トラ(ゼノブレイド2)
とら
「トラ アニキのオトモダチになるも」
概要
CV:野中藍
スペルビア帝国グーラ領にあるトリゴの街に住んでいた、ドライバーに憧れるノポンの少年。
ノポン族らしく天真爛漫な性格で、少しお調子者なところがあり時々空気が読めない。メカに強く、作業用のゴーグルや工具を常備している。
体のサイズは同年代のノポン族と比べると圧倒的に大きく、既に50代のノポンに匹敵する体格をしているという。
後述の人工ブレイドの研究やメカに関する専門性から家に引き籠っていた時間が多く、体力がない。
スペルビア軍に追われていたレックス達を助け、ドライバーである彼をアニキと呼び「オトモ」になりたいと願うが、彼にオトモではなくトモダチになろうと言われ、彼のオトモダチとしてレックスの旅に同行する。
ドライバーに強い憧れを持っているが、祖父や父、本人も家族適性がなく(そもそもノポン族はドライバー適性を持つ者が少なく、同調しようとしたこともあったが、3人は同調できず揃いも揃って三日三晩、鼻血がとまらない重症(?)に陥っていた)ドライバーになることができなかった。そこでトラ一家は適性がなくともドライバーになれる「人工ブレイド」の研究を始め、トラの代で人工ブレイドの少女ハナをほぼ完成までこぎつけた。
ところが必要な素材が足らず、資金もなかったため未完成の状態だった。レックスに近づいたのは、その資金を出してくれるだろうという下心があったからである。もちろんレックスにどこまでもついて行く覚悟があってのことであり、共に旅をする中で本心から『アニキ』と呼び慕うようになる。
ちなみに、祖父センゾーは既に他界し父タテゾーは失踪している。レックスと共に旅に出たのも、ドライバーとして活躍することで父に再会したいという思いがあってのことである。
性格
前作、前々作のノポン族NPCに比べ生意気、傲慢さが薄く、素直な性格だが、ノポン族らしくちゃっかりしているところがある他、ハナに着せるために様々な制服を用意している一面も。
作中ではコメディリリーフとして大活躍で、彼関連のエピソードは(背景は割とシリアスな筈なのに)腹筋に大変よろしくない。例えば
- ハナを最初に起動した際ハナがいきなり「おはようございますっ、ご主人さまっミ☆」とポーズを決め、呆然とするレックス・ホムラ・セイリュウを前に慌てて設定を修正する
- ホムラに対して「萌えが足りない」と難癖をつけ、萌え萌えなセリフを練習させる
- ハナに着せるための装備品として被ダメージ時にパージする機能つきのビキニアーマーを開発していたことが発覚し、ホムラに最低呼ばわりされた挙句カグツチに灼かれそうになる(キズナトークのプレイヤーの選択次第)
- 共に旅する仲間なのに素でメレフを男と勘違いしており一緒に風呂に入ろうと誘い続ける
- ハナに「獣属性犬耳バージョン」を搭載しておりジークに呆れられる。ったくどんだけ欲望に正直やねん。
など、その性癖に関するネタが多い。更に言うと、体の構造が大きく違う種族に対して萌える事は、人間で言うといわゆるケモナーのような者であり、ノポン族のトラもある一種のそれだと言える。
ただ、ジーク戦2回目直前のニアの問題発言シーンでは狼狽する仲間たちの背景で首をかしげるポーズ(疑問があるときによくするポーズ)をしていることから、生々しい知識はあまりないらしい。(あるいはノポンという人間とは大きく肉体構造の異なる生物であるがゆえ、その辺りの事情が違うために理解できなかったのかもしれない…)
また、メレフの事は本気で男性だと勘違いしており、彼女が自身が女性であることを明かしたことに対して「世紀の大発見だも」と言うなど、 ボーイッシュあるいは男装の麗人のような者はよく分からなかった模様。
