概要
SF映画「STARWARS」シリーズのスピンオフ作品の一つ。配信先はDisney+。
シリーズでも高い人気を誇る一方、謎多きキャラクターとしても知られる賞金稼ぎのボバ・フェットを主役にしたテレビドラマシリーズ。
先行して公開されたドラマ「マンダロリアン」Season2直後、ボバが亡きジャバ・ザ・ハット(正確にはジャバの犯罪帝国を奪ったビブ・フォチューナ)の縄張りを奪い、彼が自身のシンジケートを確立するまでを描いている。同時に、ボバの回想という形でサルラックに喰われたボバがいかにして窮地を脱し、再びアーマーを身につけるようになったかが綴られている。
あらすじ
- 舞台は「エピソード6/ジェダイの帰還」のその後。「スター・ウォーズ」史上最強の賞金稼ぎ〈ボバ・フェット〉 が、銀河の〈闇〉の支配へと乗り出す—— (Disney+ 作品ページの紹介文)
- 「本作では『エピソード6/ジェダイの帰還』の終わりまでの間に何が起こったのか、そして現在のボバ・フェットの姿が描かれるんだ」 (ジョン・ファヴロー監督)
登場人物
ボバ・フェット
- 本作の主人公。伝説的な賞金稼ぎであるマンダロリアンのジャンゴ・フェットの完全なクローンとして誕生したジャンゴの「息子」であり、本人も伝説的な賞金稼ぎとして名を馳せている。ドラマ「マンダロリアン」Season2でビブ・フォチューナを殺し、彼の縄張りを奪い自らのシンジケートの確立のため活動し始める。
- Season1前半では、サルラックの体内で受けたダメージやその後の過酷な生活でのダメージが癒きってないため、万能治療薬であるバクタの中で治療に励んでおり、その最中に見た夢という形でサルラックからの脱出以降の彼の行動が語られている。
- 幼い頃に「父」であるジャンゴを目の前で殺害されたためより冷徹な性格になったがサルラックから生還した後の経験から思考に変化があったようで、ジャバの遺した犯罪帝国を「恐怖」ではなく「敬意」で治めることを公言している。
- アーマーのさまざまなギミックを駆使して戦う以前のスタイルに比べて、肉弾戦や格闘技での戦闘が増えている。
フェネック・シャンド
- 「マンダロリアン」に登場したお尋ね者の女性暗殺者。瀕死の重傷を負わされた上でタトゥイーンの砂漠に置き去りにされていたが、そこをボバに助けられてサイバネティクス手術を受けたことで一命を取り留め、以降は彼の相棒として行動している。
- ボバの実質的な副官として活躍するが、なんか行動がいちいち物騒。
モク・シェイーズ
- ボバの縄張り(正確には彼が簒奪したビブ・フォチューナの縄張り)である都市モス・エスパを治めるアイソリアン種族の市長。
- 他の有力者たちがボバに贈り物を携えて挨拶に来る中、部下を代理で送りしかも贈り物はなし、市長本人もボバに頑なに会おうとしない、ついには暗殺集団にボバを襲わせるという手段に訴えるなど不可解な人物。
ザ・モッズ(The Mods)
- モス=エスパの労働者地区で屯していた人間種族の若者たちからなるバイク・ギャング。名前が判明しているのはドラッシュ(コーカソイド系の女性)とスカッド(アフリカ系の男性)だけだが、その他に3〜4人ほど本名が不明のメンバーがいる。
- 各メンバーは体の一部がサイボーグ化されており(ドラッシュ:左腕、スカッド:右目、他にも手先が工具になっているメンバーなどがいる)、見た目はかなりパンチがある。なお、部分的サイボーグ化はタトゥイーンでの流行になっているようで、それを専門とする医者があるエピソードで重要な役割を果たす。
