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オーソン・クレニックの編集履歴

2022-10-10 01:10:30 バージョン

オーソン・クレニック

おーそんくれにっく

オーソン・クレニックは映画「STARWARS」シリーズに登場する銀河帝国の軍人・技術者である。

概要

オーソン・カラン・クレニックSTARWARSシリーズのスピンオフ作品『ローグ・ワン』、およびその前日譚にあたる小説『カタリスト』に登場するキャラクター。銀河帝国の帝国保安局の先端兵器研究部門の長官、つまり超兵器デススター開発の総責任者である。劇中ではもっぱらクレニック長官と呼ばれている。

ローグ・ワン』におけるメインヴィランではあるが、劇中での立ち回りや報われない結末から、観客からはかなりの同情を向けられているキャラでもある。


経歴

若い頃から優秀で将来を期待されていたクレニックは銀河共和国が主宰する将来有望な若者たちを対象とした特別教育プログラムに参加を許され、そこで生涯の友である(そして因縁の相手でもある)ゲイレン・アーソと出会い、共に学業に励んだ。その後、共和国軍の工兵隊の少佐となった彼は主に宇宙空間に浮かべる巨大建造物の設計で名声をあげ、すぐに共和国の極秘兵器開発にも携わるようになる。この際、クレニックはマス・アミダ副議長に対してゲイレンの才能について話し、彼をプロジェクトに参加させるよう勧めている。また、銀河全域がクローン戦争に突入し、ゲイレンが家族とともに過ごしている惑星が戦禍に呑まれた際にも部隊を率いてゲイレンとその家族を救いに向かうなど、親交は続いた。「ローグ・ワン」の回想シーンでも、惑星コルサントのゲイレンの自宅で酒を酌み交わし親しげに語り合っている様子が描写されている。また自らもゲイレンに対して辛抱強く説得を行い、彼が極秘プロジェクトに参加する気になるのを待った。その甲斐もありクローン戦争終結後に一度はゲイレンをデススター開発に参加させることに成功するが、研究を進めるうちに自分が関わる研究が惑星を破壊する兵器に使用されることに勘づかれ逃げられてしまう。


その後、4年の探索ののちついに惑星ラムーに潜伏しているゲイレン以下アーソ一家を発見し、ゲイレンにプロジェクトに戻ってくるよう説得。彼を行かせないためクレニックに対し銃を向けるゲイレンの妻ライラを部下に命じて射殺させ、ゲイレンをそのまま連れ去った。なお、この際ライラの死に際の発砲で左肩を撃ち抜かれている。また、ゲイレンの娘を捜索したが、この時は最後まで見つけることはできなかった。

その後、ゲイレン以下優秀な科学者たちを惑星イードゥーの秘密研究所で半幽閉状態を強いりながら研究を進めさせる傍ら、惑星ジオノーシス軌道上で自らの最大の作品となる超兵器デススターの建造の陣頭指揮をとった。

数々の技術的困難や工期の遅延を乗り越え、デススターの建設が最終段階に入ったある日、イードゥーに物資を運ぶ貨物シャトルのパイロットが脱走しデススターの情報を外部に漏洩させるという事件が起きる(裏には幽閉状態に追いやられたゲイレンがいた)。デススター建造の監督をしているグランド・モフ・ターキンに圧力をかけられたクレニックは脱走したパイロットが潜伏しており、なおかつ反乱勢力が根城にしている惑星ジェダの聖なる都「ジェダ・シティ」を目標に主兵装であるスーパーレーザー砲の発射実験を敢行。ジェダ・シティは蒸発、付近の地殻はめくり上がり、クレニックの期待通りの結果を得る。だがこの際、デススター開発の手柄を我がものにしようとするターキンとの政治的な対立が激化。クレニックは激しく反発するが、情報漏洩を起こしたゲイレンが何らかの細工を施した可能性を指摘され、そのまま惑星イードゥーに向かい、ゲイレンへの見せしめを兼ねて科学者たちを射殺。打ちのめされるゲイレンを足蹴し施した細工について詰問しようとするが、折り悪く反乱同盟軍のスターファイター隊によるイードゥー攻撃が開始され、自らも爆発に巻き込まれ、同じ爆発でゲイレンも瀕死の重傷を負ってしまう。クレニックは部下の勧めで急ぎシャトルに乗って脱出、ゲイレンは密かにイードゥーに侵入していたジンとのごく短い再会ののち息絶えた。

その後、皇帝の右腕であるダース・ベイダーに呼び出されたクレニックは惑星ムスタファーにある彼の居城に出頭、そこで情報漏洩とジェダでの試射実験の顛末について叱責を受け、デススターに細工が施されていないか確認するまで気を抜かぬよう忠告された。その際、クレニックはよせばいいのに指揮権は自分にあることをベイダーに確認し、(大方の予想通り)ベイダー卿の教育的指導を食らった

