ファミリーレストランとは、飲食店の形式の一つである。
概要
ファミリー(家族)と付くように、一般的な中流家庭を主な客層として想定したレストラン。一般的な略称としてファミレスと呼ばれる。
安価で豊富なメニューを売りとし、いわゆる格式張った老舗レストランとはちがう、居心地の良い気軽な雰囲気を演出している。また、旧来の大衆食堂に対して洋食に強い。
明確な定義は存在しないが、
- チェーン展開している
- メニューは500〜2000円前後
- 客席は80席以上
- メニューの完成・配膳に要する時間が3分以上(これより短い場合はファストフード)
- 豊富なメニューを持つ(「ハンバーガー」や「そば・うどん」など特定のジャンルに特化していない)
といった店を指すことが多い。
傾向
ファミレスの多くは、セントラルキッチンと呼ばれる食品生産工場で各種メニューの大まかな調理や下処理を終わらせ、それを冷蔵・冷凍して各店舗に発送し、それを現場である店舗で温めなおしたり盛り付けたりして供する。そのため、主要メニューは冷凍加工しやすいハンバーグやステーキといった洋食や肉料理のメニューに偏る傾向にあった。特に冷凍技術が未熟な時代は本格的なレストランに比べると味で差を付けられてしまう部分があり、美味しんぼではかなり否定的な描き方をされていた。
昨今では冷凍技術の進歩もあり、安価で自家製に見劣りしないメニューを提供できるようになった。かつてのファミレスの対象客は「ファミリー」層であったが、現在は高齢者、単身者、ビジネスマンなど多彩な客層のニーズに応じて、カロリー・塩分・アレルギー成分の表示、乳幼児や高齢者向けメニューの充実や洋食での箸の提供などが行われている。テイクアウトに対応した「持ち帰りメニュー」に加え、高齢者などへの「宅食サービス」に力を注いでいる事業者もある。
またデザートの充実と季節限定メニューの開発、ランチ・ディナータイムでのメニューの差別化など、変化に富んだ料理の提供にも力を注いでいる。
そして、昨今のファミレスを語るに欠かせないものにドリンクバーがある。
これにより、客へのドリンクサービスに割く時間を軽減しつつ、客自身が自由に飲み物を選べるという満足感を刺激することに成功しており、多くのファミレスが導入している。
しかし同時に、俗に言う「ドリンクバー飲み」も登場するようになり、客席の回転率の低下を招いている一面もある。
学生客は一つのターゲットであると同時に店の回転効率の敵ともなっており、集団でドリンクバーとポテトだけを頼んで数時間に渡って騒ぐ団体客もいるため、あまり好意的には見られない傾向にある。
勉強や事務で使う人も多いが、大声を出すグループ客が多いので騒音には覚悟しなければならない。
ファミレスのレジ前には玩具や菓子を販売するコーナーがあるが魅力に一役買っているが、近年は地域によってはあまり見られない。
ファミレス業界は女性社会であり、男性の非正規社員は比較的少ない傾向にある。中には「とんでん」のように社員を除けば殆どの従業員が女性というチェーン店も存在する(男性の非正規社員がダメというルールはないが)。
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