トラはこれら自分の性癖が露呈した際苦し紛れにこれは祖父・センゾー博士や父・タテゾー博士によるものだと主張することも多いが、センゾーとタテゾーが開発していたキクもメイドの格好をしているあたりあながち嘘でもないようで、実際のところ
- 先述のビキニアーマーはパージ機能こそトラが付けたがコンセプト自体はセンゾーとタテゾーによるもの
- センゾーは生前、研究室に篭って「エッチな本」を読み漁り「大人の成熟した女性ではなく未成熟の可憐な乙女」の外観と仕草を研究していた。(これを聞いたハナは複雑な気持ちになったという。)
という事実も明かされており、一家揃って「男のロマンに命をかけている」ことが発覚している。
さらにDLCで追加された水着衣装のシャツの柄にホムラがプリントされている。
そんな性格でありながら何故三代も続いたのか、コレガワカラナイ。
……なお、トラの名誉のためにフォローしておくと、彼は戦闘では優秀な壁役でありハナもストーリー上のムービーではかなり活躍しているし感動シーンも担当していたりする。
また、使えるブレイドに大きな制限がある事を補ってか、ハナの性能が高めに設計されてあったり、レアブレイドとの会話に恵まれていたりしている。
能力
所謂防御盾に該当し、敵のヘイトを稼いでレックスやニアに敵が向かないようにする壁役として活躍する。しかしパートナーのハナは人工ブレイドであるため属性やロールが変幻自在であり、その気になれば壁役以外の役割をこなすことも可能。
ドライバー適性がないためブレイドはハナのみで固定されており、ハナがJS・JK・JDの3モードに変形することでほかのドライバーと同等の能力を得る。ブレイドが全固定である故に、レアブレイドの入手がランダムなこのゲームにおいて必ず完成系にもっていけるキャラクターともいえる。
「レアブレイドの引きが悪くて壁役が構築できず、戦闘が立ちいかなくなる」というようなことを防ぐために作られたのかもしれない。
過去
第4話にてトラ一家に起こった悲劇が判明する。
前述の通りトラ一家に適正がなかった。そこで人工ブレイド「キク」の開発に着手する。その過程で助手にムイムイを迎え、開発は順調に進んでいた。だがムイムイの留守中、仮面をつけたノポン族の襲撃を受け、祖父センゾーは銃殺され、父タテゾーは消息不明となってしまう。タテゾーからキクの設計図とエーテル炉を託されたトラは一人難を逃れ、トリゴの街に隠れ潜んでいた。この後、キクの設計図を基に改良・開発されたのがハナである。
スペルビア帝国を訪れた際にムイムイと再会。しかもその夜、未完成だったはずのキクがスペルビア兵を相手に暴れ回るという光景を目の当たりにする。トラは上記の過去をレックスたちに語り、彼らの協力を受けてキクと父の行方を探しに向かう。
衝撃の展開
真相
帝都に人工ブレイドの材料が大量に運び込まれていることを知ったトラたちは、その流れを追うことで廃工場へと辿り着く。そこでは大量の人工ブレイドが生産・出荷されていた。父タテゾーはターキンたちに脅しつけられて生産ラインの管理をさせられていた。
実はムイムイは、キクの設計図とエーテル炉を奪うために遣わされた刺客であった(仮面のノポン族の正体も彼と思われる)。センゾーを殺し、タテゾーを拉致し、キクを奪ったまではよかったが肝心のエーテル炉はトラの手に合った。そこでトラを誘き寄せるために人工ブレイドの材料というエサをばら撒いたのだった。まんまと罠に掛かったトラたちにムイムイは上記の真実を語り、直後にアヴァリティア商会会長のバーンも現れる。彼こそがムイムイを動かし、トラ一家に悲劇をもたらした黒幕であった。
バーンは人工ブレイドをイーラに売り払うことで大金を得ており、それによって得られる「やわらかキノコ食べ放題」が目的であった。
結末