その後、ゲイレンが施した細工を見破るため、帝国の建造物の設計図や通信記録の全てが保管されている惑星スカリフの帝国安全管理施設に赴き、ゲイレンの通信記録を全て確認しようとするが、作業を始めて早々に基地の複数の施設で同時多発的に爆発が発生。咄嗟の事態に茫然と指示を待つ司令部一同に対しクレニックは半ギレ気味に戦闘態勢を命じた。だが、この爆発はデススターの設計図を手に入れるための潜入部隊から帝国軍の目を逸らすための陽動であり、敵の情報撹乱や反乱軍艦隊の到着による混乱もあってクレニックがこの事実の報告を受けたのは潜入部隊が設計図保管庫に侵入したあとだった。

報告を受けたクレニックは自ら配下のデストルーパー二人を引き連れ保管庫に急行、設計図を手に入れたジンキャシアンを発見し銃撃を加え、部下二人を失いながらもキャシアンを落下させることに成功。そしてジンが保管庫屋上にあるアンテナを使って艦隊に設計図データの送信を試みようとしていることに感づいた彼は、自らも昇降機を使って屋上へ急行。まさに設計図を送信しようとしていたジンに銃を突きつけ、彼女自身から彼女がゲイレンとライラの娘であることを伝えられ、ゲイレンがデススターに細工を施したことを告げられる。それに対し、クレニックは惑星シールドが未だ健在であることを話し、設計図は送信できないことを指摘、ジンを撃ち殺そうとする。しかし、その場に先ほど墜落したはずキャシアンが駆けつけクレニックを銃撃(奇しくもこの時撃ち抜かれたのはライラに打ち抜かれたのとは反対の右肩だった)、時を同じくして軌道上では反乱同盟艦隊の決死の作戦でシールドが解除され、データの送信が可能になった刹那ジンはアンテナを使って設計図を艦隊に送信、デススターの設計図は反乱同盟軍の手に渡った。

そして艦隊が設計図を受信した直後、スカリフの軌道上にデススターが出現。これはスカリフの戦いの報告とクレニックがスカリフにいるという報告を受けたターキンが設計図の流出阻止と政敵の排除を同時に行うために下した決断であり、ターキンの命令の下デススターはリアクター一基だけを稼働させ、最低出力で帝国安全管理施設を砲撃。キャシアンの銃撃のショックから意識を取り戻したクレニックは空に浮かぶデススターを見上げ、デススターがスカリフに向けてスーパーレーザーを発射するのを見届けた。

こうして、未曾有の超兵器開発の陣頭指揮をとった男は、政敵に自らの栄光を全て奪われた上で、自らが陣頭指揮をとった超兵器の砲撃により跡形もなく蒸発するという報われない最期を遂げた。砲撃は正確に彼のいるタワー最上階を射抜いており、せめて火傷や崩壊するタワーに巻き込まれる落下死の恐怖がなく、一瞬で命を奪われただけ温情だったのかもしれない...


