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概要

機械生命体キカイノイドが存在する世界。その中の悪の王朝トジテンドによって数多くの並行世界が、謎のアイテム「トジルギア」に次々と閉じ込められていく事態になった。

しかし、トジテンドが「ゼンカイジャー」の地球を閉じ込めようとした際、何故かキカイトピアの一部が引き寄せられて融合してしまい、キカイノイド達が人間界に投げ出される状況となってしまった。

ジュラン達一般のキカイノイドは困惑しつつも、人間と共存して仲良く暮らしている。それに対してトジテンドの王・ボッコワウスは、当初の目論見通りに地球を閉じ込められない事に業を煮やして、(ゲゲの口添えもあって)人間界を直接侵略する方針に切り替えた。

内情

キカイトピア自体については、基本的には機械生命体以外の生物が存在しない世界であり、有機生命体は存在しない。キカイノイド以外にもゲゲのように機械生命体の動物が生息している他、ガオーンの話によるとキカイ野菜なるものが存在するなど、植物も無機生命体である事が伺える。

本編より遥か以前からトジテンドによって実効支配されており、確認できる限りでもジュランの曽祖父のサンジョの代から支配されており、現在の大王であるボッコワウスの先々代大王までいた事が確認されている。トジテンドの体制としてはボッコワウス達上層部による完全なる独裁政権であり、ボッコワウスを初めとした一部の特権階級だけが利権を貪っており、一般のキカイノイド達の待遇は劣悪そのものである。庶民達も暴虐や悪評を振り撒く権力者達の事は迷惑にしか思っていおらず、トジテンドに所属する軍人達も上から下まで選民思想に染まって腐敗し切っている。

基本的に庶民達は労働者階級である為に、人権はおろか言論や教育などあらゆる自由は剥奪されている。加えて労働者階級である為か、彼等が住む市民街も工場地帯のような場所になっている。

特に教育に関しては「庶民は余計な知識を得る必要はない」と言う理由から、最早まともな教育機関そのものが残っていないらしく、ブルーンなどは自分の知らない知識を学ぶ為にトジテンドへの従軍を希望するも、結局は清掃係として酷使されるだけで何も教えられなかった。

作中の台詞からすると、一応ジュランが子供の頃はまだ学校はあったようだが、ジュランの言動からするにそれも後に登場したガクエンワルドの学園同様に、トジテンドの思想教育を行う場でしかなかった模様。さらにガオーンマジーヌといった若いキカイノイド達に至っては学校という施設の事すら碌に知らず、ブルーンも初めて学校に通えた事を喜んでいた程だった。

他にも庶民はあくまで労働力として搾取されている為に、ジュランがパーティをやる事自体が初めてと発言するなどパーティや祭りといった娯楽も禁止されているらしく、さらには庶民キカイノイの家族が消息を絶って天涯孤独になる事も珍しくない事がジュランから語られていたりと、その環境の劣悪さは計り知れない(ジュランの曽祖父であるサンジョが放屁が元で不敬罪として死刑になっているなど、庶民の命など吹けば飛ぶように簡単に扱われている)。

その一方で、トジテンドの軍人達も庶民に対しては横暴に振る舞いつつ、彼等自身も上層部からの圧力と上層部の選民思想に自覚・無自覚問わずに毒されている者が多く、侵攻先で勝手に愚連隊のように暴れたり勤務中に飲酒をしたりと、最早一個の軍隊として機能していない程に風紀は乱れまくっている。

ただし、公式によると作中のトジテンドはキカイトピアにおける「日本」にあたる国家であるらしく、作中のキカイノイド達も「日本人」である(本作の世界は全て並行世界なので、キカイトピアも当然ながらあくまで地球である)。その為に文化は人間界の特に日本と大差はなく、「リンリンポン」(人間界で言うところのケンケンパー遊び)、花占いや血液占いならぬ「オイル占い」などの文化があり、食に関しても、キカイたこやきなど人間界と同じような人間が食べても全く問題ない食べ物が存在し、味覚も人間と変わらない模様(ただし綿菓子はなかった様子)。

一方で、服に対する認識は人間とは大きく異なり、キカイノイドにとって服は嗜好品の一つにしか過ぎないとの事。その為、服の有無は彼らの倫理観には全く関係なく別に着ていなくても何の問題もない(事実、ゼンカイジャーの面子でも服はガオーンのベストとジュランのハーフパンツのみである)。

その後

最終的にはボッコワウス以下支配層が全員斃された事で、キカイトピアは永きにわたる圧政から解放されて新しい道を歩み始める。

ステイシーが中心となって、庶民キカイノイド達やトジテンドの消滅で改心したクダック達をまとめ上げて、他の世界とも力を合わせてキカイトピアの復興作業を進めており、まずは教育制度の復活で庶民キカイノイドの大人から子供まで自由に教育を受けられるようになった(前述通り教育施設は全て潰されていたので一先ずは青空教室だが)。さらに警察機構など治安維持機関も復活させたらしく、トジテンドの残党であるクダイター達などは戦犯として全員拘束された。

工場地帯しかなかった市街地にも、様々な露店や店が立ち並ぶようになり、都市の活気も戻りつつある。

ブルーンやマジーヌなども「教育を行う為に必要な様々な書籍や知識の伝授」「突然環境が変わった事で、輪に入れない子供達のサポート」など、多岐に渡ってこれら復興政策を支援している。

さらにステイシーの「もうこの世界に“一人の王”はいらない」「皆と一緒に世界を変えていく」という判断から、王政は完全に撤廃される事が確定しており、今後は様々な世界の知識や政治体制を学びながら、大統領制や議会制といった“民主制”の方向に舵をきっていくのだと思われる。

編集者:マサムネ
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