曖昧さ回避
MARVELのキングピンの概要
1967年の『スパイダーマン・ノー・モア!』で初登場。
本名はウィルソン・フィスク。
ニューヨークの暗黒街を牛耳る裏社会の帝王であり、スパイダーマンやデアデビルの宿敵。
小さい頃はいじめられっ子の肥満児だったが身体を鍛えて逆襲、いじめっ子達を支配下に置いてギャング団を結成、そのまま暗黒街を駆け上がってマフィアのボスにまで上り詰めた。
スキンヘッドの白人男性で肥満体に見えるが、実は全身筋肉の塊であり相撲の達人。
超能力などは一切持たない普通の人間だが、数カ国を手玉にとれる莫大な財力・巨大な組織を運営する明晰な頭脳、そして体脂肪率2パーセント(自称)の規格外の超巨体による人類最高レベルの筋力と耐久力を備えており、他社のコウモリ男をそのまま悪人にしたような最強の人類である。
(ちなみに、そのコウモリ男とはスパイダーマンとのクロスオーバー作品で共演した事がある。下記参照)
マフィアのボスである事が明らかになるまでは、実業家として有名で、しかも品行方正な人物で知られていた。自身も「犯罪組織の長であるならば、表の顔では一切犯罪を犯してはならない」という思想を持ち、それを実行していた様子。
実業家として会社を興し、その社長として会社経営している表の顔を持つ。その会社の一つに香辛料を扱うものがあり、日本にも支社がある。
組織力・経済力は言うまでもないが、その知力や腕力も強力な武器。
手練手管の罠を仕掛けて敵対者を陥れる他、数々の仕掛けをアジトに仕掛けて防御している。個人戦闘においても、ガス発射ネクタイピンや、ケブラー製の防弾チョッキを着こみ、ビームを発射するステッキなどで武装している他、上記にある通り相撲など格闘技の達人でもあるため素手での戦闘力も高い。
自宅のトレーニングルームでは真剣を持った忍者やサムライ数名に切りかからせ、彼らを素手で全員叩きのめす……という訓練を毎回行っている。
スパイダーマンも、何度も素手で叩きのめされている。
スパイダーマン、デアデビル、パニッシャー、ゴーストライダーなど、クライムファイター系のヒーローたちの前には、ヴィランとして毎回のように立ちふさがる。そのギャングとしての手腕はヒーロー側も一目置くほどであり、一時期行方をくらました時には、ニューヨークの暗黒街の秩序がなくなり、ギャングたちが互いに全面戦争を行ったほど。ヒーローたちですらこの抗争は止められなかったが、キングピンが再び姿を現した事で、すぐに収束してしまった。
暗黒街で恐れられ敵にとっては残忍冷酷な存在だが、家族に対しては心の底から愛情を有しており、特に妻ヴァネッサ・フィスクの事は深く愛している。
ヴァネッサもまたキングピンの事を愛しているが、ギャングを続けてほしくないと考えていた。そのため妻の願いを聞き入れたキングピンは、ギャングを引退し日本に移住しようとしたことがあった(上記の、自身の表のビジネスで経営しているスパイス会社の、日本支部に移ろうとしていた)。
だがこれを聞いた敵対組織がヴァネッサを誘拐し、この時のショックで彼女は精神を病んでしまった。そのため、キングピンは再び組織に返り咲き敵対組織を粛正するという結果に。
ヴァネッサを治療するため高名な精神科医に診察させたが、その際には『自分と同じ苦しみを感じさせ、確実に治療させる』ために精神科医の妻を誘拐し軟禁していた。
ヴァネッサとの間には息子のリチャードをもうけており、リチャードもまたキングピンの事を父親として尊敬していた。
しかし自身の父親が暗黒街の顔役である事を知り絶望。自身の死を偽って行方をくらまし、犯罪王スキーマーとしてキングピンに敵対するヴィランとなる。
後に正体がバレるもキングピンとは敵対し、同時に家族として更生を望むという奇妙な親子関係が続く事になる。
のちに、ヴァネッサと死別したり、ニューヨークの自身の組織と影響力を失い、サンフランシスコに新たな犯罪組織を作ろうとしたりと、様々な困難の道を歩む事に。
他メディア展開
アーケードゲーム版パニッシャー
最終ボスとして登場。
原作通りの、あるいは原作以上の超巨体で描かれておりラスボスに相応しい戦闘力を誇るが、そんなキングピンを担ぎ上げたまま跳躍できるプレイヤーキャラ達も大概である。
本作の主人公であるパニッシャーことフランク・キャッスルが家族を失う原因となったギャング同士の抗争の元凶として、間接的ながら家族の仇的な扱いとなっている。
しかし、パニッシャーはキングピン抹殺後も生き方を変えるつもりはないようだ。
大きく描きすぎてMARVEL側から怒られたという噂があるが、後の他メディアでもメチャクチャな大きさで描かれることがある。
なお、エンディングでは根城としていたキングビルの崩壊に巻き込まれはしたものの
「警察の必死の捜索にも拘わらずキングピンの死体は確認できなかった」と報じられている。
実写映画版デアデビル
原作と違って黒人男性である。
演者のマイケル・クラーク・ダンカンは後にグリーンランタンの実写映画でキロウォグの声を演じている。
Netflix版デアデビル
原作通りに白人として登場。
演じているのは微笑みデブ役で有名なヴィンセント・ドノフリオ。
スパイダーマン:スパイダーバース
メインヴィランとして登場。
演じたのは『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でセイバートゥースを演じたリーヴ・シュレイバー、日本語吹替は玄田哲章。
設定はコミックとそう変わらない。
妻子を失っており、二人を取り戻すため、オリヴィア・オクタビアスと共謀し、異次元とつながる加速器を開発しようとしていた。
それを妨害しようとしたピーター・パーカー / スパイダーマンを殺害。それがマイルス・モラレスが新たなスパイダーマンとなり、また異次元のスパイダーマンたちを呼び寄せるきっかけとなった。
関連動画
Spiderman Vs The Kingpin
スパイダーマン:スパイダーバース
関連タグ
その他
DCとマーベルの大規模クロスオーバー「アマルガム」では、バットマンの『リドラー』と合体、『ビッグ・クエスチョン』というヴィランになっている。
アーカムタワーを拠点としており、キングピンよろしく暗黒街を支配している。
その姿は、クエスチョンマークを体に描いたキングピンといったものであり、リドラー同様に謎かけのように問いかける事を好む。
キャッツサイ(キャットウーマンとエレクトラの合体)、デア(デアデビルとデスストロークの合体)の、二人の女暗殺者と戦った。
また、バットマンがスパイダーマンと正式にクロスオーバーした作品の二作目では、マーベル側のヴィランとしてキングピンが登場。ヴァネッサの難病を救うために、ラーズ・アル・グールと組み、スパイダーマンと組んだバットマンと対決する。
本人が相撲を心得ているのみならず、自身が経営するスパイス会社の日本支部を持つ他、一時期はヴァネッサと日本に移住する事を考えていた。また、マフィアのボスという立場から、日本の忍者や暗殺者といったヴィランなどとも(協力者のみならず、敵対者も含め)知り合いが多く、日本とは結構縁があったりする。
また、ニューヨークを牛耳るマフィアのボスであり悪漢ではあるが、かの911事件におけるニューヨークの現場を目の当たりにした時には、マグニートーやDrドームなどとともに、死者を悼む様子を見せていた。