ディン・ジャリン
まんどーことでぃんじゃりん
「生きたまま行くか...冷たくなって行くか」
概要
映画「STARWARS」シリーズのスピンオフドラマ「マンダロリアン」の登場人物にして主人公。高い戦闘能力を誇る民族マンダロリアンに属する凄腕の賞金稼ぎ。作中では本名ではなく民族名である「マンダロリアン」もしくはそれをもじった「マンドー」と呼ばれている。
人物
- STARWARSシリーズに登場する他のマンダロリアンに違わぬ高い戦闘能力の持ち主であり、作中冒頭では賞金稼ぎギルドでも最も腕の立つ男として知れ渡っていた。
- マンダロリアンの伝統に誇りを持ち、「命あるものの前ではヘルメットを脱いではならない」という掟を遵守している。作中ではこれを理由に応急処置を拒否する場面も見られた(その場にいたドロイドが「私はドロイドなので生命はありません」と機転を利かせた結果ことなきを得た)。
- 腕利きの賞金稼ぎとして冷酷さと確かな判断力を持つ男ではあるが、決して冷血一辺倒ではなく、盗賊から村を守ってくれるよう要請したクリル農民たち(言ってみればエビの養殖業者みたいな人たち)の要請に応じたり(勿論ザ・チャイルドと共に身を隠せると言う点で利害の一致でもあったが)、危険な土地を離れられない彼らに戦う術を教えたり、絶望的な状況でも恩を返そうとするなど、人情味のある一面を見せる。むしろ良くも悪くもクールである種達観した価値観を持つキャラクターが多いスターウォーズ世界の主人公の中では「義理と人情に溢れる部類」に属する。
- マンダロリアンとしての伝統を遵守しているが、本人は惑星マンダロア出身ではなくクローン戦争中に家族から逸れた彼をあるマンダロリアンが保護したことでマンダロリアンの一族に加わった過去がある。これは所属するグループの伝統であるらしく、後にザ・チャイルドを依頼人から取り戻した後、自分の「氏族」の一員として育て上げることになる。
- ザ・チャイルドに対しては当初「依頼主から言い渡された目標」としか見ていなかったが、行動を共にし、彼を確保した帰路にアクシデントから猛獣に襲われた際に彼に命を救われたこともあって、「クライアントに関する任務に関わりない詮索は無用」と言う賞金稼ぎの掟に反してもカルガにチャイルドのことを聞くなど、徐々に興味を持つようになる。最終的に帝国の手からチャイルドを奪還。そこから帝国残存勢力や賞金稼ぎたちに追われる長い逃亡生活を始めることになる。
- ザ・チャイルドと共に行動するようになってからは彼の父親としての性格が開花したようで、変なものを口にするザ・チャイルドを嗜めたり、曲芸飛行をする際にはしっかり掴まっているように彼に言ったりと全体的にパパみ感が増している。
- 一方で、本人はザ・チャイルドを「息子」というよりも「相棒」扱いしており、色々あって再会した時にはしっかりと「俺も会いたかったよ相棒」と呼びかけている。ただし周囲からの扱いは「パパ」だけどね!
- 意外な技能としてはタスケン・レイダー(惑星タトゥイーンに住んでいる野蛮な遊牧種族。人間には理解不能な唸り声からなる言語を使う)の言葉を話せる。通訳のドロイドなしで話し、彼らと問題なくコミュニケーションが取れるレベル。映像作品において人間種族がタスケンと友好的にコミュニケーションをとり、のちに共闘するのは本作が初めてである。加えてジャワ族の言葉も喋れるが、こちらはジャワたちからは「ウーキーみたいだ」と馬鹿にされている(これにはジャリンも怒り火炎放射器でジャワたちを焼き殺す一歩手前までいった)。
- かなりのドロイド嫌い。ドロイドが操縦する最新型のスピーダーよりも人間の運転するガタガタのオンボロスピーダーをわざわざ雇ったり、自分の船を修理しようと近づく修理ドロイドには問答無用で射撃(しかも警告なしの攻撃)をしたりする等、かなりの筋金入り。
- 彼の過去(幼い頃住んでいた町がクローン戦争の戦場となり、進行してきたドロイド軍の攻撃で故郷と両親を同時に失ったうえに、もう少しで自分もバトルドロイドに殺されそうになった経験によるトラウマ)を考えると止むを得ないものだろう。
- しかしシーズン1終盤での再プログラミングされたIG-11の献身的な行動を見たことで考えに変化があったのか、シーズン2以降は自分の船の修理をドロイドに任せたり、ドロイドにもきちんと礼を言ったりと態度が軟化している。
- 劇中、ある経緯から全身をベスカー(マンダロリアンの象徴ともいえる金属。そんじょそこらの金属とは比較にならない耐久力と耐エネルギー性を持っている物)でできたアーマーで覆っているため、ストームトルーパーの銃撃が1、2発食らおうがびくともしない。純ベスカー製の槍が(威力を落としているとはいえ)ライトセーバーで切れていない描写から見るに、彼のアーマーももしかするとライトセーバーの斬撃に耐えられるのかもしれない。実際、(不本意とはいえ)ライトセーバーを持つ者と二、三手打ちあった際にも純ベスカー製の籠手でライトセーバーの斬撃を受け止めている。
