概説
日本において甲冑で武装した女性を指す言葉。
実在性の問題
洋の東西を分けず、女性が実戦に出る事が少なかった事もあり、学説によって存在の可否は大きく割れる傾向にあるが無論、「武装した女性」ならば“いた”と言えるが、「全身を甲冑で固めて合戦に出陣した」となると説話の類いに僅かに登場するにとどまるため、常に懐疑的な意見が付きまとっている。
ゆえにこういった女性は「伝説の女傑」といった扱いにとどまることが多い。
代表的な女武者
- 神功皇后
- 巴御前
- 平安時代末期に登場し、「平家物語」「吾妻鏡」で語られる女武者で、当ジャンルの代名詞ともいえる。
- 坂額御前
- 鎌倉時代初期に建仁の乱で暴れた女武者。巴御前と並び称され、併せて「巴板額」と呼ばれる。史書から不細工扱いされている不憫な人。
- 甲斐姫
- 鶴姫
- 東海の甲斐姫と二分される伝説の女武者。大山祇神社の巫女で、大内氏からの侵略を幾度となく阻むも、最期は思い人を合戦で亡くした喪失感から身投げしたとされる。彼女の甲冑は戦国時代の史料としてほぼ唯一の女性用甲冑として現存するが、これが本物なのかは分からず実在したかは不明。
- 立花誾千代
- 新島八重
- 戦国時代の奥方・姫君
古今東西を問わず「殺伐とした戦場に華やかな女性が奮闘する」という話は人気。女武者として想起されやすい人物もいるが実際にそうした逸話があるわけではなく、後世の脚色で女武者としての地位を確立した人物も多い。
こうした文化は戦国ブームに影響された現代で多いに花開いている。