家の猫がポーションとってきた。
いえのねこがぽーしょんとってきた
概要
現代の日本を舞台に高校生の島津康平と飼い猫であるクロが自宅の裏庭に出来たダンジョンを探索するローファンタジー。
当初はのんびりとダンジョン探索してくのだが、ある出来事を境に本格的に探索していく事となる他、物語が進んでいくとダンジョンを巡って色んな組織が出てくるのも特徴。
あらすじ
両親を事故で亡くした高校生の島津康平は愛猫のクロによって失意から立ち直ったが、そのクロがどこからか謎の液体が入った瓶を持ち帰ってきた。
不注意で怪我をするも、液体によって治癒した事でそれが治癒ポーションだという事を知った。康平はクロの後を追うと、自宅の庭にある納屋で床に大きな穴ができた。
その光景は、ゲームなどでお馴染みのダンジョンと同じものであった。康平は飼い猫と共にダンジョンを探索していき、その中でダンジョンマスターを名乗るアマツと邂逅していく。
これは、一人の若者と飼い猫によるダンジョン探索記である。
登場人物
主要人物
この物語の主人公である高校生(後に卒業)。
虫が苦手であり、特にセミとGを見ると悲鳴を上げている。作中で料理を作るシーンがよく見られる事から、自炊はできる。
連休中の帰りに両親を事故で失ったショックで家に引きこもったが(当人は一命を取り留めたが、一時は意識不明の重体となっていた)、飼い猫のクロのおかげで事故から数ヵ月後には学校に通えるぐらいには気力を取り戻した。
そのクロがどこからかポーションを持ち帰ってきた事(やクロの後を追った事)で、自宅の納屋の近くにダンジョンが出来た事を知ってしまった。
当初はのんびりとダンジョン探索していたが、クロが命の危機を患った時は本気でダンジョン探索に乗り出し(後に若返りのポーションで回復)、15階クリア時点で自宅に出現したダンジョンを国に報告したのであった。
姓名がどこぞの戦闘民族と同じであるが、あまり関係はない(しかし牛の首を刈り取ったせいでどうしても思い浮かべてしまう)。
- 黒猫のクロ
康平の飼い猫で、両親が他界した康平にとって唯一の家族と言える存在。性別は雌、品種はボンベイ 。
康平の自宅に出てきたダンジョンを最初に発見しており、そこからポーションを家に持ち帰ってきた事から物語が始まった。
今年で18歳を迎える身(人間換算で80歳以上とかなりの高齢)であるが、それを感じさせない程の器用さとパワフルさを見せている。
それでも高齢で風邪をこじらせたせいで命の危機に陥ってしまうが、島津康平が単独で手に入れた若返りのポーション(3年)を飲んだことで復活、寧ろ前よりも増して活発的になった。
ダンジョン関係者
- アマツ
ダンジョンマスターと呼ばれる存在で、康平の家に出現したダンジョンを管理している。
普段はダンジョンの5階に住んでいるが、ダンジョン内ならばでも他の階層の壁から顔だけ出して出現する事も可能。
チュートリアルを突破した康平に対しては友好的であり、要望にもちゃんと応えるが、それでいて彼を驚かせるのが大好きであり、総じて掴みどころのない人物となっている。
人口が増えすぎた時の場合においても、ダンジョンでは食用に回せる動物系のモンスターの配置などで対処している。
ダンジョンを楽しむ者に関しては好意的だが、ダンジョンの邪魔をする者に関しては容赦がない。当初は「制限」によりチュートリアルを攻略した者でないとアマツの存在を認識できなかった為、世間からは「管理者」や「ダンジョンマスター」と呼ばれている。
- マーシー
ピットマスターと呼ばれる存在で、アマツからBBQ広場の管理を任されている。
ゴーレムとも機械とも取れる外見をしており、何処からか包丁やら端末などを出していく事もある。包丁で肉を切り分ける事や肉を焼いたり、様々な凝った料理や好みに合わせた味付けをするなど、調理に関しては一流。
また、肉の冷凍や発泡スチロールらしきものに入れる事も可能。
バーベキュー好きな米軍関係者には神格化されている。
その他
- じいちゃん、ばあちゃん
康平の母方の祖父母。祖父は農業をやっている。
康平の家と近く、時折とれたての野菜をお裾わけをする形で、康平と交流している。
