概要
ユーラシア大陸中南部、パキスタンと中華人民共和国の国境のカラコルム山脈(広義のヒマラヤ山脈)にある高山。
標高は8,611mで、パキスタンの最高峰であると共にエベレストに次いで世界で二番目に高い山である。
「K2」という変わった山名は、英国の測量隊がカラコルム山系の測量を行った際にとりあえずの仮称としてつけた測量番号がそのまま山名として残ったという事情がある。
そもそも人里からかなり離れた奥地にある事から、周囲の山々と共に西洋人が立ち入る概ね19世紀末までその存在がほとんど知られていなかったのである。
ちなみに中華人民共和国側はK2の命名の後年に「チョゴリ」と名付けており、これはチベット語圏に属するバルディ語で「大きな山」を意味する。
世界最高峰であるエベレストに比べると知名度は幾分低い。
しかしながら登山家たちからは(登山ルートが開かれた山としては)「世界一登頂が困難な山」として知られ、一般的なルートでさえエベレストのバリエーションルートに匹敵するといわれる。
また冬季の登頂については、2021年1月にネパール隊が初めて成功するまで長く実現しなかった。
初登頂は1954年7月31日、イタリア隊によって達成された・・・が、この登山隊は難峰K2を初征服したその偉業よりも、その後50年以上もの長きに渡って続いた隊員間のゴタゴタ中傷劇の方が、今日では有名(『K2 初登頂の真実』という映画にもなっている)。
やっぱりイタリアはイタリアである。
エベレストには2012年の時点で既に5,000人を超える登頂者が記録されているが、同じ時期のK2の登頂者はたったの306人と10分の1以下である。
しかもその中で死亡者は81人とかなり多く、K2に挑んだ登山家の3~4人に1人は生きて帰れないというデータがこの山がいかに危険で登頂困難かを如実に物語っている。
「魔の山」ナンガ・パルバット、「キラーマウンテン」アンナプルナと並び、この山には「非情の山」という異名(失敗に終わった1953年米国遠征隊記録本のタイトルが由来)がつけられ,登山者達に恐れられている。
非常に奥地にあり、ベースキャンプに到達するまで徒歩で一週間かかる(自動車でのアプローチは不可能)。
登山にかかる時間とコストも非常に大きく、ベースキャンプでの高所適応化込みで3カ月は見ておく必要があり、入山料(約110万円)のほかに一人当たり1,000万円以上の資金を用意しなければならない。
登山に必要な資材も膨大で、登山ルートに残された大量のゴミが問題になっている。
また救助や運搬の困難さのため、登山ルート上には多くの遭難者たちの遺体も収容すらできず放置されたままとなっている。
関連項目
:GX第1話で墜落中のシャトルの飛行ルートに存在したため、主人公に山体を一部殴り飛ばされて標高が世界3位になってしまった。