概要
G7(アメリカ、カナダ、日本、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア)の首脳に加え、EUの理事長、委員長の9名による国際会議である。かつてはロシアも参加していた。
EUからは理事長、委員長の2人が出席する。
首脳会議前に大臣が集まる大臣級会議も行われる。
開催地は参加国の持ち回りである。初期は首都や主要都市での開催も多かったが最近は保養地がメインである。
メンバーはいずれも米ソ冷戦時代の旧西側諸国であり、貿易・金融政策を巡って意見が交わされる場であった。
しかし、アジア・中東などで新興国が急成長していることで、相対的に従来の先進国であるG7各国の影響力は低下の一途を辿っており、新たな超大国となりつつある中国に民主主義陣営としてどう対抗していくのかが議題になることが多い。
G7の創設と変遷
1970年代、第4次中東戦争による石油価格の高騰により、先進国経済は大混乱に陥った。
そこでアメリカ、日本、西ドイツ、フランス、イギリスの5か国で金融政策が話し合われる場が設けられた。1975年にイタリア首相が「イタリアをハブくんじゃねぇ!」と会議に乱入(※)。翌年にアメリカが「欧州に偏って不公平だから俺の舎弟を連れてくるわ^^」とカナダを誘って7か国となった。
1998年からロシアも参加メンバーに加わりG8となったが、2014年にウクライナのクリミア半島を強引に奪取したことが引き金となり、事実上メンバーから追放された(2022年現在もウクライナ情勢を巡って欧米とロシアの対立は続いている)。
2020年にトランプ大統領によりG11への拡大が提案されたが白紙となり、2021年にはゲスト扱いであるもののオーストラリア、インド、韓国が招待された。
(※)当時のイタリアはイギリスを凌駕する経済大国であったため、イタリアの首相が怒るのも尤もな話である。