書籍版では両親を事故で亡くして独りきりだった康平の世話をしていたようだ。
腰痛に悩まされていたが、康平がアマツに頼んで「追加した」腰痛用の湿布によって治療できた。
- 中村
康平とは高校の同級生。
高校卒業してプレス関係の会社に勤務してからもスマホを介して交流している。
一方でダンジョンが見つかった動画を康平に見せている場面がある。
モンスター
ダンジョンに生息する生き物のような何か。
モンスターを撃破すればポイントが貯まっていく他、モンスターカードも貰える(なお、モンスターの死体は自動的にダンジョンに吸収される形で消滅する)。
基本は4階までは一体につき1ポイント固定であるが、ここ以降は獲得するポイントも増えていくが、階層が進むにつれて出現するモンスターも強力になり、10階以降では特殊能力を持つようになる。また、次の階につながる階段を守るように配置されたモンスターは「ゲートキーパー」と呼ばれており、次の階で出現するモンスターを倒せるか否かの試練としての要素もある。
動物系のモンスターは食用にできるが、それ以外のモンスターは「食えなくはない」程度でお勧めはしない。
モンスターのカード
モンスターの絵柄が描かれているカード。
チュートリアルを突破した後にモンスターを撃破することで獲得できる。一定確率しか出現しないものの、複数枚入手できる。
装備や参加者の肉体を強化出来る機能を有しており、カードの効果も描かれたモンスターに合わせたモノとなっている。装備の枠をタップしてカードを選べばカードをセットできる(外したい時も枠をタップすればいい)。但し、カードの種類によっては決められた装備にしかセット出来ない事もある。
こちらにもレベルが有り、白枠はレベル1のみ、黄枠はレベル2までセット可能。
ダンジョンモンスターの一覧
島津康平の自宅にある極小ダンジョン
北海道に出現した極小ダンジョンで日米英各国に創られた極小ダンジョンはこのダンジョン以外発見されなかった為、アマツは極小ダンジョンを創らない方針に変更した。
主に島津康平の自宅にある極小ダンジョンに登場したモンスターとモンスターのカードの効果を記す。極小ダンジョンにしか登場しないモンスターも存在する。
ダンジョンの1階に出現するモンスター。
クロより一回り小さいサイズだが、それでも現実世界のネズミと比べるとかなり大きい。
単体での戦闘力は最弱で、顔あたりに勢いよく蹴り飛ばすか、勢いをつけて踏みつぶせば一撃で倒せる他、攻撃パターンもまっすぐ参加者に向かって噛み付いていくだけとなっているが、通路でも1~2匹、部屋となると(多ければ)8匹も出てくる事もある為、単体で挑むのは容易ではない。
普通の猫でも単独なら倒せる弱小モンスターな為、クロが定期的に狩り続けた結果、レベルアップで頭が良くなり、ポーションを飼い主の元に持っていく要因にもなった。
モンスターのカードの効果は、気配察知「聴覚、嗅覚」に補正。
ダンジョンの2階に出現するモンスターであり、1階のゲートキーパー。
体長1mぐらいと現実世界のウサギよりもかなり大きいサイズをしている。
攻撃手段は噛みつきと空中での蹴りであり、後者では威力も腕でガードしてもかなり痛みを発する(康平の見立てでは肋骨に直撃すれば折れていた)。
ネズミよりもだいぶ速く、蹴りの射程内に入っても空中に飛び跳ねることで回避できるだけの俊敏さを持っており、下手をすれば避けられた所にけられてしまう事も。しかし、空中で蹴りをすれば重力に引かれて落ちるだけなので、その攻撃への回避手段を持たなかったりするが、こちらも複数で出現するため、難易度はネズミよりも上と言える。だが、防具一式を揃えた場合はただの雑魚と化してしまう。
実は猫相手だと空中に飛ぶと腹部が無防備になり、とりわけウサギより素早く動くクロが相手ではヒットアンドアウェイで蹂躙されてしまう。
動物系であるため、おそらく食用に出来ると思われる(実際、欧米では今でもウサギを食用として使われている事も)。
モンスターのカードの効果は、足の筋力に補正「基本値に+5」と気配察知「聴覚」に補正。
- でかウサギ
ダンジョンの3階に出現するモンスターであり、2階のゲートキーパー。
