フォゴットンワールド
ふぉごっとんわーるど
1988年7月にカプコンからリリースされたアーケードゲーム。CPシステム基板の第1弾。
アーケードゲームの時点での日本国内版タイトルは「LOST WORLDS」(ロストワールド)だったが、商標権の都合から海外では「FORGOTTEN WORLDS」で、後の家庭用移植版は日本でも「FORGOTTEN WORLDS」(フォゴットンワールド、メガドライブ版のみフォゴットンワールズ)となっている。
奴は いたか?
ああ 今日こそ 息の根を止めてやるぜ!
概要
残機無しのライフ制のシューティングゲーム。自機は飛行機の類ではなく人間が銃を構えて宙を舞っており、名前が明かされていないため「名無しの超戦士」等と呼ばれている。人族の文明を破壊した天帝バイオスに対する怨嗟の念が呼び寄せた二人の戦士達を操作して、8邪悪神と天帝バイオスを倒すとゲームクリアとなる。
プレイヤーの銃やサテライトの武装や体力回復及び体力上限アップといったアイテム類は、ステージ途中で出現するシルフィーという女性キャラが店主を務めるSHOPに入り、ゼニーを消費をする事で購入できる(防御アイテムのプロテクターはステージ中で拾える場合あり)。
本作の操作の特徴として、ローリングスイッチがある。
このスイッチは、上部に指を置く為のへこみが三か所ついた直径5cm程の巨大なボタンで、ボタンを左右に回転させる事で自機やサテライトの向きを変える事が出来る。詳細は以下の通り。
ローリングスイッチ連打 | 体力を消費してメガクラッシュ |
ローリングスイッチを押す | 自機及びサテライトが攻撃(フルオート) |
ローリングスイッチを押しながら回転 | 自機とサテライトが自転する |
ローリングスイッチを押さずに回転 | 自機は自転し、サテライトは自機を中心にして公転する |
なおフルオートは基板の設定により連射できる弾数が異なる。
また業務用では、ステージ間などに表示されるデモに、カプコン社員らしき人物の音声がメッセージと共に聞こえてくるのだが、その棒読みっぷりが逆にうけ、ストライダー飛竜同様その棒読みっぷりを真似するのがネタとなった。
アイテム
作中に登場するアイテム類の一覧。基本的にSHOPで購入するが、プロテクターはステージ中に出現したものを拾える。
サテライトを強化するアイテム
名称 | ゼニー | 能力 |
---|---|---|
ミサイル | 5000 | 敵を自動追尾するミサイル |
全方位弾 | 3000 | 16方向にビームを発射 |
ナパーム弾 | 5000 | 連射不可だが攻撃力は高い |
レーザー | 20000 | 強力な貫通レーザー |
バーナー | 20000 | 強力な火炎放射器 |
バウンド | 30000 | 地面にあたると跳ね返る |
バルカン砲 | 50000 | 1P専用 |
ワイドショット | 50000 | 2P専用 |
スーパーレーザー | 80000 | レーザーよりも強力なレーザー |
追尾レーザー | 99900 | 敵を追尾するレーザー |
プレイヤーの銃を強化するアイテム
ブースター | 10000 | プレイヤーの銃をパワーアップ |
---|---|---|
ブースター2 | 20000 | プレイヤーの銃を二連装に強化 |
ブースター3 | 50000 | プレイヤーの銃をさらにパワーアップ |
プレイヤーの体力を回復するアイテム
治療 | 300 | 体力回復。買うごとに600→1200→2500→5000→10000と値上がりする。 |
---|---|---|
ライフパック | 300 | 体力上限アップ。買うごとに600→1200→2500→5000→10000→20000と値上がりする。 |
エリクサー | 20000 | 体力が0になっても復活できる。買うごとに値上がりする。 |
防御(ダメージ回避)用アイテム
プロテクター | 3000 | ダメージに3回まで耐える |
---|---|---|
