夜都賀波岐

やつかはぎ

夜都賀波岐とは、lightが発売したPCゲーム『神咒神威神楽』に登場する勢力。

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概要

淡海を隔てた日本の東半分、すなわち穢土（えど）に君臨する八柱の天魔。

西の者達からは、東に住まう化外達の首魁とされている。

御門の初代の進言によって行われた三百年前の東征では、総勢二十万を超える東征軍が初戦で壊滅。

極僅かな生き残りが西へ逃げ落ち、情報と歪みを持ち帰った。

八柱の内半数のみが三百年前の東征において姿を現し、最も歪みを撒き散らした祟神として、その咒と理を知られた御伽噺となっている。

腐食の悪路、火雷の母禮、死兵の紅葉。そして海上にて最も多く当時の兵団を蹂躙したという、影を操る奴奈比売。

いずれもほんの僅か力を振るうだけで国一つ滅ぼせる程の神威を持った次元違いの怪物達であり、その人知を絶する力は妖異などという次元ではなく、異界の神々と言った方が正しい。

その全員が西の人間全てに尋常ではない憎悪と殺意を抱いている。

等級は全員が太極であり、各々が自身の本性の化身、随神相（カムナガラ）を持つ。

東征軍では唯一夜行が太極であるが、初伝の夜行は型に嵌っていない赤子同然の無形の太極であり、夜都賀波岐の足元にすら及ばない。

ちなみに、淡海で登場する化外、すなわち海坊主も夜都賀波岐に数えられていないが天魔の一員である。

なお、八柱の名前と「夜都賀波岐（やつかはぎ）」という名称は、三百年前の東征から逃げ帰った者達の情報によって便宜的に名付けられたもので、畏怖に満ちた蔑称とされる。

つまるところ本当の名前ではない。

ヤツカハギ(夜都賀波岐、八束脛、八握脛など)とは、古代日本において大和朝廷に従わなかった土豪の蔑称。

土蜘蛛(都知久母)とも呼ばれる。時代を経て巨大な蜘蛛の妖怪として定着していった。

以下特大ネタバレ

その正体は黄昏の守護者の残骸。

前作の主人公藤井蓮に率いられたDiesiraeの登場人物たちである。

かつて第六天波旬の襲来から黄昏の女神を守る戦いで敗北してしまったDies勢。

その中で特異点から弾き出されて唯一生き残った永遠の刹那は、波旬の法が完成する前に自身も流出を行い、超極小かつ限定的ながらも自分の世界を展開に成功する。

その結果、第六天波旬の作る大欲界天狗道に異物を残し、その完成を防ぐ事に成功した。これが穢土の始まりであり、その主が崇神に貶められた永遠の刹那こと天魔・夜刀である。

それ以来、再び波旬に挑む為に神座までの穴を空ける事、更には波旬を倒せる存在を見つける事を目的に、未来を繋ぐ為に穢土を維持し続けていたのである。

本来なら敗北した三神の眷属の魂は波旬の法に取り込まれるはずだったが、その前に夜刀が魂の残滓の一部を回収していた。

その結果、本来夜刀の眷属でない黄金の獣に連なる者たちも天魔に属している。彼らは夜刀の加護が薄くなる分、ある程度穢土より離れる事ができ、作中で最も穢土を離れたのは御門龍明。

逆に、宿儺や大獄のように夜刀との縁が深いほど自由に動くことは難しくなる。

なお、真に神格たる存在は天魔・夜刀のみで、残りの者たちは夜刀の神威の特性である軍勢変生で神域に押し上げられている偽神、前作で言うところの疑似的な流出位階である。

夜都賀波岐の面々が東征軍を憎悪しているのは、上述の理由で自分たちの世界を波旬に滅ぼされたからであり、その波旬の尖兵である東征軍を憎むのは当然である。

とはいえ、東征軍自体は夜刀の思惑を察して穢土を脱した御門龍明が仕向けた軍勢であり、夜刀からすれば計画通り……なのだが、夜都賀波岐の大半が夜刀を愛するが故に、現在の持続を願って彼の思惑を見て見ぬふりをしてしまっている。

これは夜刀の「停滞」の特性がもたらした弊害であり、彼が自分の性質を邪神の理と述べた最大の問題点である。夜刀の世界では誰もが今を愛しすぎる為に、先に進もうとしないのである。

この問題を打破するのは本来なら「神の否定」や「幕引き」を専門とする宿儺や大獄の仕事だったのだが、皮肉な事に彼らでは夜刀に近すぎて穢土から離れられなかった。

故に、真に愛するなら壊す存在が必要だったのである。