曖昧さ回避
路線データ
路線名 | 中村線 |
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路線区間 | 窪川〜中村 |
路線愛称 | 四万十くろしおライン |
路線記号 | TK |
路線距離 | 43.0km |
軌間 | 1,067mm |
駅数 | 15駅 |
信号場数 | 1箇所 |
非電化区間 | 全線 |
単線区間 | 全線 |
最高速度 | 110km/h |
閉塞方式 | 単線自動閉塞式 |
保安装置 | ATS-SS |
運転指令所 | 中村駅制御所(CTC) |
第一種鉄道事業者 | 土佐くろしお鉄道 |
概要
窪川駅(高知県高岡郡四万十町)と中村駅(四万十市)を結ぶ土佐くろしお鉄道の鉄道路線。日本国有鉄道(国鉄)時代に土讃本線(現・土讃線)の延長として1963年(昭和38年)12月18日に開業した。しかし土讃本線と別線にした事が災いして赤字83線及び第三次特定地方交通線に選ばれ、1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化時に四国旅客鉄道(JR四国)が一度継承した後、1988年(昭和63年)4月1日に第三セクターに転換された。
窪川駅〜若井駅〜川奥信号場間はJR四国予土線(しまんとグリーンライン)の列車が乗り入れる。窪川駅では土佐くろしお鉄道ホームから発着し、若井駅〜川奥信号場間は両線の重複区間となっているが、施設の管理は土佐くろしお鉄道が行っている。
路線名の由来となった旧・中村市(現・四万十市)の中心駅である中村駅は、土佐くろしお鉄道本社や中村車両基地、運転指令業務を行う中村駅制御所等同社の中枢となっている。またJR直通特急「あしずり」(メイン画像)の大部分と「しまんと1号」が当駅を始発または終着としており、かつてはJR西日本宇野線(瀬戸大橋線)岡山駅発着の「南風」も設定されていた。この為元JR線だった事もあるが、全国的に数少ないみどりの窓口があるJR以外の駅となっている。
JR四国と共に2006年(平成18年)3月1日から駅ナンバリングを導入している。路線記号はTK。番号は土讃線高知駅からの通しで、これは若井駅で分岐する予土線も同様。なお予土線の路線記号は若井駅から使用される為、窪川駅は土佐くろしお鉄道の物が使用される。
車両基地
中村線及び宿毛線で使用される車両は、予土線及びJR車による運用を除き全て前述の中村車両基地所属の気動車で運用される。
直通運転
以下の区間で直通運転を行う。
- 自社線
・宿毛線:中村駅〜宿毛駅
- JR四国
・予土線(しまんとグリーンライン):若井駅〜宇和島駅※1
・土讃線:窪川駅〜多度津駅※2
かつては以下の区間でも直通運転を行なっていた。
- JR四国
- JR西日本
・本四備讃線(瀬戸大橋線):児島駅〜茶屋町駅※4
・宇野線(瀬戸大橋線):茶屋町駅〜岡山駅※4
※1:JR四国予土線車両のみ。
※2:特急のみ。高知駅〜多度津駅間は特急「しまんと」のみ。
※3:特急「しまんと」のみ。
※4:特急「南風」のみ。
列車衝突事故
1998年(平成10年)6月11日に西大方駅〜古津賀駅間で発生した事故。下り窪川発宿毛行普通列車が同区間でエンジントラブルにより立ち往生。救援列車が運行されるも停止位置を認識しておらず故障列車と衝突し38人が負傷した。
故障列車の運転士が列車防護を怠った事、救援列車が徐行すべきところ速度超過して運行していた事、伝令法(故障列車の救援や工事列車運行時に緊急的に用いられる運転方法)施行区間において故障列車の停止位置が明確に伝えられておらず、救援列車運転士が所持していた伝令票にも明記されていなかった等、様々な不手際が重なった事が原因とされる。