その名の通り、ダンジョンに出現したウサギよりも大きいサイズをしている。
それでいて速さはウサギを上回っており、攻撃手段である空中での蹴りもやたら多彩でフェイントを交えており、実際武器で迎え撃とうした所を蹴りの向きを変えて反撃を仕掛けるなど、まず人間でも難しい技をこなしている。当然、ガードをしてもダメージは受け、肋骨に直撃すれば骨折は免れない上に、足が怪我してもお構いなしと言わんばかりに攻撃を緩めない事から、まず両足を潰さない限りは対処は難しい。
こちらも複数で出現するため、単体ではポーションを用意しても苦戦は必至であるが、防具一式を買い揃えてしまった時だと得意の蹴りも全く意味を成さなくなる。
モンスターのカードの効果は、足の筋力に補正「基本値に+10」。
ダンジョンの4階に出現するモンスターであり、3階のゲートキーパー。
外見は現実世界におけるドーベルマンと似ている。
俊敏さを持っている上に、参加者の武器を持った手と盾に噛み付いて奪い取ろうするだけでなく、奪うまではなかなか離さない厄介な点がある。
しかも複数いた場合は連携を取って翻弄させていく為、防具一式を揃えても手こずってしまうことがあるが、攻撃力と耐久力自体はそこまで高くはなく、逆に武器に噛み付いた所を頭部を壁に叩きつければ一発で沈黙していく。
モンスターのカードの効果は、気配察知「嗅覚」に補正。
- ゴブリン(普)
ダンジョンの6階に出現するモンスターであり、ダンジョンの4階のゲートキーパー。
外見はファンタジー作品によく出てくるゴブリンのそれ。
粗末な刃物で襲いかかることがあるが、切れ味は鈍く、防刃仕様の防具を揃えればまずダメージを受けない(それでも刃物の先端で痛みを感じる事はあるが)。
力は犬と同じで素早さもだいぶ劣っている事から総合的に考えれば犬より弱い上に、ポイントも多く稼げる事もあってか、康平とクロの改造に充てるポイント集めとして屠られてしまう。
小ダンジョン以降ではこのモンスターが最弱モンスターである。
モンスターのカードの効果は、「夜目」。
- ゴブリン(剣)
ダンジョンの7階に出現するモンスターであり、ダンジョンの6階のゲートキーパー。
その名の由来である大振りのナイフを武器としており、さらには丸型の盾と皮製の鎧、手甲、脚絆といった装備があるため、攻撃力や防御面においてもゴブリン(普)より充実している。
しかし、最も厄介なのが参加者が覗いただけで察知出来るため不意打ちが一切通用せず、さらには複数いる場合だと個別に撃破しようとも背中合わせで盾を構えるため、攻撃を仕掛ける隙がない(流石に不可視の攻撃には対応できなかったが)。盾を壊して腕が拉げてもナイフで攻撃を仕掛ける事もある為、防具一式を揃えても「強くはないが面倒な敵」という事になる。
なお、それなりにいい装備をつけているため、売却によるポイント稼ぎに利用されてしまう羽目に。
モンスターのカードの効果は、「刀剣類で攻撃した際に相手の防御を無視する(10%)」。
- ゴブリン(盾)
ダンジョンの8階に出現するモンスターであり、ダンジョンの7階のゲートキーパー。
その名の由来である装備された盾だけでなく、鎧や手甲、脚絆といった防具が全て金属製と防御面が格段に向上しており、これまた装備された短剣である程度の戦闘と迎撃も可能となっている。
モンスターのカードの効果は、「盾で防御した際に衝撃を緩和する(10%)」。
- ゴブリン(槍)
ダンジョンの8階に出現するモンスターであり、ダンジョンの7階のゲートキーパー。
その名の由来である装備された槍で接近戦をこなし、ゴブリン(盾)と比べると軽装ではあるが金属製の防具を装備している。
モンスターのカードの効果は、「槍で攻撃した際に相手の防御を無視する(10%)」。
- ゴブリン(弓)
ダンジョンの8階に出現するモンスターであり、ダンジョンの7階のゲートキーパー。
その名の由来である装備された弓矢で標的を狙撃する他、防具はゴブリン(剣)と同じく皮製となっている。
なお、ゲートキーパーとして出現した時は前方にゴブリン(盾)が2体、少し斜め後ろにゴブリン(槍)が2体、一番最後にゴブリン(弓)と隊列を組んでおり、前衛と後衛のバランスが取れているので、余程レベルを上げない限りは初撃は免れない。
