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P320の編集履歴

2022-05-17 19:25:25 バージョン

P320

ぴーすりーとぅえんてぃ

アメリカのSIG SAUERが開発した自動式拳銃。米軍の制式拳銃に決定している。

概要

P320はアメリカで開発されたオートマチックピストル。

開発はスイスとドイツの銃器メーカーグループであるSIG・SAUER&SONEの米国法人のSIG・SAUER。アメリカ陸軍の制式拳銃となった。

オーソドックスなオートマチックピストルで、フレームはポリマー製でスライドはステンレス鋼。

2001年に公用拳銃として開発されたP250をベースに撃発方式をハンマーからストライカー式とした。

マガジンなどはP250と互換性がある。


9mmパラベラム弾のほか、部品を組み替えて.357SIG弾、.40S&W弾、.45ACP弾を使用することもできる。


サイズ別に大きく分けて4種類存在し、ベースモデルのP320フルサイズ、スライドがやや短いP320キャリー、スライドとグリップが切り詰められたP320コンパクトと、P320コンパクトを更に小型化したP320サブコンパクト。

これらはP250同様に部品の組み換えによる変更も可能で、スライドやバレルなどのほか、通常の銃のフレームにあたる「グリップフレーム」を交換すると、フルサイズモデルをコンパクトモデルに組み替えたり、或いはその逆も可能となる。

  • アメリカでは、法律・制度上のアイデンティティは交換部品であるグリップフレームではなく、そこに内蔵されるFCU(Fire Control Unit: 撃発装置)となり、シリアル番号もここに割り振られる。同国向けのモデルは、グリップフレーム右側のスライドストップ下辺りに横長の穴が開けられており、分解することなくシリアル番号を確認できる。

通常の暴発を防ぐ安全機構に加えててテイクダウンセーフティが搭載されている。

マガジンを抜かないとテイクダウンレバーが作動せず、スライドを外せない安全装置となっている。


アメリカ軍では

アメリカ陸軍と空軍ではXM17 MHS(Modular Handgun System)計画に基づくM9の後継として、P320フルサイズがM17、P320コンパクトがM18として採用された。

先代のM9と比べると、射手の手のサイズに応じたグリップサイズの変更が非常に簡単で、サプレッサーやウェポンライト、ダットサイトなどが容易に装着できるようになるなど大幅なアップグレードが計られている。

海軍海兵隊沿岸警備隊も本銃を採用したため、5軍全てで採用されたことになる。

暴発

陸軍の採用を筆頭に好調なセールスを記録したものの、2017年には特定の角度で落下した場合に暴発する可能性が指摘されている。

これは、地面などに衝突した際に慣性でトリガーやシアなどが動いてストライカーをリリースしてしまう危険性があるというもので、指摘を受けてメーカーから自主的な改修プログラムの提供が開始された。

改修プログラムは、スライドの閉鎖が不完全な状態での撃発を防ぐディスコネクターを追加し、トリガー、シア、ストライカーを慣性の影響を受けにくい軽量なものへと交換するもので、あくまでも改修の目的は「使用感の向上」で暴発のリスクは下がるが完全に防ぐものではないとしている。

2019年には落下暴発の危険性を巡って集団訴訟が起こされた。裁判の結果、メーカー側の「米国内での安全基準は満たしている」とする主張が認められてリコールを要する重大な欠陥とは判断されなかったものの、引き続き安全性の向上を目指す事を条件に和解が成立したという。


一方でホルスター内で突然暴発した事例が警察などから複数報告されており、例えば2017年のフィラデルフィア州の鉄道警察での事例では即時使用停止とグロックへの代替措置が取られている。

同様の別の事例の調査では、シアの噛み代が少なすぎると指摘されている。


落下暴発やホルスター内での暴発事例が報告されてからも、導入を見直す(或いは別の銃で再度更新する)組織と新たに採用したり継続して調達(あるいは使用可能な銃として指定)する組織があるなど対応は様々である。

カナダ軍では、2020年11月に対テロ特殊部隊JTF-2の隊員がホルスター内で暴発させる事故があったため使用が停止された… が、2021年初頭現在正式な調査は終わっていないものの、メーカーはSNS上で「P226のホルスターを使っていたのが原因ではないか」とコメントしている。

エアソフトガン

AEG(WE-Tech)、SIGAIR(VFC)が商品化している。

AEG社製はメタルスライドのみの販売でSIGAIR版はCO2ガスガンであり、メタルスライドの輸入品とLaylaxがローカライズした樹脂スライドの日本仕様版を発売している。

AEGは無刻印版と刻印版、SIGAIRは正式ライセンスを基に刻印が入ったものを発売しているがトリガーガード下部に使用に対する警告文が刻印されており、日本仕様では「Cal.6mmBB」「JASG Laylax」といった刻印が入ってる点は賛否両論である。

また、構造そのものはAEGの方が実銃に近いものとなっているが、メタルスライドの為購入はあまりお勧めできない。

両方とも実銃と同様にFCUを取り外すことが可能であり、他社製のフレームに組み込むことで様々なカスタムを可能としているが、それ故に実銃用のパーツを輸入して逮捕される事案が発生している。詳細は後述。


また、東京マルイも製品化を2020年に発表しているが発売はいまだ未定である。

その他

  • ストック付きのグリップフレームが複数のメーカーから発売されており、所謂ピストルカービンへと改造できる。(事実上の)フレームそのものを交換するため、設計自由度は高くなる。(短銃身のSBRとなる為、地域によっては補助具であるスタビライザーブレース仕様でないと相応のライセンスが必要となる)
  • 本銃のFCUをトリガーパックとして使用するAR-15スタイルのカービンも開発されている。
  • 日本においては、2020年9月に実銃用の本銃のストック付きグリップフレームを販売していたトイガンショップ関係者が逮捕されている。警察は各拳銃のグリップパネルと異なり、所持が禁じられたけん銃の主要部品と判断したようである。

関連タグ

M1911

M9(ベレッタ92F)

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