プロテクター2 | 5000 | ダメージに5回まで耐える |
リペアラー | 1000 | プロテクターを修理する |
その他のアイテム
飛翔石 | 100 | 移動速度を普通・高速・最高速から選択 |
---|---|---|
パワーストーン | 30000 | 1人プレイ時に2人プレイで接近した時と同じ効果を発動 |
情報 | 100 | ボスの弱点等に関する情報を得る |
服 | 99900 | クリア後に200万点ボーナスが入るシルフィーの服 |
名無しの超戦士
本作のプレイヤーキャラクター。天帝バイオスによってダストワールドと化した都市の人々の無念のオーラが呼び寄せたと言われる戦士達で、全ての敵キャラに名前がついている本作で唯一公式設定で無名なキャラ。その為「名無しの超戦士」と言われる事が多い。
1P側は金髪の白人系でイメージカラーは青。2P側はモヒカンの黒人系でイメージカラーは赤。
どちらも体型はマッチョなコマンドー仕様で、自らが携帯している銃の他に、サテライトと呼ばれる攻防一体でローリングスイッチで方向や位置を調整可能な武器を連れ、飛翔石の力で浮遊しながら戦う。
なお、PS2ソフト「namco×CAPCOM」にプレイヤーキャラとして参戦している。
いらっしゃいませ 私がこの店の主人シルフィーです
神出鬼没の武器商人の女性。ステージ途中に現れるSHOPの主人。
プレイヤーの銃からサテライトの武器、体力回復に敵の情報まで様々な物を売っている。
中には彼女にプレゼントする用の服も。
なお、服を購入した時には、
と言うセリフが聞けるが、別にえっちな事にはならない。
なお、PS2ソフト「namco×CAPCOM」ではプレイヤーキャラとして参戦しているしSHOP店員も担当。
CVは田中理恵。
無論、田中理恵の声で上記の台詞が聞ける。
8邪悪神
名無しの超戦士を迎え撃つ8つのステージのラスボス達。
パラメシウム
ステージ1のダストワールドのボス。天帝バイオス旗下の武神とレプティリアンが侵略する前は、人族と呼ばれる者達によって築かれた文明都市だったが、今は破壊されて廃墟となりダストワールドと呼ばれている。パラメシウムはそのダストワールドの神経系を担う怪物。
パラメシウムごときで 俺を止めることは出来ん!
ボスキャラとしては負ける方が難しいぐらい簡単に倒せる。
パラメシウムが口から吐く弾をサテライトで防御し、回転させるゴミを破壊しながらパラメシウムの弱点を攻撃するだけ。難易度によっては動く必要が無い。
ダストドラゴン
ステージ2のボス。ダストワールド戦記と呼ばれる戦いで活躍した一族の生き残り。身体が老いて朽ちている巨大なドラゴン。
「namco×CAPCOM」にも登場。敵としてではなく、フィールドの構造物&登場マップでのバトル中の背景で登場
フン! ダストドラゴンなど 所詮俺たちの敵ではない!まっ 少々てこずっちまったがな!
ナパーム装備の場合、ダストドラゴン出現時に7時の方向にサテライトを向けて首の根本あたりに入って弱点の心臓を攻撃し続けると手こずる事無く瞬殺できる。
なお、首と手と尾は破壊可能&得点付きだが、頭は爆発エフェクトが出るだけで破壊できない。
武神
ステージ3のボス。天帝バイオスの腕から生まれた巨大な武人像。レプティリアンを率いてダストワールド侵略後は、ダストワールドの主となっている。
武神は本当に死んだんだろうな?
間違いねえ! 天帝の奴も 今頃、首でも洗ってんじゃねぇのか?
両腕によるパンチ攻撃と目からビームで攻撃してくる。パンチ攻撃は肩を破壊すれば再生しない。
なお、当時のシューティングゲームでは類を見ない巨大なボスキャラだった。
メスケテト
ステージ4またはステージ5のボス。ステージ4の最初の分岐で上を選ぶとステージ4で戦う事になり、下を選ぶとステージ5で戦う事になる。
古代エジプトの太陽神ラーを乗せた船メスケテトが、天帝バイオスに善の心を封じられたもので、ピラミッド内の壁画面を守る。
メスケテトの野郎の 船も飛翔石で浮いていたのか!
さあな! ただ野郎もこれで船酔いすることもねえだろうょ!