装備品を回収出来ることに加え、改造に使うための素材も落としていく事も。
ダンジョンの9階に出現するモンスターであり、ダンジョンの8階のゲートキーパー。
頭部が豚のもので、背丈は康平と同じながらも圧倒的な体の太さをしている。
かなり大きな斧を武器としており、盾持ちの参加者でもお構いなしに攻撃を仕掛けるだけでなく、腕を捕まえて噛み付きを仕掛けることもある。
また、金属製の鎧や手甲を装備しているため、生半可の武器ではダメージを与える事すら出来ない。足には装備品がないが、ある程度の攻撃力がないと足止めは困難である。
しかし、相手の持っている盾が限界まで改造されているのとモンスターカードでスロットされた場合だと、獲物である斧がその盾の硬さでへし折れて何処かに飛んでしまうという目に当てられない(?)自体になる。
モンスターのカードの効果は、腕の筋力に補正値「基本値+50」。
ダンジョンの11階に出現するモンスターであり、ダンジョンの9階のゲートキーパー。
外見こそ牛であるが、殺意の塊と形容されるような角と体格の大きさが特徴。
四足歩行の敵であり、参加者を捕捉すると爆発的な加速を以て突進し、左右の移動もそれなりに速い。
更には死にかけのダメージを負うと能力が上昇するスキル「火事場」が発動し、その状態での突進では限界まで改造された盾を貫通させ、参加者の腕にめり込んでいく程の威力を見せていた。その為、能力を発動させないように「首を切り落とす」等の方法で一撃で倒す必要があるが、牛の首自体が太い、首の骨が硬い為、限界まで改造された鉈でも一撃で切り落とす事は出来ない。
動物系であるため食用に出来るので、ステーキなどの料理で食べていた(美味ではあったが、流石に毎日食ってしまうと飽きが来てしまった)。
モンスターのカードの効果は、スキル「火事場」の発動。
- トカゲ
ダンジョンの12階に出現するモンスターであり、ダンジョンの11階のゲートキーパー。
外見はごつごつとした青白いトカゲというものであり、体長はしっぽを含めて3mとかなり大きい。
動きこそ緩慢であるが、鱗と肉は非常に硬く、限界まで改造した鉈の一撃でもあまり通さない程の硬質さを誇っている。
更に参加者を捕捉すると、魔法「氷礫」を発動していく。500mlのペットボトルのサイズの鋭い氷を飛ばし、突き刺さった箇所が広い範囲で凍結していく効果がある(盾で防いでも、寧ろ腕ごと凍ってしまうと思われる)。一度発射すると再使用のラグが必要な上に、速度もそこまで速くはないので回避は可能であるが、凍りついた床を踏むと滑ってしまう他、猫の場合は毛が張り付いて動けなくなったりと足場が悪くなる点においては厄介である。
因みに血液が非常に冷たく、血液から白い気体が発生し、血に触れると霜が出来る。なお、アマツによると皮製品を作ると夏でもひんやり冷たい製品が出来るらしい。
モンスターのカードの効果は、魔法「氷礫」を使用可能。
ダンジョンの13階に出現するモンスターであり、ダンジョンの12階のゲートキーパー。
外見こそ鹿であるが、角が巨大な上に枝分かれしている部分が刃物のように鋭くなっている。
攻撃手段はその刃物のような巨大な角を突き出して突進していく、というものだけである。
耐久力はそこまで高くなく、限界まで改造した盾でぶん殴るか、顎を蹴りあげれば一発で撃破できるようだが、クロはこの殺意の塊である巨大な角に手こずっていた。
動物系であるためこちらも食用に出来る(康平は当初鹿肉に対して苦手意識を抱いたが、マーシーの調理したものはやはり絶賛した)。
ダンジョンの14階に出現するモンスターであり、ダンジョンの13階のゲートキーパー。
見た目はモコモコとした毛に覆われた羊である。
身体中を帯電させており、このモンスターに触れてしまうと感電してしまう。たとえ限界まで改造した盾で受け止めても、腕に感覚がなくなる程の痺れと目と耳に痛みが起き、耳鳴りといった障害が起きてしまう(それでも限界まで改造した盾と手袋で軽減したものである)。
物理的な攻撃やで魔法「氷礫」も分厚い毛に阻まれてしまう為、一撃で仕留めることは困難であるが、比較的防御の薄い顔面が弱点と言える。
