ケーニッヒウルフ
けーにっひうるふ
スペック
概要
ヘリック共和国軍が開発した狼型高速戦闘ゾイドで、サイズは大型ゾイドクラスに相当する。西方大陸に生息するコマンドウルフよりも大型のオオカミ型野生ゾイドがベースとなっている。
高い製造コストのために十分に配備出来ないライガーゼロの代わりとして登場した。ライガーゼロが帝国由来の鹵獲機であるため、純共和国機としては初の完全野生態ゾイドであり、ライガーゼロと同様、野生体本来の生命力・戦闘力を尊重した設計となっている。
武装
ヘッドギア
頭部についている。内蔵されたスコープは、それらの武装と連動して精密射撃や夜間戦闘時において命中率の向上に貢献している。光学迷彩機を捕捉出来るのでステルスキラーとも呼ばれるとか。
2連装マルチディスチャージャー
腰部についている武装であり、コマンドウルフやシャドーフォックスと共通する武装コンセプトを持つ。
煙幕・チャフ・フレアーのほか、『ゾイドインフィニティ』ではプラズマや爆弾などを投射する機能も見られた。
- 「ディスチャージャー」という言葉には、「砲」という意味もあるため、武器としての転用も本編でもあり得なくはないと思われる。
エレクトロンバイトファング
コマンドウルフから引き続きついている電磁牙。例によってビリビリさせて敵の内部メカを攻撃可能。
ケーニッヒウルフは、必殺技として機体の全電磁エネルギーを牙に集中させて敵を噛み砕く「エレクトリックファンガー」を持っている。一時的な機能停止に陥る恐れがある大技である。
エレクトロンストライククロー
ワイツウルフと共通する装備。ストライククロー自体にも、電磁場などを帯びさせて威力を上げるという設定が見られるが、こちらは更にその威力を上げたものと思われる。
デュアルスナイパーライフル
専用武装の一つで、大型のスナイパーライフルを連装型にしたというゾイドの世界でも珍しい武装である。バトルストーリーでは、ロブ・ハーマンがこの武装によって、マッドサンダーを破壊しようとしたライガーゼロイクスを撃破している。
『ゾイドフューザーズ』において、エミーの機体が使用した際には至近距離からマシンガンの様な高速連射をしていた。
『ゾイドジェネシス』では、凄腕のダンブルが操縦しているため、リーオ製の武器を持たない機体でありながらこの武装を使ってバイオゾイドを撃退している。
AZ5連装ミサイルポッド
専用武装の一つ。
デュアルスナイパーライフルとセットで装備されることが多いが、そのために機体重量を増加させてしまっている。
バリエーション
アサルトケーニッヒウルフ
ケーニッヒウルフにデュアルスナイパーライフルやAZ5連装ミサイルポッドといった専用武装を取り付けた代物。(『ゾイドサーガ2』では「ケーニッヒウルフDSR」という名称)。
ケーニッヒウルフMk=Ⅱ
『ゾイドフューザーズ』ではチーム・マッハストーム所属の女性Ziファイター、エミーが搭乗。デュアルスナイパーライフルやミサイルポッド等の火器を標準装備し、赤系統のカラーリングで纏められたMK2仕様だが、強力なユニゾンゾイドの前にはまるで歯が立たず、目立った活躍を見せることはできなかった。また、チーム・マッハストーム内で唯一Ziユニゾンによる合体を経験していない。
キットのパッケージにはファイヤーフェニックスとのユニゾンが作例として掲載されているが、アニメではエミーがRDらとは別行動していることもあってか元々の活躍の機会が少ない上に、中盤でフェニックスが凱龍輝によって撃破されてしまったため、再現の機会は訪れなかった。
後年の『機獣創世記ゾイドジェネシス』では、双方の世界観は異なるものの前作とほぼ同等の外見で再登場を果たしているが、元ゾイド乗りの老婆であるダンブルの卓越した手腕によりリーオ製の武器を持たない機体でありながらバイオゾイドを撃退する戦果を挙げ、フューザーズでの汚名を返上した。まさに「昔取った杵柄」である。
ヘビーアームズケーニッヒウルフ
ハピネットより限定販売されたヘビーアームズケーニッヒウルフに付属のDVD『ZOIDS妄想戦記特別編』ではバックス・スラスト准尉の乗機として登場。デュアルスナイパーライフルやミサイルポッドを標準で備え、それに伴い機体各部も強化された。また、限定的ながらダークスパイナーのジャミングウェーブへの防護策が施されている。
キットについて
キットは単4電池2本で駆動し、尻部のスイッチを入れると背部のファンを回転させながら前脚の内側にあるプレートを可動させつつ歩行。このプレートは軟質素材製のベルトで首と後脚のプレートに繋がれている。
首の基部は上方に45度まで反らせることが可能で、顔も上下に可動し、耳も僅かながら左右に動かす事ができる。この他にもコックピットや口、ヘッドギア、マルチディスチャージャー、尻尾などが手動で可動する。
オプション兵装のデュアルスナイパーライフルとAZ5連装ミサイルポッドはカスタマイズパーツとしてそれぞれ別売りとなっており、前者は砲身の折り畳みと後部のレバーを引くと弾倉が回転する装填ギミックがあり、後者はミサイルポッドのハッチが開閉する。
バトルストーリーでの活躍
戦況に応じて装甲や武装を換装するCAS(チェンジングアーマーシステム)こそないものの、製造コストも相変わらず高く本格的な量産には向かなかった。登場時期も遅く、実戦投入当初こそ活躍したものの次々登場するネオゼネバス帝国軍の新型機の前に圧倒されることも多くなり、共和国軍高速戦闘用ゾイドの新主力機の座はライガーゼロフェニックスが獲得する事となる。結局、シールドライガーやライガーゼロのように戦局を担うゾイドにはなりえなかった。
『機獣新世紀ゾイド 公式ファンブック』内のバトルストーリーでは、中佐に昇進したロブ・ハーマンが本機に搭乗し、突如ガイロス帝国に反旗を翻した旧ゼネバス帝国派に対抗する為、カール・リヒテン・シュバルツ率いるガイロス帝国軍と一時的に共同戦線を張る事になった。
その後、シュバルツ暗殺の為に放たれたヨハン・ホルスト・シュタウフィン軍曹の駆るライガーゼロイクスと交戦。乗機のセイバータイガーを撃破されたシュバルツは瀕死の重傷を負うも、待機中のマッドサンダーを前にして生まれたライガーゼロイクスの隙を突く形でデュアルスナイパーライフルを至近距離で撃ち込み撃破した。