概要
アゴダチグモ科(学名:Archaeidae)に分類される蜘蛛のこと。
90種ほど知られ、現存種はアフリカ南部(南アフリカ、マダガスカル)とオセアニアのみに生息し、化石種だとヨーロッパやミャンマー、中国からも発見される。
最初に知られるアゴダチグモは、1840年代に記載された、ヨーロッパ産の始新世(約4,000万年前)の琥珀に閉じ込められた化石種である。そのため、1881年にマダガスカル産の現生種が見つかるまでは絶滅したグループと考えられた。
特徴
2~8mm程度の小さな蜘蛛であり、全身が朽ち木のような褐色の斑紋を帯びる。
頭胸部(頭)が伸びる。縦に。まるで首みたいだぁ…
そして鋏角(牙)も伸びる。上から下へ。その姿、まるで水辺で魚を狙う水鳥の如く。
そんな姿からついた英語名は pelican spider、すなわちペリカングモ。
この色々と尖った姿は蜘蛛を専門に捕食する為の適応である。獲物となる蜘蛛(アゴダチグモ同様に小さな種)をこの長い鋏角で捕まえる。獲物が苦し紛れに反撃しようにもこのアゴダチグモの体はこの鋏角1つ分離れた位置にあるので届かない。こうして反撃することも叶わず仕留められた蜘蛛を口に運ぶ。そんな見事な狩り具合からついたもう一つの英語名は assassin spider。蜘蛛界のアサシンなのだ。
ちなみに縦に伸びた部分は頭の上半部のため、口は上に移行せず下側のままにある。