動物系であるためこちらも食用に出来る他、この分厚い毛も高いポイントに変換できる(勿論、撃破後は帯電する事はない)。
モンスターのカードの効果は、「全ての属性攻撃に対する耐性を上昇(7%)」。
ダンジョンの16階に出現するモンスターであり、ダンジョンの14階のゲートキーパー。
2mをも超える身長と筋骨隆々とした体をしており、防具は腰布のみとなっている。
武器は金属の太い棒のみであるが、その体格から繰り出す一撃は限界まで改造された盾で受け流しても腕に重い痛みを与え、康平の拳をグシャグシャにしてしまう程(その棒もへし折れてしまったが)。
ダンジョンの16階に出現するモンスターであり、ダンジョンの14階のゲートキーパー。
ゴブリンとは似ているような外見をしているがゴブリンではなく、弓矢と皮製の防具を全身に装備している。
ゴブリン(弓)のように標的を狙撃するスタイルであるが、矢に毒が塗られている事からより危険性が高まっている(一応、限界まで改造された盾であれば防ぐことは出来る)。
- 何かキモイやつ(仮称)
ダンジョンの16階に出現する火の魔法使い系モンスターであり、ダンジョンの14階のゲートキーパー。外見も枯れ木のように細い老人であるが、目にあたる所は触手のようなものが蠢いていた。
火の玉を放つ事があり、しかも着弾してしまうと30秒間炎上する効果があり、盾で防ごうものなら参加者の体まで燃え移ってしまう。幸いな事に、一度発射すると次の発動までのラグがある。
ちなみに「何かキモいやつ」という名前も便宜上付けられたものであり、正式名称は不明。
なお、ゲートキーパーとして出現した時は前方にオーガが2体、後方にコボルトと何かキモいやつと隊列を組んでいる。
アメリカの極大ダンジョン
自衛隊と米軍の共同訓練で訪れる極大ダンジョンの一つ。
イースの和風ダンジョン
アマツの同僚のイースが康平の自宅から100km程離れた北海道の過疎地域に創ったダンジョンで鳥居が入口となっている。ダンジョン内で攻撃を受けても痛くないのでリアルオンラインゲームに近い。最初は首相官邸付近に創るつもりだったが、断られた。
家猫ポーション用語
ゲームやファンタジー作品でお馴染みの場所。
娯楽に目がない者達によって作られ、その関係者であるアマツの言葉を借りれば「そう言ったゲームの中に存在するダンジョンを実現したもの」である。
規模も極小、小、中、大、極大と分かれており、大きさによって部屋の広さも異なり、大きくなるほど敵の数や強さもそれに比例していく為、ダンジョンの推奨人数も異なるが、小さくても強力な装備を持ち込めないなど制限がある為、小さくても攻略は容易というわけではない。
島津康平の自宅にある(納屋の床に出来ていた)極小ダンジョンは、通路は広い上に電気がなくとも内部は明るいが、入口にあたる穴は這い蹲ればどうにか進める程の狭さである。
1階から4階までが謂わばチュートリアルであり、5階に辿りつけばダンジョンの機能が解放される仕組みとなっている(よって5階ごとにセーフルームとポータルがある)。なお、チュートリアルを突破していない者にダンジョンを情報を伝えようとすると、アマツから「制限」が掛かってしまう。
ここのダンジョンで「死ぬ」ことはないが、これは死亡してしまうとダンジョンを攻略する者が減る事から、その対策となっている。代わりに「死亡」するだけのダメージを負うと1階の休憩室に強制転移されてしまう他、デスペナルティもある。
モンスターを倒せばレベルアップして肉体と装備が強化される他、ペットが飼い主の言葉を理解できるが、レベルアップに必要経験値は上がる他(具体的な値は秘密)、倒した敵とのレベル差が大きいほどレベルは上がりにくくなり、差がある一定以上になると全く上がらなくなる。
また、その恩恵はダンジョンの内部に限定されている為、外に出ればその恩恵が働かなくなる。ただし、脳の処理に関しては例外的にダンジョン内外にも効果がある他(そもそも切り替えたら異常を来すため)、その処理を行う影響で若干ながら身体能力も向上している。
