概要
JR東海を除くJRグループ各駅にある乗車券発売窓口のうち、マルス端末が置かれ、JRグループ旅客全社の鉄道線乗車券、JRバスの座席指定制路線の乗車券、・指定券などを総合的に発券できる発売所。
一般的にJRの鉄道駅構内に設置されている場合が多いが、国鉄ないしJRから転換したJR以外の鉄道会社(第三セクターが多い)やバスターミナル、空港や港のターミナルに設置されているケースもある。
「窓口」である都合上、窓口担当者の存在が不可欠なためか、駅員のいない無人駅には基本的に設置されていない。しかし、直接の窓口ではなく、自動券売機にオンラインで担当者とやり取りする機能を付けた「みどりの券売機」として運用する例も現れている。
また、ある程度の利用者が見込めないと設置する意味が無いため、この窓口が設置されているのは大抵の場合都市部の駅や自治体の中心駅、乗り換え駅や有名観光地の玄関口の駅など、いわゆる「主要駅」がほとんど。都市部から離れた地方ではある程度の人口を擁する市町村の中心駅でないと設置されていないケースも多く、また東京や大阪といった大都市圏でもかつては設置されていない駅を探すほうが難しいほどたくさんあったが、2010年代に入ると、世代的に大量退職が控えていることや、人件費削減の為か、主要駅(下請けではない直営駅)でも窓口閉鎖が相次ぎ、みどりの券売機などで代替されているほか、新規開業駅では最初から窓口を設置せずみどりの券売機設置で済ませている所も出てきている。
ただし2016年現在、日本の各都道府県の県庁所在地における中心的な役割を果たすJR駅(俗にいう「代表駅」)には、いずれも設置されている。
「窓口」と名前が付いているが必ずしも窓口形式でない場合もあり、駅務室の片隅に窓口を取り付けただけの簡素なもの(駅員が窓口担当を兼務している場合が多い)から、駅務室とは別に独立した専用のスペースを持っていたり、「みどりの窓口」そのものが一つの駅に複数存在していて、一度に多数の利用客に対応可能な規模の大きいものまで千差万別である。
また、窓口の営業時間も駅単位でバラバラであり、5:30にはすでに開店して営業を開始している早起きな駅もあれば、9:00に開始するお寝坊さんな駅もある。
これは閉店時間も同様で、18:00前には早々と閉めてしまう駅もあれば、23:00ごろまで頑張る駅もあるほか、日中であっても途中で窓口業務を一時休止する駅もある(地方の駅に多い)。
余談だが、夜遅くまで営業している駅は軒並み大都市圏の駅や地方の主要駅がほとんどだが、開店時間は地方の駅もやけに早い駅が多い(5:30や6:00開店の駅は地方でもザラ)。逆に、都心にある秋葉原駅や神田駅などは8:00開店とやや遅めである。
一説によると、「みどりの窓口」の名称は常備券の赤や青に対して、淡い緑色をしていたことによると言われている。2020年現在JR東海ではこの名称を使っておらず、「JR全線きっぷうりば」名義となっている。看板が緑色ではないため遠方からの利用者は留意しておくといいだろう。
名義変更した根拠としては、JR東日本が「みどりの窓口」を登録商標としたことを嫌っての改名という説がある(梅原淳「いま注目を集める「みどりの窓口」の無人化 その鍵を握る「アシストマルス」とは」、当該記事も参照)。ただし、JR東日本は、商標登録は異分野の企業に勝手に名称を使われないようにするための措置で、JRグループから使用料は徴収していないと説明している。(一例として「ブルートレイン」や「キヨスク」の商標がJR東日本やその関連会社が登録している。)
数を減らし過ぎた結果、慢性的な大混雑と多数の苦情が出るようになり、2024年5月8日に社長が謝罪する事態となり、当面は現状を維持すると発表。この時点で209ヶ所まで減少している。
このようなことになったのはえきねっとの使い勝手の悪さ、アプリや指定席券売機で買えない切符(通学定期券、学割乗車券、割引切符)が多すぎる等というのが挙げられる。そのためみどりの窓口の需要は依然として大きい。
TOKIOの長瀬智也が勘違いをしていたが、グリーン車の切符しか購入できないというわけではない。
ちなみにマルス端末がない駅員配置駅で座席指定券を購入する場合、マルス指令や決められたマルス端末設置駅へ電話を用いてやり取りをする。発行駅での聞き間違いのないように、席番号についてはA席「アメリカ」、B席「ボストン」、C席「チャイナ」、D席「デンマーク」、E席「イングランド」と発音する。
これは余談だが、お笑いコンビのサンドウィッチマンのコントに名称がみどりの窓口のパロディである、みどりな窓口というものが存在する。
テレビ番組「みどりの窓口」
1965年から1985年3月にかけて日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)で放送されていた。国鉄から提供された情報を放送する番組で、月-土曜日の朝7時45分から15分間の生放送番組だった。
放送日の朝における首都圏の運行情報や各特急・寝台特急列車の空席情報の他、国鉄からのお知らせ、首都圏に限らない列車や沿線のみどころなどを紹介するVTRが放送され、空席情報の放送時はBGMにポール・モーリアの「ペガサスの涙」やイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の「テクノポリス」などが流れた。
放送時間は移動しており、1970年代後期は朝7時30分からの時期があった他、1980年代からは放送時間が朝6時45分からに繰り上げられ、1983年秋以降はおはようテレビ朝日の1コーナーに組み込まれた。ただし土曜日の放送だけは独立した番組として扱われ、テレビ朝日での放送終了まで続いた。
1985年4月からは放送内容をそのままに放送局をテレビ東京へ移し、レール7へ改題。国鉄分割民営化後は提供がJR東日本になり、1991年4月にタイトルを「列車でいい旅」へ改題して1992年3月に放送を終えた。