概要
雄と雌が存在しており、夜になると雌は「ボーボー」という不気味な鳴き声を上げるとされる。
伝承によれば昼はジャングルの奥深くに隠れているが、夜になると活動し始め、戸口の隙間から屋内に侵入して、人間をマラリアにしてしまうという恐ろしい存在だが、煙をたかれるのを非常に嫌っているので、薪で火を燃やして常に煙を部屋の中に充満させおき、戸口を閉めてれば防ぐ事ができるとされている。
創作での扱い
水木しげる作品
『東西妖怪図絵』や『世界の妖怪大百科』では、鱗のような体表を持つ丸顔に丸目の姿で描かれ紹介された。
この妖怪画の姿はアフリカ・現ガボン共和国に住むバコタ族の先祖像がモデルであるのだという。
それ以前の『少年マガジン』の巻頭口絵「国別びっくり妖怪くらべ」で紹介されたものは、バロン(バリ島)のような姿で中国出身とされていた。
この精霊の伝承は、自伝である『水木しげるの娘に語るお父さんの戦記』や『神秘家水木しげる伝』によると、水木自身が戦時中にトベという土人から聞いたものであるのだという。
ゲゲゲの鬼太郎
※イラスト中央
CV:高戸靖弘
『墓場鬼太郎』の「ボクは新入生」編で初登場。
なお表記は濁音が増えたアドバラナである。
フランスのブリガドーン現象研究者・ガモツ博士と共に日本へと来日した南方妖怪。南国の仮面をつけたような顔をしており、「お化け大学」の番長を務めている。
ねずみ男の密告を受けてお化けの国建設に反対する鬼太郎を殴り倒して気絶させた上で「シラミ風呂」に入れて粛清しようと目論んだ。
また同じ姿の妖怪が、複数のエピソードにモブキャラとして登場している。
『少年マガジン』の「おばけナイター」の口絵では何故か「ウーラ」という名が付けられており、この姿は山川惣治による絵物語『少年王国』に登場する悪役「魔神ウーラ」がモデルであったからだといわれる。
地底の足音
水木によるクトゥルフ神話『ダンウィッチの怪』の翻案作で、アブドゥル・アルハザードをモデルにした魔術書「死霊回帰」の著者ペルシャの狂人「アトバラナ」が言及される。
世界妖怪図鑑
「世界の超悪魔のコーナー」に、中国出身のライオンの頭にクラゲのような足の生えた、取り憑いた者を熱病に罹らせる悪魔「アト・ハラマ」が佐藤有文によって紹介されている。
ガンダムシリーズ
『機動戦士ガンダム』に登場したガウ攻撃空母を、地球連邦軍が改良して運用している「ガウ改」の一機にこの名が付けられている。
余談
一説によると、その正体はマラリアを媒介するマラリア蚊であるらしい。