設置した側もダンジョンの場所はランダムで選んでいる上に、皆に見つけた時のワクワク感を味わって欲しいという意向で詳しい場所も伏せられているが、当初は辺鄙な場所に設置していたせいで、方や野生動物の住処、方や発見者の人間に悪戯と思われて埋められ、方や物置代わりにされている等、散々な目にあっている。それに伴ってある程度は目立つ場所に設置した事で発見は出来、アメリカやイギリスで動画投稿をしていた事を皮切りに世界中でダンジョンの存在が知れ渡ったが、どれも封鎖された上で軍の投入をする事になった。そして日本でも渋谷のハチ公前に出現したことで知れ渡り、その一週間後に同じく封鎖と自衛隊の投入が決定された。また、外国でも見つかった流れを受けて探索する事を示し、中から出てきたモンスターが国民に危害を加える恐れがあるとして、「見つけ次第の報告を強く推奨、もし故意的に隠していたと判明した場合、何かしらの罰則を与える」と検討してしまうまでとなった。とは言え、後述のある事情から自衛隊や米軍や英軍でもいずれ手詰まりになると踏んだアマツと康平は、島津康平の自宅にある極小ダンジョンの存在を国に報告する方針を固めた。
- 休憩所
ダンジョンの一階にある場所。
大きさは体育館の半分ほどで、真ん中に噴水がある(因みにそこから流れ出た水は水路から壁に空いた穴へと流れていく)。
部屋増設でポイントを購入する事で隣接する部屋が出現、利用できることができる。
- 解体施設
動物系のモンスターの肉を解体する部屋。
血の染みがついたテーブルと肉や刃物が吊り下げられてるような、解体屋の造りをしているが、雰囲気作りに過ぎない。
トレーに解体したい物を起き(費用は500ポイントが必要)、端末である箱で操作していく。肉だけではなく、筋、骨、皮、脳みそ等々といった部位を細かく解体でき(解体された肉は塊のままであるが)、不要な部位は破棄か売却を選べる。
- BBQ広場
アウトドアでお馴染みのバーベキューを楽しむ部屋。
ダンジョン内でもBBQを楽しめるように、空間操作により太陽と青空と森林が広がっている。
BBQ用の道具を使用できる他、この部屋を管理しているピットマスターのマーシーにより単純に肉の切り分けや、焼いたりするだけでなく、色々な凝った料理も出来る(なお、サービスの内容によってはポイントを消費する)。
米軍には精神回復の場として重宝されている。
- 猫部屋
猫が楽しむための部屋。
教室ぐらいの広さで、壁にはキャットウォーク、床には大量の猫ちぐらが配置されている他、縁側も完備されている。
しかし、その名前の通りこの部屋は猫しか入れない(人間では「見えない壁」に阻まれてしまう為)。
- 個室
個人が入れるための部屋。
部屋の大きさは三畳程度であるが、装備を置いておくぐらいには問題はない。
- 装備
ダンジョンに挑む参加者が付けるもの。
武器や防具に分かれており、市販で購入するものや、ポイントで購入するものがある。
ポイントで買える装備は市販で購入するものと比べると性能が良い上に特殊効果が付与されるが、素の性能が高いとレベルが上がりにくい(カードスロットが少ない)。
また、遠距離武器は武器のレベルは上がっても使う本人のレベルが上がりにくく、とりわけ銃の場合は銃本体や弾のレベルはともかく、火薬や薬莢の部分はレベルを上げても意味はない上に、弾が高くなれば限られた予算をひっ迫してしまい、かと言って通常の弾でも対応できないような敵が出てきてしまう、といった問題点がある。
ファンタジー作品でお馴染みの回復アイテム。
不思議な材質で出来ていた透明な瓶に液体が入っており、見た目こそ派手であるが、味も変な匂いもない飲みやすいものとなっている。
「回復」、「病気治療」、「解毒」、「若返り」といった種類があり、人間だけでなく猫にも効き目があるが、一度飲むとお腹が空きやすくなるだけでなく、回復ポーション以外はダンジョン専用の端末で購入する必要がある(1個につき1000ポイント)。
回復のポーションは青みがかった色の液体で、飲み干す事で疲労回復や傷を治せる他、ある程度はスタミナを持続できるなどの効果を見せている。傷口にポーションを塗っても治癒できるが、あくまでも塗った箇所に限定されている為、飲む事が前提となっている。また、身体の部位の損傷が酷過ぎる場合、「5階ポーション」よりも良い「10階ポーション」、「15階ポーション」、「20階ポーション」を使わなければ治癒できない事もある。
