概要
ヤマシログモ(山城蜘蛛)とは、ヤマシログモ科(学名:Scytodidae)に分類される250種ほどの蜘蛛のこと。中でもユカタヤマシログモ(浴衣山城蜘蛛 Scytodes thoracica)は世界中に存在する種である(基本的に屋内に住むが物陰に隠れているのでよく見かけるわけではない)。
6つの目は2個で1つのペアとなった物が左右に1つずつと中央に1つ存在する。普通蜘蛛は目が8つだよね…残りの2つ、どこにやった?
まだらに斑点模様が散りばめられている種類が多い。華奢な脚に対して頭の甲羅はドーム状に大きく盛り上がっており、後述の行動に使われる糸を生成する器官が格納される。
生態行動
この蜘蛛の最大の特徴は口から糸を吐くことである。普通蜘蛛は糸を吐かないのだ。鋏角(牙)の中の毒腺で生成された液状の蜘蛛糸と毒の混合物を、左右に揺れながら吐き飛ばし、ジグザグ状に獲物を捕える。この捕獲行為、あまりにも早いのでスーパースローモーションでなければ口から糸を出したことすらわからない。基本的に1~2cm先の獲物に使う。
一応、他の普通蜘蛛と同様に、捕らえた獲物を噛んで毒の注入もするし、お尻の先の糸疣という器官から糸も出す。
なお、毒糸に頼っているためか鋏角自体の嚙む力が弱く、獲物も外骨格の柔らかい虫に偏っている。また、他の蜘蛛を主食とする傾向があり、機敏なハエトリグモにすら毒糸を吐いて仕留める。
中には子供が誕生してからも親が一緒に過ごし給餌もする種がいる。
関連タグ
イトグモ:似た特徴が多くかつては同じ科に纏められてた。人間に対し危険な毒を持つ種もいる。糸は吐かない。
カニムシ:鋏角で糸を作る仲間同士。ただし蜘蛛ではない。
ドクハキコブラ:本来吐き飛ばさない毒を口から吐く蛇。