鼻田香作
はなだこうさく
概要
少年期から世界中であらゆるカレー料理を修業したというフリーのカレー専門家。
その造詣の深さから「カレー将軍」と呼ばれている。
モヒカンで黒い鼻マスクを付けた異貌の人物で、30年間かけて6000種類以上のスパイスを嗅ぎ分ける能力を持ち（鋭すぎる嗅覚を守るために前述のマスクをつける）、カレーによる料理界の世界征服を企てており、それゆえに見下した言動も多いが、カレー作りには強いプライドを持つ。
その嗅覚で味平のレシピを再現して妨害することも可能だったが、正面から新メニューを作り上げ、あくまでも味での勝負であるので値下げで対抗するのを良しとしない、料理人としてまっとうな意識を持つ人物でもある。
東京のひばりヶ丘駅前できた「大徳デパート」のアジヘイと、「白銀屋」のインド屋の二大デパート内のカレー屋が勝負する「カレー戦争編」に登場するキャラクターで、マイク赤木が経営するインド屋側のライバルとして味平と勝負を繰り広げた。
結末
味平が作り上げた「味平カレー」の完成度と人気に危機感を抱き（隠し味がスパイスで無かったため再現できなかった）、一人スパイス貯蔵庫に5日間こもり究極のカレー「ブラックカレー」を完成させる。
ブラックカレーを食べたものは、その秘伝のスパイスの配合により幻惑されたような感覚に見舞われ、また食べたいと思うようになってしまう。
味平カレーに自信をもっていた味平であったが、周囲の協力者も含め、その魅力にはまってしまったことに気付き完全に負けを認めざるを得なかった。
しかし、勝利に酔いしれる鼻田の様子がおかしくなり･･･
俺は神様よ そう カレーの神様さ クァーッ カッカッカカカ
突然店のテーブルに登って異常な言動と高笑いをはじめたために、周囲に取り押さえられ救急車で搬送されることとなってしまった。
実は鼻田の収集したスパイスの中には、本人も気付いていなかったが麻薬同様のものが多数含まれており、ブラックカレーにもいくつも使用されていたのである。
レシピを作り上げる際に過剰摂取した鼻田は、過労も重なり重度の中毒症状に陥ってしまったのであった。
鼻田は料理ができる状態では無くなり、ブラックカレーは警察の分析で麻薬認定されたことから販売禁止になり、この勝負は味平にとって料理の世界の恐ろしさを知る苦い勝利となったのである。
余談
- 1973年から連載された『包丁人味平』は、料理漫画の元祖的存在といわれるが、現在のものとは異なる、スポ根漫画の影響が残っている猛特訓や気合いで勝負が決まることもある作風であった。
- そんな中で主人公が完全敗北を認めたのは衝撃であったが、不可抗力で逆転したこの展開は語り草となった。
- 上記のように鼻田は勝利への執着は強かったものの、料理への情熱は本物であり、悪意をもって調理したわけでは無く、敗北は完全に事故によるものである。
- ホラー小説アンソロジー『異形コレクション〈12〉GOD』には今作をモチーフにした一遍がある。
- 一部の合法な国では食材に使われるものが現実に存在する。
関連タグ
- 鉄鍋のジャン!：主人公秋山醤は合法の食材を調合し、料理に幻覚興奮作用を持たせて高得点を得てしまう。ライバルの蟇目も特製香辛料入りの麻婆豆腐で醤を動けなくさせてしまった。
- 至福の暴対レシピ：蘇我スギオは暴対レシピを駆使し世界を動かす。
- 中華一番!：チェリンの作るイカ墨ビーフンを食べたものは、濃厚で魔術的な味にはまってしまう。また赤い粥というものも登場。
- トリコ：ジダル王国では中毒作用がある食材などが普通に流通しており、地下料理界のボスライブベアラーは好んで食していた。
- 魔人探偵脳噛ネウロ：『シュプリーム･S(シロタ)』のシェフ至郎田正影が作った料理を食べた各界のスポーツ選手は成功すると言われていた。
- 日本沈没2020：カルト集団マザーの作ったカレーを食べた引きこもり男性は、母さんのカレーの味だと泣き始める。