若返りのポーションは飲むだけで若返る効果が有り、3年のは3週間掛けて3年若返るが効果は一度だけで、1年のは1年掛けて1年若返るが1年おきに一回飲まなければ効果がない。
- 宝箱
ダンジョンに配置されている置物。
アイテムが入っており、チュートリアルをクリアする前は回復のポーション一個のみだが、チュートリアル突破後はあらゆる種類のポーションが1~5個だけでなく、一定の確率で装備が入っているように一新される(ポイントで購入できないレア装備もある)。
ちなみにアマツの作るダンジョン宝箱には罠はない。
- ダンジョン専用の端末
チュートリアルを攻略した者に与えられるアイテム。名称はまだ決まってない模様。
四角く薄っぺらい板状の物であり、現実世界でのタブレットと同等の機能を有している。
右上にモンスターを撃破して貯まったポイントが表示されており、改造、修復、施設、購入などに使用していく。
モンスターのカードを保管する事が出来、左下のカード一覧を押して格納を選んで出て来た枠内にカードを押し込めば保管出来る(取り出したいときは取り出しを押す必要がある)。
- 購入
ダンジョン専用の端末の一つ。
ポイントを消費することで、武器、防具、アクセサリー、ポーションなどのアイテムが買える。
5階ずつたどり着く事で新しいアイテムが購入できるようになる。
- 改造
ダンジョン専用の端末の一つ。
武器であれば強度、切れ味、重量、形状となっており、改造できる回数も装備レベル1につき一回となっている他、改造するにはポイントが必要となっている。しかも、改造に必要となるポイントが途中で上がる仕組みであり、ダンジョンによってはこれ以上の改造が出来ない場合もある。
端末に参加者が付けている装備の下に枠があり、それがカードがセットできるスロットとなっている。装備を使っていくうちにレベルが上昇し、レベルが高いほど改造できる回数やスロットの数も増えていく。
また、条件を満たすと素材を使って強化出来、特殊な効果が付与される。
- 修復
ダンジョン専用端末機能の一つ。
モンスターとの戦いで損傷した装備をポイントを消費することで空中に金属製の台が出現し、その上に装備を乗せると自動で修復していく。
その関係からか、刀剣類が折れても問題なく治せる。
- 施設
ダンジョン専用端末機能の一つ。
ポイントを消費する事で1階の休憩所をアップグレードしていく機能。
項目は部屋拡張、部屋増設、設備の三つとなっている。
部屋拡張は休憩室の広さを拡大させ、部屋増設は休憩室に隣接する形で増えていく、といったものである。
- 売却
ダンジョン専用端末機能の一つ。当初はアマツが機能をつけるのを忘れており、後に追加していた。
宝箱に入ったアイテムやモンスターの装備品を売る事でポイントに変換する機能。なお、モンスターの装備品は戦闘で損傷した場合はポイントは0となる(一応、処分する形で売却は可能)。また、回収するにしても手持ちかバックパックが必要となるため、休憩所を往復しなかければならなくなる。
また、解体部屋でも不要になった部位をポイントとして変換する事も可能。
- スキル
素材による装備品の改造で付加されるモノ。
強力な技を発動出来るが、使用すると怠さが襲いかかってしまう(回復するには時間を置く必要があり、回復のポーションを飲んでも効果はない)。
なお、使う回数が多くなると熟練度が上がり、徐々に消費が抑えられる上に威力は上がっていく恩恵がある。
- 魔法
素材による装備品の改造で付加されるモノ。
強力な技の発動と、使用すると怠さが襲いかかってしまうのはスキルと同じだが、こちらは熟練度が存在しない。
但し、魔法の数を調整でき、数が少ないほど発動のラグが短い。
関連タグ
【シュレディンガーの猫】で思うがまま!:主人公が相棒である猫と共に冒険をする作品つながり。但し「異世界が舞台」と言った相違点がある。
痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。:痛くないバージョンの多人数参加型オンラインゲーム。