キクはムイムイたちによって完成させられると同時に制御装置を組み込まれ、バーンに操られていた。キクは命令に従いハナと対決するも敗北を喫する。バーンは壊れてもいいから戦えと残酷な指令を出すが、自分を庇うタテゾーの姿を見てキクは自力で装置を取り外して洗脳を破った。キクは停止してしまったが、今際の際に妹ハナと和解し、残された試作型エーテル炉によってハナのエーテル炉を点火させ真の姿と力を引き出させていた。
バーンとムイムイは、切り札としてキクを基に開発した巨大人工ブレイド・サクラに乗り込み起動させる。ハナとサクラ、どちらもキクを基に生み出された存在だが、自らの意思で戦う者とただの操り人形では勝負は見えていた。サクラを撃破されたことでムイムイは気絶したが、バーンは尚も逃げ続け、ベンケイとサタヒコの襲撃のドサクサにまぎれて姿を消した。
バーンは会長の地位を失ったが、第六話にてスペルビアとインヴィディアの会談を利用し、G(グレート)サクラを用いて首脳陣の暗殺を謀り、その手柄を以って再起しようとする。しかしレックスたちの尽力によってGサクラは機能停止。追いつめられたバーンはGサクラを自爆させ共に消滅した。皮肉にも人工ブレイドを悪用していたバーンの最期は、人工ブレイドと共に滅ぶというものであった。
その後
DLC追加クエストでは、なんとセンゾーが生きていたことが判明する。経緯は不明だがサイボーグ化していたため当初トラは信じなかったが、親子三代で共有していたあやしい本の在り処を知っていたことから祖父だと信じるようになった。その後、トラたちが集めたブレイドのデータが祖父に渡り、ハナMk-IIと自立起動兵装ハナバスターが誕生した。
ハナやキクのことを知ったセンゾーは、家族三人で固まっているよりも独り立ちしたままの方がそれぞれの才能を発揮できると考え、自分が生きていることはタテゾーには内緒にしてほしいとトラに頼み、再び姿を消した。
物語後半になるとキクは無事修理され、トラの家でタテゾーと共に平穏に過ごしている。
第8話で『デビルキング・グルドゥ』を倒した後にトラの家に行くと、トラの提案を基にタテゾーとキクが協力してハナをJDモードに強化してくれる。メインストーリーに絡まない隠しイベントだが、最終決戦に備えてぜひやっておくべし。
声付きでは登場しないが、終盤のある2シーンで登場している。また、世界を未来につなぐ方舟「オリジン」の計画に携わっていたことが示唆されている。
「2」でもエーテル炉により無から無限にエーテルを生成できる人工ブレイドを開発しているなどで、「作中で彼がいなければ世界は間違いなく一方的に滅んでいた」といってもいい技術力を持っている。
(秘密結社イーラも、トラ一族の人工ブレイドの技術でブレイド・ボットを作成できなければ、世界樹でアーケディアに落とされていた)
それはトラに限ったことではなく、タテゾー、センゾーといったトラの家系にもいえる。
余談
DLCにはトラ単独専用のチャレンジバトル「今年の選ばれし勇者」があり、ノポンの格闘大会のような設定でゲーム中に出てきた様々なモブノポンたち、および前作のタツ、前々作のリキ、さらにはモノリスソフト公式Twitterでお馴染みのノポン社員・モノポンと激闘を繰り広げることができる。ちなみにモブノポンたちのボイスは、よく聞くと本編に出てきた主要キャストたちが声をあてている。
関連タグ
ビリー・リー・ブラック:ゼノギアスの登場人物。「善人を装った刺客に身内を謀殺される」「数年ぶりに再会した身内が顔を変えていた」などの点が類似。
マリア・バルタザール:同じくゼノギアスの登場人物。「ゴーグルを装着」、「メカニックの家系」、「父と祖父との3人家族」、「拉致された父親が悪事に加担させられていた」といった点が類似。
ハマー:ゼノギアスの登場人物。「主人公を兄貴と呼ぶ」「人間ではなく獣の亜人」「主人公たちとは違い特別ではなく普通の自分に劣等感を抱いている(最終話に登場したトラの偽物が「レックスはドライバーになれて、努力している自分はなれない」と劣等感を口にする)」など共通点がある。