「名乗れよガキ、戦の作法も知らねえか」
概要
身長:182cm 体重:73kg 血液型:AB 階級:中尉
序列 | 第四位 | ルーン | 茨棘 |
---|---|---|---|
魔名 | 串刺し公 | 大アルカナ | 戦車 |
生年月日 | 1917年7月10日 | 占星術 | 巨蟹宮 |
位階 | 創造 | 発現 | 覇道型 |
聖遺物 | 闇の賜物 | 武装形態 | 人器融合型 |
※親しい人物・嫌いな人物は筆者の推定
聖槍十三騎士団・黒円卓第四位。
元々は悪名高き「第36SS武装擲弾兵師団(ディルレヴァンガー)」に所属していた中尉。
魔名は「串刺し公(カズィクル・ベイ)」。
作中では主に「ベイ(中尉)」と呼ばれ、ファンからは「ベイ」または「チンピラ」と呼ばれる事が多い。
Twitterには不定期に稼働する公式のキャラアカウントも存在する。
テーマ曲は、吸血鬼を連想させる「Rozen Vamp」。
根っからの戦闘狂であり、残虐性でいうなら黒円卓の中でも上位に位置する危険人物。貧困街で生き延びるために培ってきた経験がそのまま戦闘技術として生かされており、さながら野生の獣のようだと評されている。
故に他の団員からはあまり芳しい目で見られてはいないものの、本人は黒円卓を家、団員を家族と呼ぶ(ただし、櫻井螢は除く)など黒円卓への愛着と忠誠心はかなり強い。また、重度の人種差別主義者であるため、ドイツ人以外の人間はみな劣等であるとしており、日本人を猿呼ばわりする。
過激なセリフ回しや中の人の熱演もあって非常に印象に残りやすい人物である。
なお、意外にも主人公の藤井蓮とは個別ルート内で戦闘する事が殆どなく、むしろ遊佐司狼との因縁がかなり目立つ(シナリオライターの正田崇によると、成長した蓮と戦わせたら確実に噛ませになってしまうからとの事)。
ちなみに、自身は全く運が無いため、好きな人のタイプは運が良い人。
カール・クラフトからは魔名と共に「望んだ相手を逃し続ける」という呪いを授かっている。
2016年春に発売予定の外伝「Dies irae ~Interview with Kaziklu Bey~」では、主役に抜擢されている。
同作によると、ベイの初恋の人はクラウディア・イェルザレム。
来歴
生まれつきアルビノである為、黒円卓に入って人間をやめる以前から日光を嫌っており、昼間は滅多に姿を現さない。
この出自が「畜生腹」として先の純血主義など彼の人格に大きな影響を与えており、『自分の血が汚れているなら取り替えればいい』という考えから自傷癖とも言えるほどに自分の血を流す事を躊躇わない。成長した彼は『始まりを終わらせなければ新しい自分になれない』として父母を殺害し、自宅に火をつけ、それ以後は暴力で夜の街を生き抜いていく。
その後、1939年12月24日に自分と似通った容姿であるシュライバーと出くわし、殺し合いに発展。
途中からはエレオノーレとベアトリスの乱入もあり、ベアトリスの相手をする事になる。辺りは混乱の様相を呈していたが、そこへ現れたラインハルトとカール・クラフトの介入により中断。
ラインハルトの圧倒的な力の前に屈服し、彼自ら「魂を売る」「俺はあの人の牙」と言い切るほどの絶対の忠誠を誓う事になった。
その為、他の現世組の団員と違って、ラインハルトへの忠誠心のみが騎士団に参加する理由である。
上述の呪いの通り、作中では望んだ相手と決着を着ける前にほぼ必ず横槍が入ってしまう。
故に、彼の行動の指針はいかにカール・クラフトの呪いを超越するかにある。
なお、彼が最初に逃してしまった相手は、ベアトリスやラインハルトに横槍を入れられてしまった為に決着が着かなかったシュライバーであり、彼とは並々ならぬ因縁がある。
能力
聖遺物は人器融合型の「闇の賜物(クリフォト・バチカル)」。
位階は創造。
ヴラド・ツェペシュ公の血が結晶化したものでヴィルヘルムの血液と融合している。活動時は不可視の杭を飛ばす。
身体は鋼よりも強靭で、活動位階の蓮が殴ろうが蹴ろうが手足の方が砕き折れた。