以降土佐くろしお鉄道では事故発生日の6月11日を「土佐くろしお鉄道 事故防止の日」と制定し、訓練を実施している。
沿革
- 1963年(昭和38年)12月18日:国鉄の路線として窪川駅〜土佐佐賀駅間開業。若井駅、荷稲駅、伊与喜駅、土佐佐賀駅開業。
- 1970年(昭和45年)10月1日:土佐佐賀駅〜中村駅間延伸に伴い全線開通。土佐白浜駅、東大方駅(現・有井川駅)、土佐上川口駅、浮鞭駅、土佐入野駅、西大方駅、中村駅開業。
- 1982年(昭和57年)11月15日:東大方駅を有井川駅に改称。
- 1984年(昭和59年)2月1日:貨物営業廃止。
- 1986年(昭和61年)5月27日:第三次特定地方交通線に指定され廃止が承認される。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴いJR四国が第一種鉄道事業者として継承。
- 1987年12月3日:土佐くろしお鉄道が運輸省(現・国土交通省)四国運輸局に第一種鉄道事業申請。
- 1987年12月18日:土佐くろしお鉄道の第一種鉄道事業が四国運輸局により認可。
- 1988年(昭和63年)4月1日:JR四国の第一種鉄道事業廃止。土佐くろしお鉄道に転換。古津賀駅開業。
- 1993年(平成5年)10月1日:佐賀公園駅開業。
- 1997年(平成9年)10月1日:宿毛線開業に伴い直通運転開始。
- 1998年(平成10年)6月11日:西大方駅〜古津賀駅間で列車衝突事故発生。
- 2003年(平成15年)4月22日:海の王迎駅開業。
- 2003年12月8日:荷稲駅〜伊与喜駅間で大規模土砂崩壊が発生し、同区間が不通となる。
- 2004年(平成16年)1月10日:全線運転再開。
- 2006年(平成18年)3月1日:駅ナンバリング導入。
- 2015年(平成27年)9月26日:路線愛称が「四万十くろしおライン」に決定。
- 2020年(令和2年)3月14日:特急「南風」の乗り入れ終了。
- 2023年(令和5年)6月2日:線状降水帯発生による豪雨の影響で土佐白浜駅〜有井川駅間で土砂流入が発生し、普通列車が乗り上げ脱線。全線で不通となる。
- 2023年6月10日:全線運転再開。
- 2024年(令和6年)3月16日:古津賀駅の特急停車を取り止め。
運行形態
特急と普通が運行されている。予土線直通列車以外は全列車が全区間を走行する。
特急
土讃線高知駅発着の「あしずり」が下り7往復、予讃線高松駅発の「しまんと」が1往復運行されている。
基本的に中村駅を始発・終着とするが「あしずり6・7号」と「しまんと8号」は宿毛線宿毛駅発着。
2020年3月14日ダイヤ改正までは瀬戸大橋線岡山駅発着の「南風」が乗り入れていたが、同改正で高知駅以西が「あしずり」に統合された。
詳細は「南風」の項を参照。
普通
9往復運行される。下り4本・上り5本は宿毛線宿毛駅発着。窪川駅〜若井駅間はこれらに予土線4往復が加わる。
途中駅で特急の待避は行わず、窪川駅・中村駅を出発した後は終点まで先行する。但し上りの宿毛始発の列車の一部は中村駅で始発の特急「あしずり」と接続し、特急の後に出発する。
中村駅を始発・終着とする列車は早朝及び夜間の一部を除き、基本的に中村駅で宿毛線列車と接続する。
特急列車がメインの路線である為、終車が早い。上りは中村発が20時台、下りは窪川発が18時台、予土線列車では17時台が最終列車となる。
駅一覧
●:停車 ○:一部停車 レ:通過
※:転換後に開業した駅
駅番号 | 駅名 | 特急 | 乗換路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|
↑特急はJR土讃線経由予讃線高松まで直通運転 | ||||