愛機
レイザー・クレスト
「マンダロリアン」Season1〜2で使用していた宇宙船。種別はガンシップ。
帝国建国以前に建造された辺境宙域向けのパトロール用小型艇であり、劇中の言葉を借りれば「クラシックな船」。その古さゆえに帝国が制定した識別シグナル装備義務の例外となっているため、帝国や共和国の目を掻い潜れる船としてジャリンは愛用している。
一方で、その古さとジャリンの荒っぽい操縦のせいで常にどこかしらに不調を抱えている。それでも部品の大半をバラバラにされても数日で復元可能という強い耐久性をもつ。
N-1スターファイター
Season2終盤で帝国残党の砲撃によりレイザー・クレストを失ったジャリンが手に入れた新たな愛機。
元々は惑星ナブーの王立保安軍の保有する戦闘機であるが、ジャリンの知己であるエンジニア、ペリ・モットーがなんらかの手段でボロボロになった同機種を入手した。その後、ジャリン自身も交えて大改造を行い、賞金稼ぎの任務に耐えられる特別仕様機として仕上げられた。ジャリンも最初こそレイザー・クレストの性能に匹敵するか半信半疑だったが、実際に試験飛行をしてその性能に「最高だ」と太鼓判を押した。
なお、ドロイド嫌いのジャリンのため(そして彼の同行者のため)、コックピット後方のドロイド搭載ソケットが廃され半球上のドームが設置されている他、秘密装備としてハーパースペースジャンプへの加速と同等の急加速が可能なスラスターが装備されており、並大抵の宇宙船では追いつけない瞬足を誇る。
- N-1スターファイターは本作のおよそ30年前、「ファントム・メナス」に際し生み出された戦闘機であり、「マンダロリアン」「ボバ・フェット」両作にも深く関わりのある「スター・ウォーズ」シリーズにおける重鎮デザイナーダグ・チャンが生み出した優美な機体である。だが、本作ではその優美さにあえてを加え、映画「アメリカン・グラフィティ」に登場するようなレース用改造車のような機能美を追加。この出来栄えにデザイナーのチャンも大いに満足し、撮影用のコックピットで自ら新生N-1の飛行シミュレートをしてみせるなどノリノリだった。楽しそうで何よりです。
関連人物
ザ・チャイルド
- "クライアント"からの要請を受け、彼を惑星アーヴァラ7の傭兵集団の基地から救い出した。しかし、アーヴァラ7からの帰路でのトラブルで猛獣に襲われたジャリンの命を救ったことで絆を育み、それによりジャリンは賞金稼ぎの掟を破りギルドから脱退することになる。
- 基本的に食いしん坊でなんでも口にする傾向があるので、よくジャリンから嗜められる。また、ジャリンが複数人の敵相手に派手な戦いをする際には彼はそそくさとバスケット内部に隠れる。
- 「マンダロリアン」シーズン2の後半ではチャイルドの本名を知り、彼のフォースの訓練に力を貸したりと大きな役割を果たしている。チャイルドの本名を嬉しげに何度も呼ぶシーンは微笑ましくすらある。
- 彼との絆は何者にも代え難いもののようで、別れることとなった後のドラマ「ボバ・フェット」でも彼のための装備をわざわざ拵えてもらっていたり、それを自ら届けに行ったりしていた。同作終盤でチャイルドが彼自身の意志で戻ってきた際には驚きながらも「俺も寂しかったよ、相棒」と素直に心境を告白している。
グリーフ・カルガ
- ジャリンの属する賞金稼ぎギルドのエージェント。彼の才能を高く買っており、彼の才能に見合った仕事を斡旋している。
- ジャリンのギルド脱退で一度は敵対関係になるも、彼が戻ってきた際裏切ってザ・チャイルドをせしめようとした際に帝国に殺されかけ、しかもせしめる対象だったザ・チャイルドに命を救われたため、考えを改めジャリンたちと共闘することになる。
- Season2では解放された惑星ネヴァロに居残り、全編を通してジャリンの味方として登場する。
キャラシンシア・デューン
- マンドーと偶然知り合った元反乱軍トルーパー。初対面で互いに銃を突き付け合うなど出会いは最悪だったが、ザ・チャイルドの手前ということで一時停戦し、その後クリル農民を襲う盗賊の討伐で共闘したことで友好関係を築く。
- のちに惑星ネヴァロの動乱ではジャリンの友軍として登場。結果的にネヴァロを帝国から解放するのに一役買い、のちに同地の保安官に就任した。
- Season2でも引き続きジャリンの味方として登場。終盤のザ・チャイルド奪還作戦では元トルーパーとしての手腕を遺憾無く発揮して見せた。
”アーマラー”
- 惑星ネヴァロに拠点を置く女性マンダロリアン。その名前の通りマンダロリアンの装甲服を作成する職人である。
- 同地のマンダロリアン部族のリーダーでもあり、諍いを起こした同胞を嗜めたり、道に迷うジャリンにマンダロリアンとしての道を説いた。
- 彼女もマンダロリアンなので戦闘能力は高いのだが、問題はそのスタイル。装甲服作成用の工具で無双するってどこのエンジニアだ?
