概要
穢土に君臨する大天魔・夜都賀波岐の一柱にしてその主柱。
その圧倒的な力は他の夜都賀波岐とは比較にならず、まるで単一の宇宙のような存在。
夜刀という名称はあくまで西側が便宜的につけたものであり彼の本来の名ではない。
元ネタは夜刀神。
『常陸国風土記』に登場する日本の蛇神である。
その姿を見た者は一族もろとも滅んでしまうと伝えられていた。
以下特大ネタバレ
正体
その正体は、前作「Diesirae」における主人公、藤井蓮とロートス・ライヒハートが高次元で融合した存在。
邪神第六天波旬から黄昏の女神を守る為に戦い、力及ばずに敗北した黄昏の守護者で、その残骸である。
女神の死によって「ありとあらゆる生命が滅びて波旬一人だけになる」大欲界天狗道が流れ出したが、愛する女神の祈りを信じる夜刀は「次代への可能性を絶やさない」為に自ら邪神の理として封じていた太極(流出)を使用する。
穢土全域(日本の東半分。波旬からすれば極小すぎてわからない程度)を奪い取り、自らの世界法則を流れ出すことで拮抗し続けていた。
神咒神威神楽の世界で生命が存在し続けられていたのは、この夜刀が大欲界天狗道を抑え続けていたからである。
ようは次代に「波旬の理の危険性」「主役を気取る事」「覇道神の責任」を教えて、邪神である自らは消え去り、彼ら自身に第六天波旬を打倒して新たな神になってもらうのが夜刀の目的である。
その目的や生き様から、主人公だった時よりも存在感が半端なく、本来の主人公である覇吐を喰ってしまってたりする。
なお、恋人だった女神の死から最も西側を憎悪しているのは夜刀だが、一方で覇吐や竜胆ら東征軍の面々に最も態度が柔らかいのは大嶽とこの夜刀だったりする。
能力
悠久の時を経てその能力値は極まっており、第六天波旬を除く歴代の神格の中で最強の存在。
常世の無間衆合地獄で新生し、最盛期の力を発揮する。
覇道神の強さを決める要素は二つあり、一つは周囲を染め上げる渇望力の強さ、すなわち本人の格と、もう一つがそれによって得た魂の質と量である。
つまり一般的な覇道神の強さはどれだけの魂を保有しているか(例外は求道型の覇道神という異質な存在の波旬)で決まるのだが、夜刀はなんと本人の渇望力のみで、波旬を除く歴代神格全てを凌駕しているという、最早チートの領域の凄まじい力量を誇っている。
なお、後述の守りに特化した夜刀が己の土俵を捨て、決死の特攻を仕掛けるが(天狗道により黄昏がひしゃげつつあった為、早々に決着をつける必要があった)波旬には「小石を払う程度の一撃」で敗北している。
『太極・無間大紅蓮地獄(たいきょく・むげんだいぐれんじごく)』。
「愛しい人と過ごす刹那を永遠に味わいたい」というかつての彼の渇望を具現化した夜刀の理で、自分が認める人物以外の時間を永遠に止める能力。
一度流れ出せば人や動物はおろか、星の運行すら停止させるという恐るべき地獄が生まれてしまう。
凍結した時の中で動ける者、自身が守りたい刹那(愛しい者)は擬似神格としてしまい、夜刀が神座を握ってしまった場合、その世界では新たな生命が生まれ出でる確率は極めて低く、更にそこから新たな覇道神が生まれる確率は天文学的数字になる。
覇道神の持つべき責任を「次代に繋がる魂の連続性を絶やさない事」「歴史の重なりを理解し、絶やさない事」と女神の思想を基に説く夜刀は、自身が神座に至ってしまう事は彼女への裏切りになると思っている。
「覇道」という全宇宙を統率し率いるという意味を誰よりも理解しているが故に、上述の己の渇望はそれを絶ってしまう物である為、素晴らしいものだとは思えず、むしろ邪神の理だと考えている。
それでも第六天波旬よりはまだマシである為、坂上覇吐が不甲斐無いようなら神座を取りに行く予定だった(覇吐を盾にしながら戦えば、僅かに勝算があるらしい)。
なお、夜刀の理は人の視点から見れば外敵を停止させ、排除するという攻撃的な能力だが、本人及び世界からすればその真逆である。渇望の根源にある「愛しい人を守りたい」という願い故に、そこで堰き止め、留める事で守り抜くという防御に特化した太極であると言える。
防御特化である彼だからこそ前作の未来~本編までの数千年を耐え抜いたのであり、城や回帰ではとてもではないが波旬の理から持ち堪えられなかった。
軍勢変生
上記の能力からの派生能力。
彼が動いてよいと許可した者たちは時間停止という神の鎧に守られ、非常に強力な存在へと変生する。夜都賀波岐のメンバー達はこの能力により疑似的な太極位(前作で言うところの流出位階)にまで押し上げられている。
余技
かつての創造のような自身の体感時間の加速も健在であり、停止世界内を更に高速移動できる。
また、かつての聖遺物であった罪姫・正義の柱からの強烈な一撃や父の技とよく似た流星を扱う事もできる。
随神相(ずいじんそう/カムナガラ)
蛇の尾を有した蛇神とでも言うべき姿をしており、神州そのものを覆い隠すほどの巨大さを誇り、首の位置は大気圏を突破する。その体から剥がれ落ちた鱗は流星のように地表に向かい、超高速の巨岩の雨として地上を薙ぎ払う。
ちなみに、随神相の見た目の気持ち悪さは常世の芋虫の次くらいらしい。
詠唱
太極
海は幅広く 無限に広がって流れ出すもの 水底の輝きこそが永久不変
永劫たる星の速さと共に 今こそ疾走して駆け抜けよう
どうか聞き届けて欲しい 世界は穏やかに安らげる日々を願っている
自由な民と自由な世界で どうかこの瞬間に言わせてほしい
時よ止まれ 君は誰よりも美しいから――
永遠の君に願う 俺を高みへと導いてくれ
流出(アティルト)
新世界へ語れ超越の物語(レースノウァエ・アルゾ・シュプラーハ・ツァラトゥストラ)
随神相・轟哮
血 血 血 血が欲しい
ギロチンに注ごう 飲み物を
ギロチンの渇きを癒すため
欲しいのは 血 血 血
罪姫・正義の柱(マルグリッド・ボワ・ジュスティス)
随神相・流星
Sic itur ad astra(シーク・イートゥル・アド・アストラ)
このようにして星に行く
Sequere naturam(セクレ・ナートゥーラム)
自然に従え