CV:林原めぐみ
概要
猫の脳を頭脳に使って作られた猫脳アンドロイド(ニャンボット)である。
龍之介によってヌクヌク(温々)の名を与えられ保護される。
しかし、とある事情によって瀕死となってしまい、ヌクヌクを可愛がっていた龍之介は号泣の果てに絶望を嘆く。
その息子の姿に龍之介の父・夏目久作が奮起し、自らの研究であったアンドロイド素体“NK-1124”にヌクヌクの頭脳をセットする。
本来、この実験でヌクヌクが蘇生する確率は、あまりにも低かった。しかし、ヌクヌクは飼い主である龍之介との絆によって、その低確率を乗り越えてニャンボットとして甦り、龍之介のため彼とともに日々の困難に立ち向かうのだった。
原作版
原作(増刊王版)では女子大生で、普段は学内で一目置かれる美女・才媛。しかし、家族(久作や龍之介)だけの時は、後述の旧OVA版に近い、割とトボけた地の性格が出ている。
人間関係がよりどうなっているのか、とにかく僅か3回で打ち切りになっているため、はっきりしたことは描かれていない。龍之介が瀕死のヌクヌクを抱えて久作に縋ってくる回想シーンがあるが、僅か1コマだけでそこに至る経緯も説明されずじまいだった。
ちなみに機体構成上、水にすぐ沈み、水中では稼働ができなくなるという欠点がある。(オプションのホバーパーツで水上の活動は可能となったが)
ドラマCD・旧OVA版
設定が女子高生となり、転校生という扱いで高校に通うことになるが、転校初日から男子生徒の人気のマトに。
どこぞのインベーダー美少女の親衛隊よろしく熱狂的なファンがおり、第5話でヌクヌクがファミレス(三島重工の子会社チェーン)でアルバイトした時は1日中入り浸りヌクヌクに接客してもらうためにフードファイト状態になったうえ、今日子とありさが変装して嫌がらせをしているのを見てブチ切れ、5対2とは言え軍事レベルの戦闘訓練を受けているはずの2人をボコボコにするような連中。ちなみにリーダー格はやはりメガネ。
口調が全体的に幼さを感じさせるが、龍之介や久作を庇う時は原作のようなシリアスな態度になる。料理はできないわけではないらしい。
元々は龍之介が久作と共に三島重工から逃亡中、行きずりで出会った猫。直後に追跡中のありさ・今日子のヘリが迫ってきた時、久作のクルマに乗せてしまうが、久作の運転ミスとありさのガトリング砲乱射で瀕死の重傷を負ってしまったことから、NK-1124の頭脳として蘇生することになった。なので名前はアンドロイドとして完成してからつけられた。
OVA第3話で久作と晶子の確執が緩んでからは、久作や龍之介のいないところで晶子らと会っていたりもする(晶子の方もそれまでは「(女子高生)アンドロイド」と呼んでいるのだが、OVA第4話以降は「ヌクヌクさん」になる)。
漫画『新・万能文化猫娘』版
NK-1124がそれまでの「生体脳ロボット」から「脳生存心臓死患者生命維持用サイボーグ化義体の試作品」に設定変更。ただ、問題として現状では人間の脳を収めるスペースがなかった。その後、やはり久作と龍之介の逃走中に猫を巻き込んでしまい、重症を負わせてしまう。猫の脳であれば現状でも収まるということから、NK-1124に組み込まれることになった。
ところがのちに晶子が久作に無断で勝手に軍事転用技術(兵装および兵器運用データ)をブチ込んでいた事が発覚。これがシステムを圧迫させヌクヌク(頭脳)自身は「休眠状態」に追いやられる。後に久作によって兵器データは封印されシステムは無事に稼働を開始するが、龍之介によって首輪型の「データ解放ポート」が装備される。そして龍之介による鈴型メモリー「バトルモードデータ」を装備する事によって戦闘モードへと移行できるようになった。
『新~』はTV版の放映に合わせて、番宣を兼ねて連載が開始された。しかし、後述のTV版よりも、旧原作・旧OVA版に近い内容になっている。ただヌクヌクが正常に起動する前、実質的に龍之介が主人公のストーリーが描かれ、やっとヌクヌクが正常稼働し始めたあたりで、高田裕三が精神疾患により複数の連載作品を抱えることが難しくなり、長期連載中の『3×3EYES』を優先するため休載扱い、そのまま事実上打ち切りとなったことから、やはりヌクヌクの人間関係などはほとんど描かれないまま終わった。
TV版
ヌクヌクは女子高生なのだが、クラスメイトにヌクヌクに負けず劣らず……というかヌクヌクをぶっちぎってアクの強い連中がそろっており、毎回そのキャラがエンカウントするという内容のため、ヌクヌクの行動が受動的になることが多くなってしまった。
さらに旧OVA版に輪をかけてアホの子になり、ついでにメシマズとなる。
ヌクヌクが元々猫だったことは、毎回アバンパートでヌクヌク(林原めぐみ)のナレーションで解説されるのだが、その経緯は不明。
旧OVA版とのデザイン上の明らかな差異は、普段後ろ髪に隠れているアンテナユニットの形状。
↑旧OVA版準拠。白い縁のついた黄色いカバーのプレートタイプ。
↑TV版準拠。シルバー基調で、やや小さくシャープな形状に変更されている。
樋口温子(DASH!版)
新OVA版(万能文化猫娘DASH!)での温子(ヌクヌク)は「樋口温子」という名で、久作の旧友であった樋口博士(三島重工所属)によって作られた戦闘用アンドロイド(兵器)という設定になっている。(ある意味で旧OVAの世界線における久作が「あえて作らなかったヌクヌク」とでも言うべきか)
しかし科学者としての良心に苛まれた樋口博士によって三島重工から逃がされ久作に託された。(この時に樋口博士は三島重工に「始末」された可能性が示唆されている)
最優先プログラムとして「すべての命あるものを守れ」(生命保護の原則)がインストールされており、近くの生命体に危機が迫ると、その「命の叫び」を感知してバトルモードへと移行する。
「兵器」という出自や、絆を結んだ大事な飼い主を奪われた、という経緯から原作や他のアニメ版の夏目温子(ヌクヌク)とは異なり、冷ややかで怜悧な(最悪、感情の無い)印象を与える場面が多い。
アンドロイドかサイボーグか
『万猫』ファンの間で度々議論になるネタ。
公式上の設定では、いわば猫の脳を生体CPUとして使っているアンドロイド(これも厳密には女性型なので“ガイノイド”)、となっている。
しかし完成した後も元々のパーソナリティーが出てくる場面がある。
- ドラマCD版で、(猫の身体ではないのに)晶子に「三味線にするわよッ!!」と激昂されビビる。
- 旧OVA版で、先行車のリアガラス越しに見える猫に気を取られて自転車で事故る。
- TV版で、悪戦苦闘しながらバレンタインの手作りチョコを作るが、渡したい相手が猫だった。
この為ヌクヌクは「あくまで元々のパーソナリティーに基づいて行動するサイボーグに分類されるのでは?」という意見が一定数存在する。
ちなみに人間として生活するため補助演算ユニットが搭載されていて、これのお陰で普段は並の人間以上の学力・知力を発揮できるが、これのプロセッサが劣化すると能力が落ち、しまいにはレトロギャグを飛ばすまでにボケてしまう。
旧OVA版の企画段階では、人の姿で活動することに猫の脳が堪えられなくなっていき、最終的に猫の姿に戻る、というシナリオだったとのこと。しかし一旦3話で打ち切られた時に、このシナリオは破棄された。