素手で舗装された地面を砕き、大樹をへし折り、鉄柵すら削り飛ばす。活動位階における本気の一撃は、大型車両の突進に等しい威力。
ワルシャワ蜂起戦では、倒壊した建物のバスくらいの大きさの瓦礫をパンチ一発で、木っ端微塵にして何十メートルも吹っ飛ばしている。
反応速度は、発砲されたデザートイーグルの弾丸のことごとくを素手で掴み取る程。
形成時は血液にも似た赤黒い色の杭を全身から発生させる。
この杭は絨毯爆撃に匹敵する威力があり、突き刺した対象の魂や血を吸収し聖遺物の所有者に還元する効力を持っている。
視認可能となるほどに顕在化した形成時の杭は単純な威力上昇だけでなく、因果の域にまで影響を与えるため、余程の幸運でもない限り一発たりとて回避できない。遠距離においては杭を射出することで、近距離においては拳に杭を発生させたり体から杭を攻防一体の槍襖として突き出したり、さらには足裏から杭を突き出して歩幅を上げての移動力強化など、幅広い活用をしている。
聖遺物の核たる彼の精神世界には、姉であり母であるヘルガ・エーレンブルグが存在している(本人の魂ではなく、ヴィルヘルムの記憶の中の彼女が具現化したもの)。
その為、聖遺物との同調率はラインハルト・ハイドリヒやマキナに次ぐ好相性。
創造は覇道型の「死森の薔薇騎士(ローゼン・カヴァリエ・シュヴァルツヴァルド)」。
「夜に無敵になる吸血鬼になりたい」 という渇望を具現化した他者の精気を吸い取る夜の結界を展開し、自らを真の吸血鬼と化す。発動すると周囲一帯が覇道の領域に取り込まれ、たとえ昼時間帯であっても強制的に夜へと変わる。もっとも、夜時間帯に重ねがけした方が効力は格段に上がる。
黒円卓の中でも唯一、求道型の気質も有した覇道型の創造である。
夜の結界に居る人間は全て例外なく生命力をはじめとした力を吸い取られ、奪った力の分、自らは強化されていく。
吸性を抜きにしても吸血鬼となった事で能力が大幅に強化され、螢ルートの学校戦では拳の一撃で爆撃に等しい破壊力を出している。
その他、結界内のあらゆる場所から万本を超える杭を発生させる能力、結界内を自由に潜航する能力を得る。
連続して放たれる杭はバルカン砲にも匹敵する速度。音速を超えるバイルバンガーの連撃は、教会の屋根を瞬時に剣山の様相に変え、もはや絨毯爆撃と言って構わない。
敵の弱化と自分の強化を超効率で行い、攻撃の死角がなくなり、時間が経てば経つほど有利になっていくという凄まじい性能を誇る。
イカベイのワルシャワ蜂起戦では、半径500mの街を薔薇の夜に取り込んで壊滅させている。
しかし、その代償として吸血鬼の一般的な弱点(火、十字架など)まで受け入れてしまっているので、実は一般人でも(非常に高難度だが)倒す事ができる。
また、複数の聖遺物の使い手が結界内に存在すると消化不良を起こし、許容量を越えると結界が瓦解してしまう(大隊長クラスが複数入ると確実に崩壊する)。
能力の性質上、世界ごと一瞬で燃やしてくるザミエルや吸血鬼を腐らせてしまう戒は天敵。
炎を扱う螢とも相性は悪いが単純に地力が違うので、隙を突かれたり、横槍が入らなければ負ける事はない。
ちなみに下記の詠唱は最も長いものである。
流石に長すぎたと判断されたのか、完全版から追加された螢ルート及び玲愛ルートでは何行か省略された短縮形の詠唱が用いられている。
続編に至っては「恋人よ枯れ落ちろ 死骸を晒せ」だけの非常に短いものとなっている。
詠唱
かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか
Wo war ich schon einmal und war so selig
あなたは素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない
Wie du warst! Wie du bist! Das weis niemand, das ahnt keiner!