弱点は、時たま顔が変形した際に露出する宝石部分で、サテライトの装備によってはボス戦開始前にシャッターより右側に配置する事で瞬殺も可能。
スフィンクス
ステージ4またはステージ5のボス。ステージ4の最初の分岐で上を選ぶとステージ5で戦う事になり、下を選ぶとステージ4で戦う事になる。
ピラミッド内の石像面を守っている。第1形態はスフィンクス像だが、第2形態では、正体である手足の無い細長い身体を露わにする。
ちっ! これじゃ クレオパトラとのデートが台無しだぜ!
第1形態は口からレーザー攻撃等を行ってくる。第2形態になると、首にある球体が弱点だが画面外まで使って大きく移動する。
ツタンカーメン
ステージ6のボスでピラミッドの支配者。浮遊する棺。若くして亡くなったファラオに天帝バイオスがマイナスオーラで命を吹き込んだもので、複数の命を持つがゆえに破壊されても復活する。
とうとう追いつめたぜ!
あぁ今日こそ絶対逃がさねえ!
棺の顔部分から渦巻状に飛ぶ弾を出す。顔の弱点に一定ダメージを与えると身体が破壊されて弱点が露出する。
天帝バイオス
ステージ9のバベルの塔の主にして創造主。宇宙に暴力という秩序を与えた最強の戦士。
人族の都市を破壊してダストワールドにし、ピラミッドに棲むものたちに力を与えて争わせ、神々を屈服させて手下にするか殺して、8邪悪神と呼ばれる8体の神々を産み出した。
とうとうやったな! 畜生、まだふるえが止まらないぜ!
あぁ、 そいつぁ俺も同じだ!
これでこの世界に、もう一度平和が戻ってくればいいんだが!
外見は一言でいうとデビルマン。プレイヤーを追尾するビームと、8本のレーザーで攻撃してくる。なおレーザー攻撃の際は、腕が6本になって腹に顔が現れるので天帝を見ていれば予測可能。
移植状況
当時のハードへの移植版はカプコン以外の会社によるものがいくつか存在する。
カプコンによる移植は2000年代に入って初めて行なわれた。
1989年11月21日発売、開発・発売ともにセガ。前述の通りタイトルの片仮名表記が「フォゴットンワールズ」になっている。
ROM容量の問題で完全再現を断念、ステージを2つとボイスがカットされた他、メッセージに使用されていた平仮名や漢字が全て片仮名に変更されている。代わりに2人同時プレイが可能。
向きの回転はAボタンとCボタンで時計回りと反時計回りに回転させる事で対応している。
また、OPTIONでショットをフルオートにする事で、攻撃しながらサテライトを公転させる事が出来る。
Wiiのバーチャルコンソールで配信されている。
海外マスターシステム版
1991年7月に海外でのみ発売、開発サンリツ電気、発売セガ
メガドライブよりもさらに容量・処理・ボタン数の問題があって、1人プレイ専用でキャラは全体的に小さくなっている。
またボタンの都合でショットはデフォルトでフルオートだが、表示スプライト数の都合で連射性能は低い。
1992年3月27日発売、開発A Wave、発売NECアベニュー。
当初はHuカードで発売される予定だったものが延期され、2人同時プレイが可能なスーパーグラフィックス対応への告知後、最終的に2年の長期にわたる開発の結果SuperCD-ROM²対応のCDソフトとして発売された為、ゲーム内容はほぼ忠実に再現されている。
ただしスーパーグラフィックス版で対応を宣言した2人同時プレイは最終的にオミットされている。
また、PCエンジンはパッドのボタンがデフォルトで2つしかない為、本作と同梱でボタンが3つあるアベニューパッドが発売された。2ボタンパッドでも操作はできる。
プレイステーション2版、プレイステーション・ポータブル版、Xbox版
2006年3月2日にPS2版が発売、PSP版とXbox版は海外のみで日本では未発売。いずれも発売はカプコン。移植はアメリカのDigital Eclipseが担当。
単独での移植ではなく他のアーケード作品と共に『カプコン クラシックス コレクション』に収録された。