解説
「Captain America #323」(1986年)にて初登場。
元軍人のヒーローで、過去に「スーパーパトリオット」「キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャースの後任)」と呼ばれていた。
スティーブより右翼的、粗暴な人物とされる。
キャプテン・アメリカとしては「五代目」に相当。
スティーブが政府当局ともめて称号と装備を返上、(新デザインのコスチュームで)民間人ヒーロー「ザ・キャプテン」となったことを受け、政府公認の新キャプテン・アメリカとして任命された。
「二人のキャプテンの対立」という図式が続いた後和解に至り、キャプテンの称号と装備を自らの意志で返上、スティーブが「ザ・キャプテン」として使用していた装備を譲り受けたジョンが新たに名乗った称号が「USエージェント」である。
パワー・ブローカーによる肉体強化を受けており、スティーブよりも肉体的には優れているとされる。
MCU
演:ワイアット・ラッセル、日本語吹替:鈴木達央
ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』に登場。
『エンドゲーム』をもってスティーブが戦線から離脱したことから、世界はキャプテン・アメリカを失った。
だが、混乱する世界においてアメリカ政府は求心力のある存在を求め、スティーブから盾を受け継いだサム・ウィルソンが盾をスミソニアン博物館に寄贈したこともあり、ジョンを2代目キャプテン・アメリカに指名した。
ジョンは過去3つの勲章を授与された優秀な軍人で、大学時代はアメフトの選手だった。
政府によるお披露目後、アメリカ各地を回る慰問活動を行うなど、スティーブが過去にさせられていたことを再現させられる。
その後、スティーブの功績と政府や世間からの期待による大きなプレッシャーの中、パートナーのレマー・ホスキンス / バトルスターとともに、国際テロ組織フラッグ・スマッシャーズの鎮圧の任を受ける。
スティーブを直接知るサムやバッキー・バーンズからはキャプテン・アメリカとして認められておらず、その気持ちに理解を示しつつも、己のできる範囲で与えられた任務を果たそうとする。
だが、もともと短慮な性格であること、フラッグ・スマッシャーズ鎮圧がうまくいかないことから徐々に焦りを見せ始め、そのたびにレマーに取りなされるということを繰り返す。
その結果、サムがカーリ・モーゲンソウ(フラッグ・スマッシャーズのリーダー)を説得しようとするところに痺れを切らして乗り込み、戦闘となった結果、カーリの反発意識を強固なものにしてしまい、遂にはカーリによってレマーを殺されてしまう(カーリとしては殺意はなかった)。
そのことに激高したジョンは、フラッグ・スマッシャーズの一員を衆人環視の中、キャプテン・アメリカの盾によって撲殺するという凶行に出てしまう。
結果として、ジョンはアメリカ政府からキャプテン・アメリカの資格剝奪と不名誉除隊を言い渡されてしまう。
政府への不信を抱いたジョンは、レマーの仇をとるため、盾を自作し、GRC(世界再定住評議会)の会議を襲撃したカーリたちの前に現れ、サムやバッキーらとともに共闘する。
その最中、GRCメンバーを乗せた車が高所から墜落しそうになり、目の前にいるフラッグ・スマッシャーズのメンバーを叩きのめすか、GRCメンバーを助けるかの選択を迫られ、結果として人命を救う道を選択した。
戦いを終えたのち、行き場のなくなったジョンは、謎の女性・ヴァルの勧誘を受け、新たなコスチュームとともに「USエージェント」のコードネームを与えられる。
能力
アメフト選手・軍人としての能力は高く、スティーブ以外は扱いきれないといわれたヴィブラニウムの盾を自在に操ることができる。盾をトラックから落ちた仲間の救助に使ったことも。
生来の性格などから、盾を殴打に使うことが多い。
また、ハンドガンを携帯している。
劇中にパワー・ブローカー製の超人血清を拾い、恐らくは自らに投与し、超人兵士となった。
超人血清は肉体だけではなく、その人間の精神的特性も強化することから、ジョンがフラッグ・スマッシャーズを殺害したのも超人血清の影響と思われる。
超人血清の開発者であるエイブラハム・アーキンス博士に「完璧な兵士になどならなくていい。1人の善良な男のままでいてくれ」と言われたスティーブ・ロジャースが「1人の善良な男」のまま「完璧な兵士」となったのとは正反対に、「完璧な兵士」になろうとした結果、善良でもなく兵士としても失格な人間と化してしまった、と云う見方も可能であろう。
ゲーム
CAPCOMの格闘ゲーム『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』(1997年)に隠しキャラクターとして登場。
性能はキャップと同一。グラフィックもキャップの色違いで、原作のデザインを再現してはいない(『M.U.G.E.N』では原作のコスチュームを再現したU.S.エージェントが作成された)。
勝利時のセリフは専用のものが用意されていて、キャップより荒々しい口調で攻撃的な内容になっており、「ニセモノ」と呼ばれることを嫌っていることが窺える。
翌年の『MARVEL VS. CAPCOM CLASH OF SUPER HEROES』では援護攻撃専用のスペシャルパートナーとして登場したが、『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』では起用されていない。
シールド
当初、キャプテン・アメリカを踏襲した際には、おなじみのラウンドシールドを装備。後にキャップ=スティーブがザ・キャプテンからキャプテン・アメリカに復帰した際には、そのシールドを返し、スティーブの装備を逆に受け取っている。
しかし、他にも特徴的なシールドを装備し、用いている。
- エネルギーシールド
後に、フォースワークスに参加した際に装備。元祖キャップも用いていた。
元は、キャップのシールドがビブラニウム崩壊により崩れた事から、トニー・スタークが作ったもの。プラズマエネルギーを照射し、エネルギーの盾を形成する(いわばビームシールド)。作動させていない時には、腕輪の状態になりコンパクトに。ナイフのような形状にも変化させる事が可能。
- イーグルシールド
ビブラニウムの崩壊で、ウォーカー自身も使っていた盾が崩れてしまったため、新たに用いるようになった盾。その名の通り、ワシの意匠が施されているアダマンチウム製のシールド。内蔵された機能により、使用者のグローブにはコントロール装置が内蔵。投擲しても自動的に使用者に戻ってくるようになっている。
- スターシールド
2004年「New Invaders」#1から登場。
ブレイジング・スカルとユニオンジャックとで、新たなチーム「インベーダーズ」を組んだ時、USエージェントが装備していた盾。
丸盾の周辺部に刃が付き、星型になっている。
また、その表面には、テロリストのテロ活動により亡くなった多数の人々の名前が、細かく刻み込まれている。
余談
MCUでジョンを演じたワイアット・ラッセルは、同じくMCUの『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーVol.2』でエゴを演じたカート・ラッセルの息子。
原作コミックにおける「二代目」と「三代目」は、スティーブが生死不明となっていた期間に代役を務めたかつての戦友であり、「四代目」はスティーブが後継者として指名した人物だが、実は「三代目」と「四代目」の間にもう一人、血清の副作用で狂暴化し、称号を剥奪された元キャプテン・アメリカが存在していた。
後に白いコスチュームの「グランド・ディレクター(Grand Director)」としてネオナチ系の組織を率い、最終的には「六代目」キャプテン・アメリカに倒されている。
同様に称号を剥奪された存在である「(MCU版)USエージェント」も、今後の展開次第では「グランド・ディレクター」と同じ道を歩む危険性を持っているのかもしれない。
関連タグ
U.S.エージェント(表記ゆれ)