尺
しゃく
東アジアで伝統的に用いられてきた長さの単位のひとつ。
概要
アジア圏で使われる尺貫法における長さの単位のひとつ。10寸に相当。
これが転じてものの長さ一般を表す言葉として使われるようになり、そこから映画のフィルムの長さをさす言葉になり、さらにこの用法から転じて映画や番組等の割当時間のことを指すようになった。
現代では法的な根拠は失われ、公的な取引などに用いられることはないが、日本の建築では尺を基準にして長さを測っていた名残が今でもみられる。
具体的な長さ
基準となる長さは2種類あり、
がある。
- 日本では明治時代に1尺=(10/33)メートル(約303.030 mm)と定義されている。建築用の物差しの名に因んで「曲尺(かねじゃく)」と呼ばれる事も。
- 中国では時代によっていろいろだが、古代は23~24cm、中世から近代にかけては32~36cmほど(時代によって変わる)であった。現代用いられている「市尺」は(1/3)メートルぴったり(およそ33.3cm)と定められている。
- 台湾では日本の曲尺(1尺=(10/33)メートル)が「臺尺(台尺)」「臺灣尺(台湾尺)」の名で取り入れられている。
- これとは別に「公尺」という単位もあるが、これは単なるメートルの訳語である。かつては大陸でも用いられていたものの、現在では音訳の「米」に置き換えられる形で廃れている。
- 韓国・北朝鮮では古来は20cmほどであったが、日本統治時代に日本と同じ長さが導入された。