概要
青ひふとは涼風青葉と滝本ひふみのコンビ・カップリングである。
2人はゲーム会社である株式会社イーグルジャンプでグラフィックチームキャラ班の後輩×先輩のカップリングである。
コミュニケーション能力が高く活発な青葉に対し、人と対面で話すことが苦手でコミュ障なひふみという性格が真逆な関係である。
その仲の良さが象徴されるように、単行本では第3巻および第11巻と二度も表紙でツーショットをお披露目。他にも原作及びアニメの版権イラストでも、数々のツーショットが描かれている。
主要エピソード
このコンビのエピソードは主に初期に集中している。ひふみが徐々にコミュ障を克服していき、青葉以外の社員達とも積極的に絡むようになったのが大きい。
青葉の言動に対するひふみのリアクションがその回の主題に繋がる場合が多いため、エピソードを語る上では必然的に一人称もひふみであることが多い。
物語序盤(FS3編)
新入社員として初出社した青葉は、遅れて出社してきたひふみに挨拶する。しかし、喋るのが苦手なひふみは露骨に嫌な顔をしてしまう。その後、ひふみは青葉へ顔文字付きで自己紹介と謝罪メッセージを送った。これには入社したばかりでナーバスになっていた青葉も和まされる。仕事上でも青葉の質問にひふみがメッセージでアドバイスをしていく。
(ちなみに青葉がそれに影響されすぎて、顔文字入りの社内メッセージを上司である八神コウに送って注意を受けてしまうことがあった)
その後もことあるごとに青葉がメッセージでひふみに質問したり相談したりし、ひふみが顔文字付きのメッセージでそれに返事する…といった調子で2人はどんどん打ち明けていく。
アニメオリジナルシーンでは、昼休みに青葉が篠田はじめと飯島ゆんから昼食に誘われる。青葉はひふみも一緒にどうかと誘うが、ひふみは同行するのを遠慮してしまう。それでも青葉は今度一緒にお昼に行きたいと申し出る。ひふみは青葉にデレデレ状態に。行きたいと考え直しそれを伝えようとするが、青葉達はすでに出掛けてしまった後だった。
別の日の昼休みには、ひふみが宗次郎という名のハリネズミを飼っていると明かす。言葉足らずだったため、青葉は彼氏だと勘違いしてしまった。宗次郎の画像を見ながら2人はさらに打ち解け合っていく。ひふみは宗次郎と一緒に写った笑顔の写真をうっかり青葉に見られてしまう。ひふみはその笑顔を見た記憶を消してとお金を差し出すほど恥ずかしがるが、青葉に笑顔を褒められ、普段から笑えるトレーニングをすることになる。
また、ひふみは食事中の青葉を見て宗次郎の姿を重ね合わせ、つい頭を撫でてしまう。小動物的な雰囲気が似ている青葉に対しますます親近感を抱くようになった。そのときのひふみの笑顔に、青葉はついドキッとしてしまう。
その日の帰宅後、ひふみは宗次郎に冷たくされてしまい、翌日は青葉と昼食を共にするのだった。
青葉の新人歓迎会では、ひふみが恥ずかしさのため青葉に日本酒の注文を任せる。ひふみの飲んでいる酒に興味を抱いた青葉は、一口だけ飲ませてもらおうと頼む。ひふみは断れず青葉にグラスを渡してしまう。しかし、店員に声をかけられて(ラストオーダーを伝えに来ただけ)慌てる青葉とひふみ。のちにしれっと携帯のメールで「お酒は20歳になってからだゾ!」と顔文字付きメッセージを送り、青葉に注意するひふみであった。
マスターアップ間近の時期に休日出勤した際、青葉がドーナツを仲間達への差し入れに買った。その画像を友人の桜ねねに送り付けて悔しがる様を楽しむ青葉を、ひふみは目の当たりにする。青葉とは仲良くしたいのに、仲良くなるといじわるな青葉になってしまうかもしれない…。小悪魔のコスプレ姿をした青葉を想像し、ひふみは苦悩してしまう。
青葉とひふみは大忙しで疲弊したプログラマーブースにも差し入れを持っていく。阿波根うみこが趣味であるサバゲーの話を始め、長くなってしまうからと青葉はひふみの手を引いて逃げ出す。
ひふみは青葉に礼を言い、(やっぱり優しい青葉ちゃんが…好き…)と改めて惚れ直す。が、青葉が「…でも、困ってるひふみ先輩ってちょっと可愛いので、もう少し見ててもおもしろかったかも」とSっ気を覗かせたため、ひふみは恐れおののいてしまうのであった。
共にステップアップ(PECO編)