TK26 | 窪川 | ● | JR土讃線(K26) | |
TK27 | 若井 | レ | JR予土線(G27) | |
川奥信号場 | レ | JR予土線の施設上の分岐点 | ||
↓JR予土線宇和島まで直通運転 | ||||
TK28 | 荷稲 | レ | ||
TK29 | 伊与喜 | レ | ||
TK30 | 土佐佐賀 | ● | ||
TK31 | 佐賀公園※ | レ | ||
TK32 | 土佐白浜 | レ | ||
TK33 | 有井川 | レ | ||
TK34 | 土佐上川口 | ○ | ||
TK35 | 海の王迎※ | レ | ||
TK36 | 浮鞭 | レ | ||
TK37 | 土佐入野 | ● | ||
TK38 | 西大方 | レ | ||
TK39 | 古津賀※ | レ | ||
TK40 | 中村 | ● | 宿毛線(TK40) | |
↓宿毛線宿毛まで直通運転 |
使用車両
現在の使用車両
自社車両
全て中村車両基地所属。
特急形気動車。「あしずり」「しまんと」で使用。
JR四国車と共通運用で、保守管理を同社高知運転所に委託している為、中村車両基地ではなく高知運転所に常駐している。
普通列車用気動車。5編成が開業時から使用され、2編成が宿毛線開業時に、1編成が1999年(平成11年)に増備されている。
JR四国所属
- 2000系(メイン画像)
高知運転所所属の特急形気動車。土佐くろしお鉄道が同形式を保有していた頃は共通運用だった。
「あしずり」で運用する。2700系登場前は「南風」「しまんと」でも運用されており、「南風」運用時は一部編成が「アンパンマン列車」として運行された。
松山運転所所属の特急形気動車。
最初は高知運転所及び高松運転所に所属(後に高知車は高松に転属)し、特急「南風」「しまんと」「あしずり」として運用されていた。
松山運転所への転属後は繁忙期に「あしずり」として運用される。
- 2700系
高知運転所・高松運転所所属の特急形気動車。土佐くろしお鉄道車と共通運用で、「あしずり」「しまんと」として運用されている他、「南風」の土佐くろしお鉄道直通運用でも使用された。
高松運転所・高知運転所所属の特急形気動車。定期運用は2000系に置き換えられた為現在は存在せず、臨時列車として時折入線する。
第三セクター転換後には「南風」「しまんと」「あしずり」で運用されていた。
松山運転所所属の予土線用気動車。
一部編成は改造の上観光列車として運用されている。
- トラ45000形コトラ152462
松山運転所所属のトロッコ車両。
キハ54-4とセットで「しまんトロッコ」として運用中。
JR西日本所属
吹田総合車両所京都支所所属・下関総合車両所新山口支所常駐の事業用気動車(検測車)。
検測の為に稀に中村線・宿毛線に乗り入れる。
過去の使用車両
土佐くろしお鉄道転換後の車両のみ記載。
自社車両
- 2000系30番台
中村車両基地所属・JR四国高知運転所常駐の特急形気動車。
JR車と共通運用で「南風」「あしずり」「しまんと」で運用されていた。一部はJR車同様「アンパンマン列車」として運行された。
JR四国所属
いずれも高松運転所所属。
特急形気動車。「南風」「しまんと」及び特急化後の「あしずり」で使用されていたが、2000系に置き換えられ運用を外れた。
特急形気動車。
特急「南風」「しまんと」「あしずり」で運用されていたが、松山運転所への転属により運用を離脱した。
国鉄時代から使用されていた急行形気動車。
国鉄・JR時代は全区間高松駅〜中村駅間の急行「あしずり」として乗り入れていたが、第三セクター転換後はJR線内急行「あしずり」・土佐くろしお鉄道線内快速として運行された。「あしずり」特急化に伴い乗り入れを終了。