ペリ・モットー
- 砂漠の惑星タトゥイーンにあるモス・アイズリー宇宙港のハンガー3-5を経営している女性エンジニア。当初は仕事を探しにきた際に偶然割り当てられたハンガーだっただけのはずだが、彼女がチャイルドをいたく気に入っているためかその後もタトゥイーンに来るたびに彼女のハンガーを利用している。
- 初対面こそジャリンのドロイド嫌いを拗らせた結果彼女の修理ドロイドを問答無用で撃ち殺そうとするなどいいものではなかったが、チャイルドの面倒をみてもらったことやジャリンが(方法が方法ではあるものの)律儀に料金を払ったことなどから良好な関係に落ち着いた。
- ジャリンも彼女のエンジニアとしての手腕は信頼しているようで、シーズン2終盤で愛機「レーザー・クレスト」を失ったあと「ボバ・フェット」作中では新たな船を求めて三度彼女のもとを訪れている。
ギデオン
- 惑星ネヴァロを牛耳る帝国の残存勢力を指揮する帝国のモフ(総督)。過去にマンダロリアンの「大粛清」に関与したと言われ、その後戦犯で処刑されたとされていたが生きていた。
- ある目的のためにザ・チャイルドを欲しており、ジャリンにザ・チャイルド奪取を命じた張本人。彼がなんのためにザ・チャイルドを欲しているのかは劇中では詳しいことは分かっていないが、配下のドクター・パーシングがザ・チャイルドの血液を使って人体実験を行なっていたことは判明している。
- Season2にも登場し、ついにジャリンと一対一で決闘を行うことになる。
ボ=カターン・クライズ
- 同じくマンダロリアンに属する女戦士。Season2でザ・チャイルドの同胞の情報を得るために接触した。その際、彼女が人前でヘルメットを外していることにショックを受けているが、彼女の口から実はジャリンが属する氏族の方が少数派(というかもはやカルト組織)であることが明かされた。とはいえ、ジャリンはその後も滅多にヘルメットは脱がなかった。
- ジャリンはザ・チャイルドを、ボ=カターンはマンダロア統一の象徴であるダーク・セーバーをギデオンに奪われているので、終盤で共闘する。
ボバ・フェット
- STARWARSシリーズにおいて根強い人気を持つ凄腕の賞金稼ぎ。ドラマ「マンダロリアン」のみならず、ボバが主役のドラマ「ボバ・フェット」でも共演している。
- ボバのアーマーをジャリンが一時期保有していたことから彼の追跡を受けていたことで縁が生じた。ちなみにボバはマンダロリアンを自称していないため、「アーマーはマンダロリアンに属する」という思想のジャリンは当初こそ譲渡を渋っていたが、ザ・チャイルドを人質に取られたことに加え、帝国残党の急襲したことにより、成り行きでアーマーはボバに取り返された。なお、戦闘終了後に彼の「父親」にあたるジャンゴ・フェットがマンダロリアンだったことを示されたことで、ジャリンも納得しアーマーは本来の持ち主の手に戻っていった。なお、アーマーを取引する際の「アーマーを取り返したらジャリンとザ・チャイルドの安全を保障する」という約束を履行するため、ボバは奪還作戦に手を貸すことになる。
- ドラマ「ボバ・フェット」ではパイク・シンジケートに対抗する兵力を求めていたボバにスカウトされる。この際、かつての恩に報いるためかボバからの依頼料を返したうえ、自軍が不利な状態になっても逃げようとせず誇り高く戦死することを選ぶといったジャリンの義理堅い一面がさらにクローズアップされた。
- メタ的な話ではあるが、マンダロリアンという種族はボバとジャンゴのフェット親子から掘り下げられていった結果生まれた設定・種族であるうえ、公開順ではボバが最古の「マンダロリアンに連なるもの」(※何度もいうが、ボバ本人はマンダロリアンを自称してない)であるため、究極的にはボバはジャリンの元ネタと言えるかもしれない。