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父性とは、男性の持つ資質の一つである。


概説編集

男性が持つ、に対するとしての素質。

また子を護り育てようとする、としての本質のこと。


女性の持つ母性と質が違うが、自分より小さな子供を立派に成長させたいという点は同じである。

一般論として、母性が「子供を包み込むように庇護して受け入れる」のに対し、父性は「時に厳しく突き放しながらも社会の規範や社交性を育てながら護る」性質とされている。

子供に積極的に干渉するのではなく、ある程度自由に行動させながらも“制限”を加えて生き方を教え込もうとするものとされる。


もちろん、母性のように甘やかしの感情を含むものも父性の一環と見なされる。

特に男親がを大切に養育しようとする感情がこれに近い。いわゆる親バカの一つである。

逆に息子に対しては、一般的論としての面が強く出やすい傾向にある。


昨今のジェンダー論では、父性に性別の区分はないとも論じられている。


特異な習性編集

以上の様な父性は哺乳類としては特異な習性である。

そもそも哺乳類においては雄が子育てに参加する方が珍しい。


数少ない例外を挙げると

・イヌ科の動物:父親も子育てに参加する種が多い

ライオン:兄弟関係にある雄数頭と姉妹関係にある雌数頭から十数頭が異性を共有し、雄はテリトリーのパトロールや子供の護衛として外敵から子供達を守る。

トラ:大きめの雄のテリトリーに複数の雌のテリトリーが重複しており、雄が獲物をしとめた場合、妻子の下にお裾分けに持って行く。子供達を襲う外敵が侵入した場合には、雄も迎撃に参加する。

シャチ:ライオン同様に兄弟同士で余所の群れの雌の姉妹に子供を産ませるが、実子は放置して、自身の姉妹が産んだ甥姪の世話をする。

ゴリラ:父親が実質的な群のリーダーで、天敵であるヒョウに対する抑止力も務める。

ゾウ:父親は群の外周で用心棒として活動しており、我が子を襲う天敵が近付いた時に助けに来る。


以上の様に相応の知能と社会性が有る上に、父親に真っ向から勝てる天敵が同種の雄を除くと殆ど居ない、という種族に限られる傾向がある。

個体の戦闘能力の低さを繁殖力で補う弱い種族の雄が子育てに参加しても、我が子諸共に捕食されてしまうのがオチであり、其れならば数多くの雌を孕ませる方に労力を割いた方が子孫を残せる可能性が期待出来る。

しかし、本気で怒ったライオンやゾウの雄の成獣に敵う相手は同所には殆ど居ない。

逆に、ヒョウ等は人間並みの体重と5倍もの瞬発力を備えた強力な捕食者であるが、ライオンやトラと言う真っ向勝負では勝ち目が無い大型の近縁種に目の敵にされているので、単独や母子単位での放浪生活をしないと常に身の危険に晒されるので雄が子育てに参加する事は無い。


人間の常識では妻子を放置して余所で女遊びをする男は女性のみならず男性からも嫌悪の対象になるが、哺乳類と言う動物の一群で考えると其方が普通なのである。



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