- 寂れた労働者地区で仕事がないことや生きるために必須である水をぼられている(砂漠の惑星であるタトゥイーンでは水は大気中にごく僅かに含まれる水蒸気を水分凝結機でかき集める事でしか得られず、大抵の住人はこれの整備に全生活を費やす水分農夫として細々と暮らすか専門の業者から高値で購入するかの二択を迫られる)ことによる鬱屈をギャング活動で紛らわせる日々だったが、縄張り内での騒動を聞きつけたボバにより、彼の部下として取り立てられる。
"双子"のハット
- ハットの母星「ナー=シャッダー」で放蕩生活に明け暮れている二体のハット族。本名不明。劇中では単に「双子」と呼ばれている。兄である緑色の個体と妹であるピンク色の個体の2人1組。
- 死んだジャバ・ザ・ハットの血縁であり、彼亡き後の縄張りを手に入れるためタトゥイーンまで出向き、ボバと対立する。
ブラック・クルルサンタン
- コミック作品などで登場したことのあるウーキーの賞金稼ぎ。かつてはジャバ・ザ・ハットの組織で働いており、ジャバの紹介でダース・ベイダーの私兵として雇われたこともあった。そのためボバとは賞金稼ぎ同士として顔見知り。
- 友情に篤くエンジニアとしても一流の同族チューバッカに比べると、暴力的で粗野な性格をしている。左目に残る傷痕や名前通りの真っ黒な体毛も相まって、見た目は凶悪そのもの。
- 劇中では「双子」に雇われボバと対峙する。
タスケン・レイダー
- タトゥイーンの広大な砂漠に生きる遊牧民的種族。映画本編では凶暴かつ野蛮な種族として紹介されてきたが、本作では「マンダロリアン」同様、一度結んだ約束は破らない誇り高い種族であることや、手話などを使えば意思疎通が可能であることなどが描写されている。
- ジャワにアーマーを奪われたボバを拾い、奴隷として自分たちの集落に連れ去る。だが、彼が大物を捕らえたり、部族の縄張りを荒らすギャングを懲らしめたことにより部族の長に認められ、ボバはタスケンの部族の一員として再出発することとなる...しかし...。
ディン・ジャリン
- ご存じ、ドラマ「マンダロリアン」の主人公。成り行きかつ一時的とはいえかつてボバのアーマーを所有していたこと、そしてモフ・ギデオンに関する一件でボバの助力を得たことから、彼とは多少の縁がある。そのことで、彼から依頼を受け軍勢に加わることになる。
映像
余談
- ジョン・ファヴロー、デイブ・フィローニ、ルーカスフィルムのCEOであるキャスリーン・ケネディに並び製作総指揮に就任していたロバート・ロドリゲス監督は「マンダロリアン」シーズン2のボバ登場回を担当したその人である。実はかなりのボバ・フェットファンであり、その理解はファヴロー監督やフィローニ監督にも「ジェダイみたいに精通している」と太鼓判を押されている。
- なお、撮影を重ねていくうちに筋トレとギターを通じてボバ役のテムエラ・モリソンとすっかり仲良くなったとか。撮影現場でモリソンと即興でギターセッションをしたこともある。なおその際に演奏したのはモリソンが作曲した「サルラックの穴ブルース」だった。
- 同作における殺陣やタスケン部族での交流などはニュージーランド出身で、マオリにルーツを持つモリソンの経験や知識が大いに役立った。特に、ボバが部族に迎えられるシーンは、当初はスタッフを掲げるだけの予定だったのに対し、ファヴロー監督やモリソンの提案により部族の面々と舞踊を踊るシーンが追加された。またボバのキャラクターを演じる際には伝統舞踊ハカの精神などを用いたという。また旧三部作にはなかったボバの格闘戦が豊富に描かれており、その撮影の際にもモリソンの格闘技の技術が役に立ったという。
- 前作「マンダロリアン」以上に西部劇要素がコッテリと盛り込まれている。「ギャングたちの構想」「ガンマンたちの活躍」に加え、なんと列車強盗まで盛り込まれている。
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