概要
高知県南西部に位置する市。
ここも隣の土佐清水市と同じく1954年(昭和29年)に幡多郡である宿毛町・小筑紫町・橋上村・平田村・山奈村・沖ノ島村が合併して発足した市となっており、平成の大合併は行われていない。
交通
鉄道もJRはなく、土佐くろしお鉄道の宿毛線が地域の足になっている他、高速道路も中村宿毛道路のみ。
ちなみに最寄りのJRの駅は四万十市を挟んで反対側の四万十町にあるJR土讃線の終点窪川駅で、ここ以西は中間の中村駅までが第三セクター運営の土佐くろしお鉄道中村線、中村駅から宿毛までが宿毛線の区間となっている。なお、運営企業こそ異なるが、中村線・宿毛線ともに土讃線の延長扱いのため、通し番号は共通である。ちなみに窪川駅は予土線の駅でもあるがこちらも宿毛市は通っていない。本州から宿毛に向かう場合は四国の鉄道事情によりかなりの時間がかかることを覚悟したほうがいい。特に普通列車の場合、岡山駅を朝7時に出発しても、宿毛に到着するのはその日の夜なんてこともある(※2017年当時のダイヤ、土讃線を利用)。
名産・名所など
西に大きく開いた宿毛湾により夕日の名所として有名。特に11月中旬から2月中旬の間、日没時に蜃気楼のように太陽の下部が膨れだるまのように見える「だるま夕日」が有名。
また、奥深く波の静かな宿毛湾の恩恵を受け養殖産業が盛んであり、特に真鯛・鰤が有名で県外への出荷も行っている。
市内には四国八十八ヶ所39番延光寺があるほか、旧宿毛湾泊地や宇須々木の基地などがあったことからいわゆる戦争遺構も多く見られる。
なお近世(特に江戸時代)においては土佐藩主山内家と姻戚関係にあった土佐宿毛山内家(元々は藤原秀郷を始祖とする伊賀氏を名乗っており、安藤氏を経て山内一豊の姉との婚姻と山内氏の家臣となったことを機に山内姓を拝領)が治めていたこともあってか、山内本家とは付かず離れずの関係をとっており、幕末では土佐藩の藩兵とは別に独自の兵力である機勢隊を出兵させている。なお、明治維新後土佐宿毛山内家は遠祖である伊賀姓に復している。
その気風もあってか戦後日本を支えた大政治家である吉田茂の出身地としても知られている。
また、間寛平師匠の出身地でもある。