コウがアートディレクターとなったため、ひふみが代わりにキャラ班リーダーに任命される。仕事に慣れないながらも部下達に寄り添った姿勢で取り組むひふみは、徐々に青葉以外ともスムーズにコミュニケーションを取れるようになっていく。
一方、青葉は『PECO』のキャラデザを担当することになる。しかしまだモデリングに口を出せるほどの経験がないのに、何かいい意見を言わなくてはと焦って悩んでしまう。青葉の様子に気付いたひふみは自ら昼食に誘い、「そういう焦る気持ち…わかるんだよ」、「(青葉が)力になれてないなんて思ってないよ」、「一緒にがんばろう」と励まし青葉を元気付ける。
ところがその励ましに反し、昼休みが明けたにも関わらず、ひふみは喋りすぎで疲れてしまったと居眠りを始めてしまうのだった。
その後は青葉とひふみの直接的な絡みの描写は減少していくが、青葉に触発されたひふみが独自に新入りの望月紅葉へも(不器用ながらも)積極的にアプローチをかけていくという、初期には考えられないほどのコミュニケーション能力の向上を見せる。
ひふみは休憩時間に青葉・ゆん・紅葉・鳴海ツバメを昼食に誘い、時間を忘れて共に服屋で過ごしたことも。(その際は青葉・ゆん・ひふみは同じ服を試着し、青葉とゆんにスタイルの差を見せつけることとなった)
この頃になると、作中でひふみが社内メッセージを用いて話すシーンはかなり少なくなっている。
強い信頼関係(DDB編)
ひふみは『デストラクションドッジボール(DDB)』開発においても引き続きキャラ班リーダーを続投する。
キャラのモデリングに関しては青葉に言わせると「ひふみ先輩って八神さんより優しいですけど、八神さんよりクオリティに厳しいかもですね」とのこと。つまり部下へ的確な指示が送れるようになったことも意味しており、コミュニケーションスキルが飛躍的に改善されているのが窺える。肝心のひふみ本人は青葉に甘えてばかりのダメな先輩だと自分を卑下してしまうのだが。
『DDB』発売後の同人誌即売会で趣味のコスプレを楽しんでいたひふみ。コスプレ姿を仲間達に見られまいとしていたが…。はじめとねねには見つかったものの正体には気付かれなかったが、青葉とツバメには見破られてしまい狼狽するのだった。
百合認定(FS4編)
ひふみの自分をずっと気遣ってきてくれた青葉に対する気持ちは他の社員に比べても特別な様子。
沖縄社員旅行。ひふみは青葉は紅葉のように目標がある人と一緒にいた方が楽しいのかなと考え、自分には何もないことを引け目に感じてしまう。それを葉月しずくに打ち明けたところ、「涼風くんにとって特別な人になるための努力」をするようアドバイスされ、つい「な、なんだか恋愛話みたいですね…」と答え、しずくから百合認定される。ちょうどそこにやって来た青葉が、ひふみとしずくが何を話していたのか尋ねる。しずくが冗談で「恋愛相談」と答えたところ、青葉が「本当だったらちょっと妬けちゃうかも」とコメントしたのを聞き、ひふみは赤面した。ひふみは最終的には自分も青葉の手を少しでも引けるようになりたいと前向きに考えるようになる。
『フェアリーズストーリー(FS4)』制作においては、青葉がひふみをモデルにしたキャラクターを完成させる。弱々しいキャラにされたらイヤだなと憂いていたひふみ。しかしひふみの優しい内面をも反映させたそのデザインを見て感銘を受け、ひふみは自らそのキャラのモデリングを買って出る。
青葉がキービジュアルのコンペに寝坊して大遅刻してしまった際、ひふみは紅葉と共にメイドに扮して時間稼ぎに尽力した(おそらくしずくの指示であると思われる)。
ひふみは『FS4』の打ち上げパーティーで、自分をモデルとしたキャラのコスプレ姿で受付を務めるまでになる。
その際、青葉が壇上スピーチのためのメモを紛失し慌てふためいてしまうが、ひふみは紅葉と共に青葉を励まし背中を後押しする。青葉は見事なスピーチを披露するのだった。
青葉が率いるチームで(最終回)
『FS4』発売から数年後の春。
はじめやゆん、コウとは別のチームになる中、青葉とひふみは同じチームで『PECO2』の開発を手掛ける。青葉はメインキャラクターデザイナー兼アートディレクター、ひふみはメインキャラモデラーリーダーで、青葉の方が上司となっている。