概要
映画「ロジャー・ラビット」の登場人物で、ディズニーヴィランズの一人。イタチのギャングのキャラクター。
人物
暗褐色の毛色のイタチのトゥーン。脂ぎった黒い長髪と長く鋭い爪を持つ。緑色の帽子とズートスーツを着用しており、胸までズボンを上げているほか、白い靴を履いている。このような服装から、メンバーの中では最も外見に気を使っているように思われる。強いスペイン語訛りの英語を話し、常にリーダーのご機嫌を取るような口調で喋る。名前の由来は「脂ぎった」「お世辞たらたらの」という意味の「greasy」。
映画
トゥーンパトロールのメンバーの中では、リーダーのスマート・アスの次に台詞が多く、比較的出番も多い。武器はリボルバーとナイフ。特にナイフについては作中の至る場面で所持していることから、彼の象徴的な愛用品であると考えられる。逆にリボルバーはエディの事務所のシーン以外では使う描写がない。駄洒落やお世辞を交えながら話すおべっか使いであり、話し方も胡散臭い。一人称は「あっし」。また、一瞬だけ帽子を外すシーンが存在する。場面によってスリムに見えたり、下腹が出ているように見えたりするが、これが「greasy」という由来を可視化したものなのか、ズボンによってそう見えるだけなのか、単に作画ミスなのかは定かではない。終盤のアクメファクトリーにおいて、マービン・アクメの遺言状を探す為ジェシカ・ラビットの服を調べる際に自ら名乗りを上げ、邪悪なしたり顔で彼女の胸元に手を突っ込んだが、谷間に仕込まれていたトラバサミに手を挟まれて絶叫し、他のメンバーに大笑いされるという醜態を晒した。その後もどういうわけかマンホールから飛び出したロジャーに吹っ飛ばされた挙句宙吊りになるなど、損な役回りが多いが、直後に自身のぶら下がっている大量のレンガを吊るしたロープをロジャーの真上で切って命中させるという、悪役らしい活躍ぶりを見せた。ロジャーとジェシカを共に縛り上げた後、ディップマシンに乗り込んでエンジンをかけるも、エディの曲芸を見て爆笑してしまい、最終的に笑い死んだ。その拍子に運転席から転げ落ちたことでブレーキから足が離れ、ディップマシンを発進させてしまう。
アトラクション
「ロジャー・ラビットのカートゥーンスピン」では、ウィージーとスチューピッドと共に道路にディップをばら撒き、ロジャーとゲストの追跡を妨害した。その後のギャグウェアハウスでは、縄で縛られているジェシカからハンマーで殴られ、破けた帽子から間抜け面と長いたんこぶを覗かせて気絶してしまった。基本的に外見は映画と変わりないのだが、本来ウィージーの武器である筈のトンプソンマシンガンを何故かグリージーが所持している。反対にウィージーの方はグリージーの武器であるリボルバーを携えている。また、Qラインではスマート・アスにロジャーやべニーの動向を報告している時の会話が聞こえ、映画でのおべっか使いなキャラは抑え気味になっている。
声優
映画における担当声優はチャールズ・フライシャー。吹き替えは鈴木勝美。アトラクションでは辻親八が演じている。
余談
○グリージーを演じたチャールズ・フライシャーは、他にもサイコ、べニー・ザ・キャブ、そして主人公のロジャーラビットの声を担当している。ロジャーを演じている際のフライシャーは画面に映らないにも関わらず、ロジャーを模したウサギのコスチュームを身につけながら演技に取り組んでいた。これは本人曰く「ロジャーという役に完全になりきる」為であり、全力で演技に挑む彼の役者魂が感じられる。さらにウサギになりきる為に生のニンジンをかじったりもしたが、流石に吐き出している。なお、ロジャーの台詞はほとんどが後で撮り直しとなった。
○「クワック・パック」第6話「スキー場はおおさわぎ」では、デイジーの浮気を疑ってしまうドナルドの心につけ入り、陥れようとする「嫉妬という名の緑の目のモンスター」なるキャラクターが登場する。その姿は緑色の帽子にスーツ、胡散臭い表情と話し方、と要素がグリージーに非常に類似している。本シリーズは1996年から放送されている為、「ロジャー・ラビット」公開後に彼をモデルにした可能性が考えられる。また、グリージーはイタチだが、このキャラクターはどちらかというとオオカミに近い外見である。
○公開当時、まだルーニー・テューンズを始めとするカートゥーンキャラクターの専属声優が決まっていなかった為、グリージー役を担当した鈴木がバッグス・バニー(現在の専属声優は山口勝平)とドルーピー(現在の専属声優は中尾隆聖)の二役を兼任した。ちなみに機内上映版では富山敬がバッグスを演じている。また、矢島晶子は機内上映版の本作が声優としてのデビュー作だった。