かれる様になった。
クトゥルーの地球侵略
太平洋にムー大陸が誕生した際、いくつかの海底都市は打撃を受けた。しかし、それ以上の脅威が宇宙の彼方から襲来した。正体は、ネクロノミコンでクトゥルーの眷属として語られる存在であった。侵略者達は一時、地球全ての陸地を占領し、都市を築いた。
過酷な戦争の後、古のものとクトゥルー眷属の間に和平が結ばれた。その結果、ムー大陸はクトゥルーの眷属、その他の大陸と海洋は古のものの勢力地となった。古のものは奪還した土地にあったクトゥルーの眷属が築いた都市を破壊した。その後、突如ルルイエは沈み、古のものはこの惑星の支配者となった。
ショゴスを再び従わせるための戦争
ぺルム紀にショゴスが海中の古のもの共に反乱を起こした。ショゴスに頭を喰いちぎられ、切り刻まれた被害者の壁画が、今でも残されている。古のもの共の原子や分子をかく乱する兵器で、
反逆者は破壊されるか、カウボーイが牛にする様に飼い馴らされた。
ショゴスが陸上生活に適応したのはこの反乱の間である。
この変化は、ショゴスの陸上での利便性よりも危険性の方が大きいので、抑制された。
ミ=ゴの地球侵略
ジュラ紀にミ=ゴが宇宙より飛来した。古のもの共は、侵略者を迎え撃つため宇宙に出ようとしたが、その為の技術は既に失われていた。古のもの共は敗北し、
ミ=ゴは北半球から古のもの共を一掃した。この後、古のもの共は南極に退いた。
地上の放棄
彼らは南極に地下都市を築いたが、南極の寒冷化で家畜が死滅したので、ショゴスを使役した。寒冷化がより進行した後、彼らは、全ての住人と物資を地下と海底の都市へ撤退させた。
その後の記録はない。
ラヴクラフトのこだわり
ラヴクラフトの創造した神話生物の中でも、古のものは最も詳しく描かれている。
彼は古のものに深い共感を抱いており、「狂気の山脈にて」の主人公ウィリアム=ダイアー教授は古のもの共に同情したり、古のものと遭遇しても話せば通じると考えているほどである。
「何であれ、彼らは人間だったのだ」
登場作品*
「狂気の山脈にて」「魔女の家の夢」