概要
千葉県市川市発祥の、イタリア料理のファミリーレストラン。
特徴は、なんといってもその安さ。全品頼んでも、約3万円前後と、ファミレスの中でも価格設定が安い。学生には嬉しいお値段設定である。
2013年春から実施されている日替わりランチ(ライス大盛り無料,お替り自由のスープ付き。ランチドリンクバーも100円)も1コイン(税込500円)で食べられることからもお分かりになるだろう。2019年の消費税増税の際にも据え置かれたグラスワイン100円(税込)は語り草。
また、ランチ税込500円設定は2014年4月1日から施行された消費税8%への引き上げの際にも変わらなかったのには驚きである。
しかし、大盛り無料のサービスは廃止(大盛り+30円、小盛り-30円に変更)、ランチドリンクバーは108円(税込み)になった。
2013年11月にはガストに続いて1000店舗を達成。業界第2位の規模となっている。
ただし、出店地域は割と偏っており、首都圏・中京・近畿と北陸地方、札幌市、福岡市に集中。2010年代後半から地方出店を進める以前は北海道の道央以外、北東北、山陰、四国地方、福岡県以外の九州、沖縄県には全く出店していなかった。本州の全都府県へ出店を果たしたのは青森県に初出店した2023年5月である。
また、関東圏でも、たとえば栃木県などには出店数が少なく、関東の住民ながらサイゼリヤを一度も利用したことのない人も少なくない。
九州進出も2010年と割と遅く、北海道に至っては1992年から20年間新札幌駅ビル内の1店舗だけだった。
実は深夜営業をしていた時期があったため、水商売とヤクザの関係者が利用したこともあった。だがそれが災いしてヤクザ同士の喧嘩が起き、一人のヤクザが石油ストーブを投げ込んだせいで全焼してしまった。正垣氏は一時は店を畳もうと考えた事もあったが、母からの言葉で店を再び開店した、という逸話がある。
真面目な話
サイゼリアと間違えられる場合がある。サイゼリヤとは、創業日7月7日の誕生花であるクチナシの花をイタリア古語で呼んだ名とのこと。創業は1973年で、現在の本社は埼玉県吉川市にある。
ただし、創業者の出身校(東京理科大学)の出版局が出している「東京理科大ユニーク人物列伝」には、父親を(自分がやる事を黙って)「飲食店をやりたがってる人が居るので出資しないか?」と騙して金を出させ「サイザリヤ」というフルーツパーラーを店ごと買い取ったという話も載っている。
後者の話が正しい場合は「たまたま設備ごと買い取った店の名前だと云う以外、名前の由来は不明」という事になる。
徹底した合理化を図ったオペレーションに定評がある。例えばキッチンに包丁が無い。自社工場で完成前のメニューを作っており、注文がある度に各店舗のキッチンで仕上げ調理する(例えばドリアならコンベア式オーブンに入れるだけ。電子レンジはほとんど使われない)。そのため、基本キッチンには一人しかスタッフはいない。安定した味を確保するために工場からの輸送温度、キッチンで温める温度にまで気を遣う。キッチンの構造は料理以外の作業の効率化も図られていて、通常の飲食店なら毎日数時間の作業となるグリストラップの清掃を、それ自体を新規開発することで10分程度で終わらせている。
ホールについてもトレンチ(おぼん)を持たないのが特徴。これはより多くのメニューを運ぶため。掃除の効率化を図ってモップまで自動で水が出る独自製品を調達する。
水もドリンクバーでのセルフサービス。もちろん水は(炭酸水も含めて!)無料である。
コストが安く良質な素材を得るためには、自社農園で種子から研究した材料も確保する。例えばトマトの樹の高さを半分に抑える品種改良で作業の効率化を図ったとのこと。
下記のように『ジョジョの奇妙な冒険』に登場し話題となった料理が食べられたり、当時は珍しかったローマの魚醤ガルムを使っていたり、やはり当時は珍しいフランスの高級料理エスカルゴが食べられるなど珍しいものが食せる店でもある。
特に創業者の正垣泰彦氏は2011年の経済誌の取材中の雑談において、「グラッパ」と呼ばれるイタリアの蒸留酒に至っては、コスパ良好を通り越して赤字メニューだと答えた(参考)。
余談
以前、テレビ朝日系列の人気バラエティー番組「いきなり!黄金伝説」でオードリーが全メニュー制覇という伝説に挑戦したことがある。
キッズメニューの「間違い探し」はかなりガチで大人が挑戦してもなかなか解けない事に定評がある。
pixivユーザーにはそれなりにいるであろうコミックマーケット参加者の方は青海店にお世話になった方もいるのではないだろうか。
他の有名なファミリーレストランに比べるとクレジットカードや電子マネー、PayPayをはじめとする決済アプリ等のキャッシュレスには対応せず、支払いは現金払いのみという状況が長らく続いていた(まったくなかったわけではなく、駅ビルの中の店では早い段階から交通系マネーが使える例もあった)。2020年よりCOVID-19流行による接触回避などの目的でようやく本格導入が始まり、2021年には全店舗がクレジットカードか交通系ICカードの少なくとも一方での決済ができるようになった。
コロナ禍の影響から、昨今のファミリーレストラン等のチェーン店がタブレットを使った最先端の注文が主流になった中、サイゼリヤは2020年7月からペンを使って専用の紙にメニュー番号を記入するという時代を逆行する超アナログスタイルを取っている。
恐らく、タブレットを導入すれば維持費等が増えてしまい、それに伴う値上げによって料理を安価に提供する事が出来なくなってしまうからだと思われる。
また、タブレットの注文は若者世代はともかく老人世代がタブレットの操作が出来ない場合もある。
また、その安さから「デートスポットとしてサイゼはどうなのか?」という議論も巻き起こった。詳しくはサイゼで喜ぶ彼女を参照。
まあここだったらそういうこともないと思うが・・・。
関連タグ
ジョジョの奇妙な冒険 - 「イカスミスパゲティ」「モッツァレラチーズとトマトのサラダ」など、作中に登場した料理が幾つか食べられる。