概要
ゼムリア大陸は導力革命によって、飛躍的な発展を遂げた。その発展先に空が向けられるのも必然であり、各国では飛行船の開発にも着手していた。
中でも山岳地帯が多いリベール王国はZCFの元でその最先端を行き、百日戦役の際には圧倒的な物量の差で帝国軍に劣勢を強いられていた中当時最先端であった軍事飛行艇を用いた電撃作戦により帝国軍に一矢報いたという武勇伝もある。
他国に比べて庶民の足としても大きく普及しており、小さな国土ながらも各地方都市に空港が備わっている程に一般普及がなされている。
王家所有の飛行船《アルセイユ》は『白き翼』の異名で知られ、七耀暦1202年に発生した通称『リベールの異変』で同国のクローディア王太女とエレボニア帝国のオリヴァルト皇子がそれに搭乗して事件解決に乗り出したことでその名を轟かせている。
大陸の二大国エレボニア帝国とカルバード共和国でも飛行船の開発には着手しており、民間用の小型飛行艇など幅広く運用されている。(ただし両国は民間用の空港などはありながらも運賃や空港数の少なさ、列車や自動車の方が一般的普及されている関係上一般普及率はリベール程ではない)
また、結社身喰らう蛇もアルセイユを遙かに凌ぐ大型飛行船グロリアスを所有し、更にステルス機能を搭載するなど二大国とリベールを遙かに凌ぐ高性能艦を運用している。
各国の飛行船の装置にはエプスタイン財団も協力しており、正に大陸各地の技術の粋を結集した船が揃っている。
ゲーム本編においては度々移動手段として定期客船などが用いられ、ストーリーによっては仲間の厚意でパーティーの移動手段になる事も多い。
主立った飛行船
『アルセイユ』
正式名称――アルセイユ級飛行巡洋艦一番艦。その名の通り、アルセイユ級のベース艦でありリベールの事件で活躍した飛行船。最高速度では七耀暦1204年の時点でも大陸最速を誇る。
リベールの事件解決後、事件解決に協力したオリヴァルト皇子を帝都ヘイムダルへ送り届ける役割を果たし、同時に宣戦布告を行う為の立役者を担うなど活躍している。
『山猫号』
帝国の盗賊団『カプア一家』が所有している飛行艇で貴族時代に購入していたが没落した後は団の足として使用、小型ながらもかなりのスピードを誇っており盗賊から足を洗い運送業に鞍替えした後もその速さを売りに重宝している。閃の軌跡の頃には商売が軌道に乗っていた事から2号機も登場している。
『グロリアス』
結社で運用される大型艦。『紅の方舟』と呼ばれる大型艦で、その船体はアルセイユを大きく凌ぐ上にステルス機能を搭載しているため、各国の対空監視をくぐり抜けることが可能。
明らかなオーバーテクノロジーが搭載されそのスペックは「半日で国が焦土と化す」と言われる程、結社が並外れた技術力を持つ裏付けにもなっている。
『メルカバ』
七耀教会で運用される飛行艇。帝国や共和国のガンシップよりはやや大型で、小型ゆえに機動力と最高速度も高い。
古代遺物の一つを動力に用いているため、様々な機能を搭載しているがその特異性故に十二人の星杯騎士にのみ運用を許されている。
『ルシタニア号』
帝国のラインフォルト社で造られた大型豪華飛行客船。全長120アージュと後述のパンタグリュエルができるまでは表向き世界最大級の大きさを誇り、船内にはパーティー会場・カジノルーム・図書室などと言った多くの施設があり帝国の貴族や資産家などを集めて仮面舞踏会などが開かれている。
『カレイジャス』
リベールのZCF、帝国のラインフォルトやエプスタイン財団の協力で開発された真紅の飛行船。帝国の皇室専用艦であり、リベールとの宥和の象徴も兼ねている。お披露目の際にはトールズ士官学院の生徒達を乗せていた。オリヴァルト皇子が開発を主導していたこともあり、国内ではオリヴァルト皇子の座乗艦として有名。
内戦時には帝都を離脱し、『第三の道』を模索するオリヴァルト皇子の意志を受けたトールズの学生達が運用、内戦の終結に尽力した。その活動中は『紅き翼』を名乗り、学生達と共にその勇名を帝国全土に知らしめる。内戦後は政府によって接収されてしまい、オリヴァルト皇子は『翼をもがれると共に、剣を喪ってしまう』。
七耀暦1206年ではセドリック皇太子がトールズ本校の実習に用いた後にオリヴァルト皇子が再び乗船する。帝都で起きた異変を解決するべく、カレル離宮へ急行するが共和国の工作員によって爆弾が仕掛けられており、カレル離宮の上空で爆破される。
『パンタグリュエル』
帝国の貴族連合軍の総旗艦で表向きは大陸で最初に造られた250アージュ級超大型飛行艦である、内戦時はカイエン公爵の座乗艦であった。内戦終結後に政府に接収され、後に共和国との戦争を阻止するべく貴族派を中心に極秘裏に組織された『ヴァイスラント決起軍』の旗艦として運用される。これ以降超大型旗艦のノウハウが出来た事により帝国は勿論共和国でも旗艦の大型化が顕著になったと言える。
『カレイジャスⅡ』
カレイジャスの姉妹艦。爆破されたカレイジャスに変わる新たなる『紅き翼』として死亡したと思われたオリヴァルト皇子がトールズの卒業生及び第Ⅱ分校の生徒達の協力を得て、鮮烈な復活を果たす。
その後、帝国と共和国の戦争を阻止する『第三の道』を模索する英雄達の翼となるべく、『光まとう翼』として戦争の終結に尽力する。
『アルセイユⅡ』
戦争終結後にリベールで極秘開発された姉妹艦。カレイジャスⅡのデータもフィードバックした七耀暦1207年に就航した巡洋艦で、アルセイユの名前どおりに最高速も折り紙付き。クロスベルの再占領に伴う混乱を収拾するべく、英雄達の助力に駆けつけた。
『ハルワタート号』
中東のエルザイム公国で運用される公王家専用飛行船。同国の公太子シェリド・アスヴァールが本船でサルバッドの映画祭を訪問する。その後、映画祭の事後キャンペーンを兼ねた中東親善のために古都オラシオンの子供たちを遊覧飛行に招待し、後日の革命記念祭でも首都で遊覧飛行を行う。