概要
青コウとは涼風青葉と八神コウのコンビのことである。『NEWGAME!』の主題に関わる、作品を語る上で欠かすことのできない2人の組み合わせである。
2人は共にイーグルジャンプのグラフィックチームキャラ班に所属する後輩と先輩、部下と上司で、初期には弟子と師匠、時にはコンペの際にライバル同士、時には共にキャラクターを創っていく相棒となることも。
主要エピソード
おかしな出会い(FS3編)
イーグルジャンプへ初出社した青葉は、コウがパンツ丸出しで床で眠っているのを見つけて困惑。コウの方は青葉を中学生だと勘違いしてしまう。
青葉は3Dモデリングの練習に取り掛かろうとするが、コウは教本を渡しただけで青葉をほったらかしにする。しかし呑み込みの早い青葉は短期間でモデリングの基礎をマスター。コウの指示で『フェアリーズストーリー3(FS3)』に登場するNPCの村人のモデリングに取り掛かる。コウの合格ラインは高く、本来なら合格のクオリティにもかかわらず、何度もリテイクを要求した。遠山りんいわく、それだけ青葉に期待しているから。
青葉がモデリングに慣れると、次にコウは重要NPC(のちに青葉がソフィアと命名)のキャラデザを指示。コウはそのキャラのモデルをコッソリ青葉にしていたが、青葉がそれに気付いたのは、キャラデザにOKが出た後であった。青葉は恥ずかしさのあまり赤面して、
「最悪です!八神さん 大っ嫌いです!!もー!!」
…と照れながら怒った。
共同でキャラデザ(PECO編)
青葉が完全新作『PECO(ペコ)』の社内コンペを勝ち抜きキャラクターデザイナーに抜擢され、コウはそのフォロー役となる。
1回目のコンペの後、コウは敗れたショックで条件反射的に青葉に八つ当たりをしてしまう。そのことで落ち込んでいたところをりんに諭され、青葉のブラッシュアップ作業を手助けする。その結果正式に採用され、それ以降二人三脚でキャラデザを進めていくことになった。
作業は順調で、青葉がキービジュアルを描くための打ち合わせをしようかという段階になる。ところが出資会社の意向により、広告などのキービジュアルはコウが担当し宣伝でもコウの名前を全面に出すことに。
青葉がコンペをしたいと食い下がり、出来レースであることを承知の上で実施される。しかし、コウとの圧倒的な実力差を目の当たりにし悔しさに打ちひしがれる青葉を、コウはただ慰めることしかできなかった。
「青葉、ここまで登っておいで」
その後、コウはせめてもと東京ゲーム展でのスピーチの際、アドリブで青葉を壇上に呼び関係者の前で事実上のメインキャラデザだと紹介する。
「前に進もうと思わせてくれたのは青葉だったんだ」
コウはキービジュの一件を機に、自らのスキルアップのためフランスのゲーム会社・ブルーローズへの出向を決意するのであった。
遠くからも見守り合う(DDB編)
青葉はドッジボールゲーム(のちの『デストラクションドッジボール(DDB)』)のコンペに敗れ、それを引きずっていた。
それから随分経ってから、友人らと居酒屋で飲酒していた青葉へフランスにいるコウから励ましの電話がかかってくる。さらに青葉は青葉のファンであるという大和・ソフィー・和音からの応援メッセージを聴かせてもらい、元気づけられるのであった。なお、飲みすぎていた青葉はその直後…
『DDB』が炎上騒ぎになったのを機に、コウが急遽帰国。コウは直接作業には加わらずあくまでフォローをするのみで、青葉達はほぼ自分達の力のみでゲーム開発を進めていく。多くの問題に見舞われたものの、その年の年末に『DDB』は無事にマスターアップを迎える。改めて青葉からほとんど自分達だけでゲームを完成させられたと報告を受けたコウ。遠くからでも青葉の活躍を見守っていたといい、青葉もまたコウのことを見続けていたと涙ながらに話す。
コウはその場で次回作『フェアリーズストーリー4(FS4)』のアートディレクターに自ら志願したと明かし、青葉をキャラクターデザイナーに指名する。
信頼関係の勝利(FS4編)
青葉はキャラクターデザイナーとして悪戦苦闘しつつも、コウが思い描く主人公像を形にしていく。青葉は締め切り間際に主人公・ノアのデザインを完成させ、会議でもこれで決定とされていたが、コウが納得のいくデザインにはなっていなかった。コウは曖昧な指示しか出せない自分の不甲斐なさを感じる。
コウは勤務時間外に青葉を飲みに誘う。話しているうちに青葉がコウが納得のいくデザインになっていないのを察し、曖昧でもいいから話して欲しい、責任は自分にもある…とコウへ促す。話を聴き、それを汲み取っていく青葉。
その後、青葉は酔ったコウを家へ送り届けた際、りんの勧めでそのまま泊まることに。青葉はりんと話すうちにコウをモデルとした主人公像を閃く。
最終的にコウをモデルとした誰もが腑に落ちるノアのデザインが完成し、すぐに採用される。
「じゃあノアのお姫様衣装バージョンは 可愛い八神さんを思い出しながら描きますね」
…と、青葉はコウをからかう。ある意味『FS3』のソフィアの件の意趣返しになっている。
制作は順調で、青葉がキービジュアルの作成に着手しようかという時、出資会社である芳文堂が自社の都合で突如出資の取りやめを言い渡すトラブルが発生。ブルーローズが出資をしてくれることになり制作は続行できることに。ところが今度はブルーローズの責任者である大和・カトリーヌ・十和が出資の条件として星川ほたるにキービジュアルを担当させるよう要求してくる。
青葉が食い下がったためコンペが実施されることになる。が、青葉はカトリーヌからこれまでの履歴を踏まえ、コウから信用されていないのではないかと指摘される。さらにコウが「なら自分が描く」と言い出す。それを目の当たりにした青葉はカトリーヌの指摘を真に受け、ショックで自宅の自室に引きこもってしまい、コンペ用の作品も作らず1週間泣きはらし続ける。
しかしコウが自分が描くと発言した意図は、青葉を信じて時間稼ぎをするためであった。コンペの3日前に望月紅葉を介してそれを伝えられた青葉は、ハイペースで作品を描き上げコンペで発表。全会一致で支持され、青葉は遂にキービジュアル担当の座を自らの手で勝ち取る。
コウの不器用さのせいで一時すれ違いが生じてしまったが、青葉とコウが築き上げてきた信頼関係は確たるものであったことが証明された。これには自信家のカトリーヌですらも、自分にはほたるを信じる強さが足りなかったと省みることになった。
青葉は発売後の打ち上げパーティーで遂に壇上でのスピーチも披露。かつて『PECO』の時はコウの計らいで登った壇上に、今回は自らの力で登り詰めたのだった。
共に並び立つ(最終回)
『FS4』発売から数年後の春。
青葉は『PECO2』のアートディレクター兼キャラクターデザイナーに就任し、チームを率いる地位に立っていた。
コウもまた、何を始めるかは未定なものの青葉とは別の新たなチームを立ち上げる。
イーグルジャンプの社屋が移転したことで感傷的になる青葉を、コウはこれからも変わらない毎日が続くからと励ますのだった。