「あらゆる悪も、あらゆる罪も、あらゆる鎖も我らを縛れず、あらゆる禁忌に意味はない」
概要
身長:192cm 体重:77kg 血液型:A型 階級:首領代行
序列 | 第三位 | ルーン | 保護 |
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魔名 | 神を運ぶ者 | 大アルカナ | 恋人 |
生年月日 | 1910年6月4日 | 占星術 | 双児宮 |
位階 | 創造 | 発現 | 求道型 |
聖遺物 | 黄金聖餐杯 | 武装形態 | 特殊発現型 |
親しい人物 :リザ。
聖槍十三騎士団・黒円卓第三位・首領代行。
魔名は「神を運ぶ者(クリストフ・ローエングリーン)」。
殆どのキャラからは「クリストフ」または「聖餐杯(猊下)」、リザ・ブレンナーからは「ヴァレリア」、藤井蓮からは「神父」と呼ばれる。
表向きにはリザ、玲愛と共に生活している諏訪原市の教会の神父。
「一緒にお風呂」発言などをはじめ、玲愛に大して異様に過保護だが、それだけ玲愛を愛しているという事でもある。なお、周囲に強気な女性が多いせいか、漫才適性が高い。
普段はドジで頼りない優男を演じているものの、その本性は極めて冷酷かつ狡猾。首領代行という指揮官の立場である為に表舞台には立たず、裏側で敵味方を問わず利用し、自らの思うように事を進める策士である。
ちなみに頭良い4人組の内の1人である(他はシュピーネ、司狼、戒)。
カール・クラフトからは魔名に加えて「近しい者から死んでいく」という呪いを授けられた他、「邪なる聖者」という渾名も付けられてしまった。
以下ネタバレ
正体
(本来の体での身長:181cm 体重:66kg)
元は東方聖教会の司祭であり、本名はヴァレリアン・トリファ。
作中の姿は、聖遺物であるラインハルトの体に自身の魂が憑依している状態。彼の本来の姿は茶髪で痩せこけた老け顔の青年であり、ラインハルトの城に囚われている。
他作品で言うところのアレである。作中でもそれを意識したと思われる発言をしている。
テーマ曲は、どこか物悲しさのある教会音楽風の「"Lohengrin"」
目的
「石がラジオに、人が本に見える」というほどに強力な霊的感応能力を持っていたために他者と真に理解し合うことができず、そんな中でラインハルトとメルクリウスに見出され、彼らならば自分を救済してくれるかもしれないと考えて騎士団に入団する。しかし、双首領の恐ろしさはヴァレリアの想像を遥かに超えており、恐怖した彼は騎士団から逃げ出してしまった。
そして、孤児院を作って子供達と静かに暮らしていたが、数ヵ月後には発見されてしまい、逃げた代償としてラインハルトから「生贄に捧げる孤児10人を選べ」と命じられる。彼は言われるまま当時劣等と蔑まれていた人種10人を選び、子供達はシュライバーによって目の前で惨殺されてしまい、彼自身も騎士団に連れ戻されてしまう。
これをきっかけにして、ラインハルトへの生贄として「城」の一部になってしまった子供達を救うべく騎士団に参加する。
時系列的にはDies irae~Interview with Kaziklu Bey~とほぼ同時期の出来事となる。その為、作中での出番は非常に少なくなっている。
ヴァレリアはラインハルトの黄金練成の何たるかについて熟知しており、現世組の中で黄金練成が行われれば「一切合財全てがラインハルトの地獄(グラズヘイム)に堕ちる」という形で不死練成と死者蘇生が叶えられる事を物語開始当初から知っている2人の人物の1人である(もう一人はシュピーネ)。
もちろんヴァレリアはラインハルトを復活させる気など毛頭ない。
もう1人のゾーネンキントであったヨハンの血脈であり、不完全なゾーネンキントである綾瀬香純を用いることで黄金練成を意図的に不完全な形に留める事、そして、ヴァレリアが氷室玲愛を愛するのは肉体が原因ではないと証明するのが彼の狙いである。
不完全な黄金錬成ならば部分的な死者蘇生という結果のみを得る事ができ、さらにそのために生贄にした人物を蘇生させる為にさらなる生贄を捧げる事を繰り返すというのが神父の目的、すなわち『邪なる聖道』である。
その思考は一見すると最もまともなようでいて、その実最も狂っている。その異常性は狂犬と称されるシュライバーですら認めるほどである。
なお、首領代行という肩書き通り、ゲーム的な立場は中ボス。
一応、とあるルートではラスボスとなるが、他のルートでは彼の後に登場するラインハルトに全てを持っていかれてしまうという悲しい立場にある。
基本的にどのルートも綾瀬香純の確保を目的に動いているが、玲愛ルートでは敢えて傍観した為に、何も知らないヴィルヘルムによってゲーム中盤というかなり早い段階で計画が頓挫させられてしまった。
その結果、ヴァレリアは愛する娘の為に逃げずに戦う事を決意し…。
能力
聖遺物は特殊発現型の「黄金聖餐杯(ハイリヒ・エオロー)」。
位階は「創造」。
