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300Xの編集履歴2022/07/19 18:31:33 版
編集者:快速ざおう
編集内容:表記揺れの訂正

300X

さんびゃくえっくす

かつてJR東海が保有していた高速試験車両『955形』新幹線電車の愛称。

JR東海がかつて保有した試験車両で、車両型式は『955形』。編成番号はA0編成。

より良い鉄道サービスを提供する上で間断のない技術開発が必要であるとの考えから、300系に次ぐ新たな次世代の新幹線電車に採用する技術のテストを行うため、1995年に製造された。

ドクターイエローを除くとJR東海唯一の営業を目的としない新幹線試験車両(※)で、6両全ての車体構造が異なり、窓も少ない。

カーブや勾配が多い東海道新幹線で試験走行するため、通常より加速力が上げられている。

(※)300系J1編成は営業運転を行ったことがある。N700系Z0編成は当初は営業運転を想定していたため、喫煙ルームやコンセントがないこと以外は通常の営業車両と同等の車内設備を備えていた。

仕様

車体は基本的にアルミ合金で作られており、床下機器をカバーで覆うボディーマウント構造を採用している。これを基本として各車両毎に異なる製造方法で製造された。また先頭形状が東京方向はラウンドウエッジ型、博多方向はカスプ型で作られ、比較検討のために先頭車を入れ替えることができる。(試験末期に先頭車両を入れ換えて走行している。)

主制御装置はGTO素子のVVVFインバーターを採用し、出力405kwの三相交流誘導電動機を制御する。6両1編成全車両が電動車である。

台車はボルスタレス台車を履き、一部の車両の台車には油圧式の車体傾斜装置が搭載されている。なお台車支持位置が床面より高い位置にあるため、台車部分だけ車内床面が盛り上がっている。

パンタグラフには騒音防止のためにカバーを取り付けた。カバーの形状はワイングラスに似ており、特徴となっていた。なお試験中パンタグラフが何度も異なる形状のものに交換され、カバーも何種類かテストが行われている。

各車両の仕様

1号車

車両番号:955-1

博多方向を向く制御電動車。先頭形状はカスプ型。車体構造に航空機の技術が応用されジュラルミンをリベットで接合している。製造は三菱重工業の名古屋航空宇宙システム製作所。

2号車

車両番号:955-2

中間電動車でパンタグラフを搭載する。車体構造は後に700系に採用され、アルミ合金製の新幹線電車で標準化したアルミダブルスキン構造となっている。製造は日本車輌

3号車

車両番号:955-3

中間電動車。パンタグラフは搭載されていない。車体構造は300系と同じアルミシングルスキン。製造は川崎重工業

4号車

車両番号:955-4

中間電動車でパンタグラフは3号車同様搭載されていない。車体構造はアルミ中空大型押出形材を採用。製造は2号車と同じ日本車輌

5号車

車両番号:955-5

中間電動車でパンタグラフを搭載する。車体構造は500系と同じアルミハニカム構造を採用。製造は日立製作所

6号車

車両番号:955-6

東京方向を向く制御電動車。先頭形状はラウンドウェッジ型。車体構造はろう付けアルミハニカム。製造は5号車と同じ日立製作所

速度記録

1996年7月26日の未明、東海道新幹線米原京都間で鉄輪式の鉄道では国内最速となる443.0km/hを記録した。この時の先頭車両は東京方向の955-6。最高速度記録試験時の映像がかつて朝日放送他テレビ朝日系列で放送されていたたけしの万物創世紀番組内で使われた。

最高速度試験後

最高速度試験後に廃車される予定だったが、700系や後のN700系へとつながる技術開発やデジタル式ATC試験に供せられ、2002年2月に廃車された。

廃車後中間車は全車両解体されたが領域先頭車両は保存され、955-1(カプス型)は滋賀県米原市の鉄道総合技術研究所米原風洞実験センターで、955-6(ラウンド・ウェッジ型)は浜松工場で保管後、リニア・鉄道館にて展示されている。

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