余談

  • ゲイレンの最愛の妻であるライラを射殺したこと、(いくら反乱組織が隠れ家にしているとはいえ)実験と称して惑星ジェダの聖都ジェダ・シティを(一部書籍では取り残された帝国軍将兵も含め)無辜の民もろとも蒸発させたこと、そして情報漏洩をしたゲイレンが情報漏洩を告白したにもかかわらず彼への見せしめとして彼の同僚である科学者たちを射殺したことなど、作中ではまごうことなき悪役ではある。しかし、強いていうならゲイレンを連れ去る際も、(ゲイレンをプロジェクトに引き入れるための甘言かもしれないが)「ライラとジンも一緒に」と言っており、ゲイレンを家族と離れ離れにする意図はなかったようだ。だが、先に銃を向けたのはライラであるとはいえ、そもそもライラとゲイレンは帝国がこれまでやってきた諸行(「カタリスト」作中だけでもデススターのスーパーレーザー技術の開発のために起きた事故の隠蔽や多くの同僚の不可解な失踪など)に不信感を抱いた結果、惑星ラムーへの逃亡していたため、ゲイレンを連れ出すためには避けられない結末だったと思われる。
  • ターキンを含め周囲からはデススター建造にかかっている時間(建造は帝国建国直後には始まっているが、プロジェクト自体は共和国時代には既に開始されていたため、合計で20年以上かかっている)を槍玉にあげられており、「いつ完成するんだ?」と催促を受けているが、これもあながち彼だけのせいとも言い切れない。そもそもデススターの主兵装であるスーパーレーザー砲は作中でも空前絶後の超兵器であったため、兵器として実用化するだけで膨大なノウハウの蓄積が必要となった。また使用する素材も希少なカイバークリスタル(ジェダイライトセーバーのエネルギー増幅装置として使う神秘的な結晶鉱石。採れる惑星が極端に少ない)であり、反乱者たちでの描写を見るにその中でも特大クラスのものを揃える必要があったと思われる。しかもそのうちの一つはソウ・ゲレラとエズラたち反乱者たちによって期せずして破壊されてしまい、それを補充するため数ヶ月単位での工程の遅れが生じたと考えられる。これらの障害を乗り越えて、自分の存命中にプロジェクトを完遂できたという点では、(有能とは言い切れなくとも)クレニックはある種の才能の持ち主であったと言えるかもしれない。
  • また、スカリフの戦いでは茫然と指示を乞う士官たちにAre we blind?!(何をしている?!)と半ギレ気味に戦闘開始を命令したり、シールド閉鎖にまごつく基地司令を催促したり、挙げ句の果てに侵入者対応に自ら部隊を率いて動くなど、「ローグ・ワン」以下反乱同盟軍に振り回されっぱなしの印象が強いが、これは惑星スカリフ自体が当時の主戦場である星系から遠く離れているうえに最重要施設ゆえ「鉄壁」の防御が施されていると基地要員が慢心しているのに加え、惑星全体が年がら年中ハワイもかくやというトロピカルな気候だったため、基地要員の気が緩みまくっていたせいもある。この傾向は一般兵に始まり、帝国安全管理施設を預かるラムダ将軍や防衛艦隊を指揮するゴーリン提督にまで満遍なく広がっており、いつにも増して帝国のガバガバセキュリティが露呈する結果となった。
  • 最終的に自らが部隊を率いて侵入者を迎撃に向かう点については、彼は共和国工兵隊に所属している時分から前線で指揮を執ることもあったため、それなりの指揮能力はあったと考えられる。事実、コミック版「ローグ・ワン」や小説「カタリスト」では窮地に陥ったアーソ一家を救出するため自ら部隊を率いて戦場に赴く描写がある。加えて先述の通りのスカリフの将兵のぐだぐだっぷりを見てしまうと、クレニック自らが動いた方がまだ効果があると思ってしまうのは無理からぬことだろう。
  • 一方で、彼の経歴を見る限り彼の本分はあくまで技術者あるいは科学者であり、政治的な駆け引きの経験がなかったと考えられる。仮に政治力が並にあったとしても、相手が飛ぶ鳥をおとす勢いで昇進を重ね、「皇帝に次ぐ実力者」(ベイダーですら指揮下にあった)となったターキン相手に政争を仕掛けるのはかなり苦戦を強いられるだろう。共和国時代から皇帝と個人的な繋がりが強く、出身惑星の総督として政治家のキャリアも積んでおり、かつ別作品では主役を務めるレベルの稀代の傑物であるターキンが権力争いの相手だったのは、彼にとって最大の不幸だと言えるだろう。
  • 以上のことから、科学者・技術者としては優れた才能を持ちながら、大きすぎる野望を抱いてしまったがゆえに、最終的に自らの命を縮めたというのがクレニックの一生を端的に表す言葉かもしれない。才能を持っていながら似合わぬ野望のせいで体がついていけずボロが出たという点は、奇しくもベイダーが彼に言い放った「己の野望で息を詰まらせぬよう気をつけることだ、長官」という言葉に通じるものがある。
  • そんなクレニックであるが、短編集「ある視点から見た物語」に収録されている短編「栄光の瀬戸際」において、死の間際にターキンの破滅を確信している。政治家であるターキンは稼働状態になったデススターの維持を第一に考え、稼働を停止して弱点を洗い出すという行動ができないというのが理由だが、実際彼がスカリフで死んでしばらく経ったあと、ターキンもまたデススターとともに宇宙に散った。ご存知の通り、その原因はゲイレンが仕込んだデススターの人為的な弱点であるが、ターキン自身もクレニックに散々その可能性を指摘しておきながら、デススターにある弱点を軽視し、部下からの避難の進言すら蹴飛ばした結果自らの命を縮めた。その点ではクレニックの読みは正しく、また「政治家」ターキン「技術者」クレニックを象徴する最期をそれぞれ迎えたと言えるだろう。
  • さらなる余談ではあるが、ゲイレンが施したデススターの弱点(中央反応路に直結している排熱孔)についてだが、最近の作品で独力でその弱点にたどり着いた帝国軍士官が登場した。小説「ロスト・スターズ」に登場するデススターに配属された若き女性士官にして主人公サイエナ・リーの親友であるジュード・エディヴォンである。彼女はヤヴィンの戦いの反乱同盟軍の攻撃を分析し、彼らの狙いが排熱孔であると推測、その危険性をしたためた報告書は上官であるバスト主任の手に渡された。このバスト主任こそ劇中でターキンに対して避難を勧めた帝国軍士官その人である。ジュードや他の士官たちの末路はもはや言うまでもないだろうが、もし彼女が1日でも早く弱点の解析ができていたら、戦局は変わっていたかもしれない。なお、「ロスト・スターズ」は日本でコミック化されているため、興味のある方は是非読んでみて欲しい。

関連タグ

STARWARS ローグ・ワン デススター


表記揺れ:クレニック クレニック長官

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