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編集者:PencilMan
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概要

ポケットモンスターダイヤモンド・パール』に存在する(存在しないがバグで行ける)場所の呼称。ただし、特定の場所ではなくバグで進入できる場所のことであり、そこからそのバグマップ全体がそう呼ばれている。

「なぞのばしょ」を経由して通常では入れない場所に行ったり、通常では入手できないポケモンをゲットできるなどとして話題になったが、あくまでもバグ技であるため障害物にめりこむ等の意図せぬ動作を起こして遭難するトレーナーが続出した。当時、主人公の位置を強制的に自宅に戻す修復プログラムが配信されるという事態にもなったほどである。

そうした経緯や「なぞのばしょ」という絶妙な名前、バグによって起こる現象の奇怪さなどから都市伝説的な知名度がある。

「なぞのばしょ」という名称自体ゲーム内で表示されるある意味正式名称ではあるのだが、こういった名称は通常プレイでは見えない空データの部分につけられた開発スタッフの便宜上の名前である。いわばマップ版「けつばん」ともいえる。

「わざわざ名称が付けられているのはおかしい、意図的に作られたマップだ」「なぞのばしょでイベントが起こるのはおかしい、意図的に作られたものだ」と解釈する者もいるが、空データや没データに便宜上の名前がついていたり、それらを読み込むことで通常プレイでは起こらない状況が発生するのは珍しいことではない。

当然ながら、ここに進入すること自体が本来の仕様ではないため、場合によってはプレイ続行不可能になることやデータ自体が破損する可能性もある危険な行為である。

pixivではそれをネタにした(ブラックなものも含む)イラストにタグが付けられているようである。

BDSPでは…?

時は流れ2021年、本作のリメイク版であるBDSPが発売された。

BDSPではこのバグは流石に修正されており、なぞのばしょに行くことは不可能…

と思われていたが、別の方法でなぞのばしょに行けることが判明し、しかもシェイミもゲットできてしまうことも判明してしまった。

しかし、これはほんの序の口に過ぎなかった…。

発売から程なくして、ゲームバランスが崩壊しかねない増殖バグが発見されてしまい。伝説ポケモン色違い等のレアポケモン、ガンテツボール(本作ではオムニ7のショップ限定特典)・マスターボール・とくせいパッチ・ふしぎなアメなど一部のレアアイテムの価値が崩壊してしまう事態になった。

増殖バグの亜種として、色違いポケモンと通常色のポケモンを“融合”させて通常色のポケモンの進化形を色違い個体に変えてしまうバグも発見されている(通称融合バグ)。

壁抜けバグも現時点では解禁されていないシェイミが居る場所に行けてしまうという事が発見されてしまっており、一部プレイヤーから「なぞのばしょの再現」などと皮肉られてしまっている。

ピッピにんぎょうを使うとトレーナーとすらバトル回避出来てしまうバグが発見され、ジムリーダーや四天王・チャンピオン戦をスキップしシナリオが崩壊してしまう事態が発生(シロナに関しては、特定のタイミングでむしよけスプレーを使うことでも突破できてしまうことが確認されている)。

技の思い出しにもバグが確認されており、手持ちに2体以上ポケモンがいる際に特定の動作をすると、本来であればそのポケモンが覚えられない筈の技を覚えさせられてしまうバグが発生する。これにより、りゅうのまいガブリアスや、ノーガードぜったいれいどカイリキーといった、環境破壊間違いなしの化け物が次々と生み出される事態となった。

一応、こうした本来覚えることのできない技を習得したポケモンは、通信対戦や交換でも弾かれてしまう仕様になっているため、幸いなことに上記のバグと比べるとそこまで深刻な問題になることはなかった。

ただ、バトルタワーの難易度が大幅にダウンし、これによりBPと交換できるアイテムの値打ちが大きく崩壊することになるため、やはりゲームバランスを考える上ではあまりにも問題のある存在であることには間違いない。

ちなみに、上記のバグの多くがボタンの同時押しでメニューが多重に開けてしまうバグ(通称:メニューバグ)をトリガーにしているのだが、これはday1パッチであるVer1.1で起こり、パッケージ版でパッチ未適用の場合(Ver1.0)では起こらないという。まさかのエンバグである。

他、致命的ではないもののテキストバグ、名前バグ、主人公のグラフィック増殖バグなども確認されている。

このように、本作はここ最近のシリーズ作品と比較してもバグが極めて多い

これについては、通常のシリーズ作品と比べて開発期間が短く十分なデバッグが行えなかったこと、制作を担当した株式会社イルカは本来CGの制作メーカーであり、ゲーム制作のノウハウが少なかったことなどが原因ではないかと言われている。

結果として、発売後のおよそ10日間はほぼ毎日のようにプレイヤーによって新たなバグが発見されるというゲームとしてはあまりに情けないと言わざるを得ない事態になってしまい、遂には「BDSPはバグだらけスペシャルの略」「ゲームの内容そのものよりも、どのようなバグを見つけ出すかでプレイヤーが盛り上がっている」という皮肉めいたジョークまで産まれる有様であった。

いずれにしてもこのままでは埒が明かないため、修正パッチの早期の配信が待ち望まれる所であったが、発売から13日後のアップデートでようやく修正パッチが配信され、メニューバグを起点としたこれらの裏技の類は完全に実行不可能になり、増殖・融合・技のバグは排除された。

アプデから12日後、Ver1.1.2で別の方法によるメニューバグと増殖バグが発見されたが、こちらは間を置かずにすぐに修正されている。

バグは修正されたけど…。

このように、BDSPのバグ問題は概ね集結しているものの、これらのバグが残した爪痕はあまりにも大きすぎるものだった。

そもそもこれらのバグの修正はアップデートにより行われているため、アップデートを行わなければ依然として利用できるという問題がある。そのため、アップデート後もあえてアップデートを拒絶することでこのバグを利用し続けたプレイヤーは世界中で相当数いたものと推測されている(アップデートしなければふしぎなおくりものが受け取れない、オンラインプレイができない、今後ポケモンHOMEとの連動も行えなくなる可能性が高いといったペナルティがあるため、現在ではそこまでではないと言われているが)。

更にまずいことに、バグにより増殖させたポケモンやアイテム、本来覚えない技を覚えたポケモンは現状はアップデート後も何のペナルティも課されずそのまま残る仕様になっているため、完全にバグを利用するだけ利用した者が得をする事態になっている。これに対する落とし前をどうつけるのか、現時点で有効な手立ては見つかっていない。

また、修正パッチを配信するまで公式がバグに対する声明を一切出さなかったことを「説明責任の放棄」として問題視する意見もある。もちろん、本来であればバグのないゲームを作るのが一番であるが、せめてバグの存在を早期に認め、バグを用いた不適切なプレイイングが横行していることを警告したり、それを防止するために近日中に何かしらの対応を取ることをプレイヤーに対して告知するなどしていれば、まだプレイヤーからの心象は違ったものになっていたかもしれない。

このように、一連のバグ騒動は一応の終結を見たものの、まだまだ残された課題は山積しており、円満解決とは程遠い事態となっていると言える。

というより、プレイヤーの間では「どうせ修正してもすぐに別のバグが見つかるのだろう」という冷めた見方まで広がっている有様である。

悲しいかな、バグは修正できても、プレイヤーや業界からのイルカへの評価と信頼は最早修復不可能なレベルにまで落ち込んでしまったと言えるだろう。

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