幼い私は まだあなたを知らなかった
Ich war ein Bub', da hab' ich die noch nicht gekannt.
いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう
Wer bin denn ich? Wie komm'denn ich zu ihr? Wie kommt denn sie zu mir?
もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい
War' ich kein Mann, die Sinne mochten mir vergeh'n.
何よりも幸福なこの瞬間――私は死しても 決して忘れはしないだろうから
Das ist ein seliger Augenblick, den will ich nie vergessen bis an meinen Tod.
ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ
Sophie, Welken Sie
死骸を晒せ
Show a Corpse
何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げたい
Es ist was kommen und ist was g'schehn, Ich mocht Sie fragen
本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか
Darf's denn sein? Ich mocht' sie fragen: warum zittert was in mir?
恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう
Sophie, und seh' nur dich und spur' nur dich
私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから
Sophie, und weis von nichts als nur: dich hab' ich lieb
ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ
Sophie, Welken Sie
創造
Briah―
死森の薔薇騎士
Der Rosenkavalier Schwarzwald
(螢ルート及び玲愛ルートでの短縮版)
かつて何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか
Wo war ich schon einmal und war so selig
幼い私は まだあなたを知らなかった
Ich war ein Bub', da hab' ich die noch nicht gekannt.
いったい私は誰なのだろう いったいどうして 私はあなたの許に来たのだろう
Wer bin denn ich? Wie komm'denn ich zu ihr? Wie kommt denn sie zu mir?
ゆえに恋人よ 枯れ落ちろ
Sophie, Welken Sie
死骸を晒せ
Show a Corpse
創造
Briah―
死森の薔薇騎士
Der Rosenkavalier Schwarzwald
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本編での活躍
大隊長であるウォルフガング・シュライバーとはあらゆる面で被る上に、「白騎士(アルベド)」の称号を奪われたと考えている事から嫌悪している。その因縁を晴らす為に玲愛ルートでは両名が激突する事になった。そのバトルはDiesiraeの戦闘シーンの中でも屈指の人気を誇る。
また、同ルートではベイがとある人物を殺してしまった事で、ヴァレリアの目論見を完全に潰えさせてしまう。その結果、ヴァレリアを「逃げずに立ち向かわせる」事となり、玲愛ルートがマリィルートと異なる展開を見せる要因となった。
香純・螢・マリィの各ルートではいずれも不憫かつ不満足な最後を迎えてしまうので、彼の真骨頂はやはり玲愛ルートからである。
※意外と仲の良い二人である
外伝での活躍
外伝「Dies irae ~Interview with Kaziklu Bey~」では主役を務める。
本編に比べてやや丸い性格をしている(ラインハルトが現世に健在な事や後述の理由による)。
自身の魂の貯蔵量の限界を悟り、行き詰まりを感じていたヴィルヘルムは魂の質に着目する。
先天的に決まっている貯蔵量は変えられなくとも、後天的な燃料を置き換える事は容易に可能だと考えたのだ(ちなみに、この魂の質云々は本編における蓮とマリィの関係に繋がっている)。
とはいえ、ヴィルヘルムとマッチした上質な魂などそうそう見つかりはしなかった。
しかし、1944年のワルシャワでヴィルヘルムはクラウディア・イェルザレムと運命的な出会いをする。
この偶然助けた少女が上質な魂を持つ存在であると直感的に感じ取ったヴィルヘルムは、どうにかして最高の状態で彼女を喰らおうと画策するのだった。
(マリィルートにて司狼と戦うヴィルヘルムが
「あれはよぉ、いつだったかな……ワルシャワの火は綺麗だったぜ。思えばアレが、俺にとっちゃ初めての……」
と語った場面がようやく回収された形となる)
最終的に、恋敵であるルートヴィヒと殴り合い、ついには末期状態のクラウディアとイチャついて終わりかと思いきや……
以下ネタバレ
他作品での活躍
本作と世界観を共有する神咒神威神楽にはよく似たそっくりさんが登場する。
実質、主役級のキャラに格上げであり、アレンジ版のテーマ曲まで手にしている。
ちなみに、兄様が解脱によって第六天への切り札になれた理由はどうやらクラウディアによるもののようだ。