概要
いわゆる郊外と呼ばれるエリアに造成されたニュータウンである事が多い。
「朝近場ではない職場や学校に行くために家を出て、時間をかけて夜に帰る」という意味合いで生み出された和製英語である。
終戦後日本では経済成長や技術化が進む一方で人口が増加し、特に大都市においては深刻な住宅不足危機が予測された。
そこで1960年代以降郊外の農村部を中心に大規模なニュータウン開発が本格化し、1980年代以降も地方都市などでそれまでの中心街の外側に新たな住宅地が造成されるようにもなった。
古くからの下町や繁華街などの都市の中心部と比べて住宅物件の程度や地価、家賃の条件が相対的に良好で、開発前後に多くの学校や病院が相次いで移転・開業する。
さらに山林や水田、池や小川などが公園や緑地としての形で自然が多く残された事もあり、特にファミリー世帯には相性の良い住環境となって多くの移住者を生んだ。
だが徐々に人口が増加するにつれ満員電車や渋滞が発生。バブル崩壊以降の大都市圏、特にバブル崩壊でも満員電車が解消されていない首都圏においては、バブル期の東京都心部で顕著だった地価・家賃高騰の完全な沈静化、有名大学のキャンパス再編、タワーマンション建設緩和による再開発などによって人流の「都心回帰」現象が本格的に表面化する。
日本全体の一極集中化と少子高齢化も相まって、郊外における人口減少が見られるようになった。
しかしながら東京都心部は、
- 不動産価格や物価が相対的に高い
- ロードサイド店のような大型のカジュアルな価格帯の小売・サービス店が少ない
- 低地が多く水害や液状化現象の危険性が高い
- 自然豊かで閑静な地域が少なく、自然浴やアウトドアなどの趣味への欲望も含めた精神的な制限が大きい
点もある。
また首都圏の郊外では、
- 高齢者の逝去や転居
- 工場や社宅の撤退
- 公営団地の建て替え・改装
などで再開発・再分譲などが進み、若い世帯でも比較的転入しやすくなっている。
近年は新型コロナウイルスの影響による(精神面も含めた)衛生意識の変化や働き方改革におけるリモートワーク化なども相まって、郊外の住宅開発や移住者も増加しつつある。