メルクリウスによって術式を施されたラインハルトの肉体そのものであり、常時形成状態にある聖遺物。
ヴァレリアは首領代行の任を命ぜられている間は、このラインハルトの肉体に自身の魂を憑依させて自由に操る事ができる。
数百万の魂を持つラインハルトの肉体。
メルクリウスの術式(対物理・対魔術・対時間・対偶然とあらゆる防壁を施されている)。
この二つが合わさっているため、凄まじい防御力を誇る。
ヴァレリアの名言「聖餐杯は壊れない」はこの規格外の堅さを象徴した言葉である。
創造位階の攻撃では傷一つ付かないほどの破格の防御性能であり、大隊長でもエレオノーレとシュライバーでは正面からヴァレリアを打倒するのは不可能。
ヴァレリアを打倒もしくは傷を付ける方法は主に4つ。
①単純に無敵の鎧(数百万の総軍)を超える攻撃。
②防御力を無視できるマキナの幕引きの一撃。
③後述の創造の隙を突く。
④自傷。
正田氏曰く、①が可能なのは双首領と終曲以上の蓮くらいのもの。
また、ラインハルト自身や彼の一部である三騎士なら肉体の指揮権を剥奪することが可能。
防御力に長けている反面、攻撃面は非常に弱く、必殺性の低い徒手空拳で戦うしかない。戦闘技術は櫻井螢以上ヴィルヘルム以下とかなり微妙な位置。
基本的に相手へ致命傷を与える攻撃は、自身にもリスクのある創造に頼らなければならない。
余談だが、作中の序盤にヴァレリアはゴミ箱に頭から突っ込んでいた。実はラインハルトの身体でゴミ箱に頭から突っ込んでいたと考えると、どこか微笑ましく思えてくる。
創造は求道型の「神世界へ翔けよ黄金化する白鳥の騎士(ヴァナヘイム・ゴルデネ・シュヴァーン・ローエングリーン)」。
「自らの知る最高の器であるラインハルトになりたい」 というヴァレリアの渇望を具現したもので、ラインハルトの聖遺物である「聖約・運命の神槍(ロンギヌスランゼ・テスタメント)」を限定的に召喚する。
攻撃方法はあくまで聖槍を矢のように射出するだけであるが、その威力は双首領を除くすべての団員を一撃で葬れるほどの強力さである。
香純ルートの教会戦によると、必中必殺の効果がある。
しかし、この創造を使用している間は防御を全て攻撃に回すので、この一瞬だけ常人程度の防御力になる。
また、ラインハルトへの狂信が原動力であるため、その信念が少しでも揺らいでしまうと必中必殺ではなくなってしまう。
劇中ではこの技を出したせいで敗北する展開が多く、ファンからは死亡フラグ呼ばわりされている。
詠唱
親愛なる白鳥よ
Mein lieber Schwan,
この角笛とこの剣と指輪を彼に与えたまえ
dies horn, dies Schwert, den Ring sollst du ihm geben.
この角笛は危険に際して救いをもたらし
Dies Horn soll in Gefahr ihm Hilfe schenken,
この剣は恐怖の修羅場で勝利を与えるものなれど
in wildem Kampf dies Schwert ihm Sieg verleiht
この指輪はかつておまえを恥辱と苦しみから救い出した
doch bei dem Ringe soll er mein gedenken,
この私のことをゴットフリートが偲ぶよすがとなればいい
der einst auch dich aus Schmach und Not befreit!
創造
Briah―
神世界へ 翔けよ黄金化する白鳥の騎士
Vanaheimr――Goldene Schwan Lohengrin
以下さらなるネタバレ
他作品での活躍
マリィルートのifの続編である神咒神威神楽には他の団員の面々は何かしらの形で登場しているのだが、何故か彼だけ登場していない・・・
と思いきや、実は序盤の淡海で東征軍の前に現れる海坊主こと、淡海の天魔が彼の転生体である。
彼も天魔・夜刀の新生に必要な天魔の一柱なのだが、いかんせん彼との関わりが薄かったせいで他の夜都賀波岐よりも軍勢変生で与えられた力が弱い上に、彼の要であった聖餐杯がないのもあって、摩多羅夜行の計都・天墜で容易く滅却されてしまった。
なお、淡海で東征軍の面々の前に現れた岩の巨腕は、ヴァレリアの愛した子供達である。その子供達が壬生宗次郎や玖錠紫織らに次々と倒されていくのを彼は見逃す事ができなかった。かつてはシュライバーに子供達を殺させるのを黙認してしまった、すなわち「逃げてしまった」神父だったが、今の彼はあの時とは違う。
ヴァレリア・トリファは決死の覚悟で「立ち向かう」事を選んだのである。
CS版の曙之光で追加された外伝「最後之修羅」によると、彼は輪廻転生の中で自我の確立に成功し、巡礼者たる彼にとって救いとなった。しかし、波旬との戦いで黄金から召集されたことにより、輪廻の中で培った新たな価値観を喪失した挙句、黄金が消えたことで無力に等しい存在になってしまった。
前作よりも圧倒的に出番は少なくなってしまったものの、分かりづらい形ではあるがしっかり活躍しているのである。
※BGMは前作のもの