飛鳥大貴
あすかだいき
「何が『聖なるしっぽ』だ。ドロボウはドロボウだ。神様へのボートクだね」
「彼女は たしかにドロボウですが 俺が知る限りその盗みには『正当な理由』がある。彼女の事を悪党とは決めつけないでいただきたい!」
「神様が見てる……観念して、おとなしく捕まれ」
人物像
聖ポーリア学院の中等部2年A組に所属する学年トップの天才少年。
羽丘芽美のクラスメイトでもある。
クラスのみんなからはあだ名の「アスカJr.」の名で呼ばれており、pixiv上でも本名よりもそちらでタグの登録されていることが多い。その為、検索にはそちらでした方が多く検出される。
ちなみにあだ名の由来は「飛鳥刑事の息子」であり、自身も探偵として事件を追い解決に導く事がある(=親の後を継ぐ意思を持っている)ため。
なお原作第16話(アニメ30話)の内容から、ファンからは「キツネさん」あるいは同話劇中内の芽美のセリフとアニメ制作会社の繋がりネタにより「世紀末のキツネ」と呼ばれる事がある。
常に学年首席の成績で優秀を誇っているが、そんなことは微塵も感じさせない気さくさも持ち合わせている。基本的な性格は真面目で熱血なため、クラスメイトの男子にからかわれることも多々。実は牛乳が嫌いという子供っぽいところもある。
ちなみに運動は苦手で、前述の原作16話では見事な階段落ちを披露した。この際に芽美からは「世紀末な運動神経」とまで酷評されている。
アタマは良いが人の心(特に恋愛感情や女心)の機微には非常に疎く、作者をしてドンカンキングと言わしめる、世紀末的恋愛不感症患者である。また女性や恋愛に関しては非常に知識が偏っており、それは時にとんでもない偏見に満ちた状態にある事もある。(後述する家庭の事情がソレに拍車をかけている可能性が高い)
そのためクラスでは変人扱い。世間的には義賊と評価されるセイント・テールに対して「悪い事は悪い事」とするスタンスに基づく誰も賛同しない信念の事もあり女子にはおおむね、鼻で笑われるほどバカにされている。
ただし、その信念に対する姿勢を評価する者、例えば高宮リナや四宮さやか、あと表立ってには言わないが羽丘芽美には、その内在的な魅力(要は心のイケメンである事)により惚れられたり評価されたりしている。
実は密かに父子家庭(単親家庭)育ちである。ただ母親との思い出は少しだけだが持っている描写もある。作者いわく「アスカJr.の母親の話は、どこをどうつついてもアスカ(父子)が不憫にしかならないため、絶対に執筆できない」らしい。(なのでファンの間では「アスカの母は夫と我が子を自らの夢や愛の犠牲(対価)として生贄に捧げズダボロにして棄てたのではないか」そして「歪みつつもどうにか立ち上がって歪んだゆえに背負ってしまった心の重圧から生き残るために見いだした(見いださざるをえなかった)のが『恋愛ドンカンキング・アスカJr.』としての生き方だったのではなかろうか」と言われている)
その父親に対しては、常にやる気のない飄々とした態度ばかり見ていることから「無能」「ダメ刑事」と辛辣な評価ばかりしている。ただし彼の父親である飛鳥友貴刑事は、いわゆる「やるときはやる男」というタイプであり、無能を装いながら容疑者がボロを出すのを待ち要訣を押さえて逮捕するという、いわばN.Y.市警のトレンチ警部や特徴的な口調の警視庁の警部補などを彷彿とさせる超有能な刑事である。また、その性質からか潜入操作および非公式(ないしは非合法)な囮捜査に駆り出される事が多い。
探偵(正確には刑事事件捜査諮問探偵)を夢見ており、怪盗セイント・テールに関わる以前にも警察に協力して事件を解決したという経緯もあり、当初はその正義感と興味から「怪盗セイント・テール」を追っていたが、後にその熱意と才能を聖華市市長からも認められ、「セイント・テール専任捜査官」の権限を与えられた。
実は本来はジェーン・マープルやネロ・ウルフや燈馬想のようにデータを集めて事実のみを分析し心理を排除した上で論理的に結論を見出す安楽椅子探偵のタイプであり、逆に自らが尊敬するシャーロック・ホームズや、あるいは銭形警部、朝加圭一郎に見られるような現場を駆けずり回ったり追跡したりするなどの行動は心底苦手としている。そのためセイント・テールに対し、体力面と運動神経では今一歩及ばず、上述したように感覚も鈍い。(その事がコンプレックスになっている部分があり、その部分を認めたくなくて「自分が行動(逮捕)する」事にこだわる面もある)そのせいでいつもセイント・テールに逃げられている。
要は安楽椅子探偵が行動派探偵の真似事をしたらこうなっちゃうよ、という一例でもある。
互いの「セイント・テール」に対する立場の相違から芽美とはよく舌戦を繰り広げるが、次第に互いの事を気になり始める。
セイント・テールの最終決戦によって、彼女と決着がついて後の「8年後の世界」においては「セイント・テールが守り続けた街を、今度は自分がみんなで守り続ける」という意志の元、聖華市を守る私立探偵(諮問探偵)として活躍し続け、そんな彼をずっと見守り続けたひとりの女の子と婚約。のちに結婚に至っている。