CV:石森達幸(吹き替え)/ 佐藤せつじ(ホグワーツ・レガシー)
概要
ホグワーツ魔法魔術学校に入学した生徒たちの組み分けを任された、意思が存在する喋る帽子。対象の頭に乗せられると(映画ではロンの場合乗る前から素性に反応していたため、ある程度近づけば十分な可能性もある)どこの寮にするかを一瞬で判断し、その行き先を大声で叫ぶ。
原作ではツギハギだらけでその裂け目が口のように開くと書かれているが、映画では単に古い帽子でシワが顔のようになっている。ゲームなどのメディアミックスでもこの映画版の見た目で登場することが多い。
歴史
元々はホグワーツ創設者の1人であるゴドリック・グリフィンドールが愛用していた普通の帽子だった。
ある日、ホグワーツの4人の創設者達が自分達が死んでから生徒を選別することが難しくなることを憂いていた時に、ゴドリックが自分の被っていた帽子を差し出し死後も問題なく組分けができるよう、創設者達の脳と人格をコピーして帽子に与えたのが始まり。
(そのため、人格にはサラザール・スリザリンのそれも含まれているものの、彼の思想が先鋭化する前だったのでマグルへの偏見はない)
また、開心術に長けており、帽子をかぶった者の頭の中を覗き込んでその能力や性格、思想を見抜くことができる。さらに、帽子をかぶった者が考えていることに反応することさえある。
普段は校長室で厳重に保管されていて、学校に大きな危機が訪れると生徒達の結束を呼びかける。また帽子にはグリフィンドールの銀の剣が召喚できる魔法が組み込まれており、ゴドリックが認めた『真のグリフィンドール生』のみが取り出せるようになっている。
組分けの方式
作中にも誤解している人物は多いが、組み分けにおいての選定の基準は「当人にいかなる素質が備わっているか」ではなく、「当人が何を重んじているか」である。
寛容さを重視する人間が寛容とは限らず、勇気を貴ぶ人間が勇敢であるとは限らない。作中においても、その寮の理想にはそぐわない生徒が所属しているケースがあり、寮内でいざこざが発生することも少なくない.
また組分け帽子は生徒の振り分けで間違いを犯しても、頑としてそれを認めようとしないことで有名。
もっとも全体的に見れば、組分けの役割を担って以来千年もの間、帽子の判断が間違っていたことは驚くほど少なく、その精密さが窺い知れる。
また、必ずしも本人が一番向いている寮でなくても他の寮でやっていけるような適性があれば本人の意思を尊重してくれる。
但し望んだ寮の適性がないと判断されると、いくら頼み込んでも帽子は入寮を許可することはない。さらに妥協や逃避で寮を選ぶ生徒にも帽子は将来性を見込んで一番合う寮への選択を辛抱強く説得する。
逆に生徒が自分に悪影響を及ぼしかねない寮を選んでも、飽くまで当人の意思を尊重する立場である為矯正もしない。悪評のあるスリザリンであっても、全員が必ずしも闇の魔法使いになる訳ではないことを鑑みるに、そこで何を学ぶかも当人に任せるのだろう。
組み分け困難者(ハットストール)
組分けに5分以上かかった新入生を指して、ホグワーツで古くから使われてきた言葉。組分け帽子が考える時間としては、5分というのはずいぶん長く、およそ50年に1回程度しか起こらないめずらしい現象。
ハーマイオニー・グレンジャーとネビル・ロングボトムが、もう少しで組分け困難者になるところだった。ハーマイオニーをレイブンクローに入れるかグリフィンドールに入れるかで、組分け帽子は4分近く悩んでいる。ネビルの場合、組分け帽子は彼をグリフィンドールに入れると決めていたが、ネビルはグリフィンドールが勇敢さで知られる寮だという評判におじけつき、ハッフルパフに入ることを希望。しかし、ハッフルパフ生に必要な忍耐と勤勉さが足りなかったため、両者の静かな争いは結局、組分け帽子の勝ちで決着がついた。
ハリー・ポッターが実際に会ったことのある組分け困難者は、ミネルバ・マクゴナガルとピーター・ペティグリューの2人だけ。
マクゴナガルの組分けのとき、帽子はレイブンクローかグリフィンドールかで悩みつづけ、5分半も結論が出でなかった。
ペティグリューのときは、さんざんスリザリンと迷った揚げ句、結局はグリフィンドールに組分けされる。ひどく頑固なことで知られる組分け帽子は、ペティグリューの組分けが間違いだった可能性を、いまだに認めていない。帽子の主張・考えによれば、ペティグリューの最期がその証拠らしい…
余談
掲示板やTwitterなどでネタにされる際はアズカバンに入れることがある。もはや寮ですらない。もちろん原作ではそんな事はないので、このネタを持ち出す際には注意が必要。
また、このように、個人の行動が理由で組み分けすることもない。