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概要編集

2020年7月よりNetflixオリジナルアニメとして全10話が配信された。

「日本沈没」のタイトルでこそあるものの、原作・映画版で画かれた『国家滅亡への克明な描写』とは全く異なる『現代日本の一家族の災害からの逃避行』といった展開で進められ、原作とのストーリー上の関連は無い独自の物語となっている。

脚本の吉高寿男によるノベライズ版が配信開始前に発売され、コミカライズ版も2020年7月9日から2021年3月4日までGANMA!で配信されている。


内容は、『突然の大地震で日常を奪われた家族(父(日本人)と母(フィリピン人)、姉弟の4人)が錯綜する情報のなかで「西は安全」という噂を信じて逃避行をはじめる』というもの。

監督は湯浅政明。配信時期的に「映像研には手を出すな!」と並行して作られていたと思われる。

一応、今までのにもテーマとされてきた『日本の再生』を含みつつ、現在巷にあふれている『日本スゴイ』への痛烈な風刺が根幹を成す、といった考察もされているが・・・


登場人物編集

  • 武藤歩

CV:上田麗奈

陸上選手として将来を期待されている中学3年生の女の子。


  • 武藤剛

CV:村中知

歩の弟。ゲームが好きでEスポーツ選手としてオリンピック出場を夢見る小学2年生の男の子。英語堪能。


  • 武藤マリ

CV:佐々木優子

歩と剛の母親。フィリピン出身で、国籍は結婚後もフィリピンのまま。


  • 武藤航一郎

CV:てらそままさき

歩と剛の父親。仕事に追われているが家族も大事にしている。


  • カイト

CV:小野賢章


ツッコミどころ満載!?編集

この作品、主だったものだけでも以下のようなツッコミどころが存在する。

  • 素手でイノシシを捕まえる主人公の父親。その後山芋を掘ろうとしたら不発弾を掘り当て爆死
  • 「山から毒ガスが漏れている」と叫びながらグライダーに乗ったYouTuberが飛来。「そんなこと頼んでない!」と逆切れして進んだ先でその毒ガスで同行していた女性が怪死。
  • 弟のゲーム機が壊れたので半田付けで修理したら割れた液晶まで直っていた。
  • 全10話中4話を割いて描いた琵琶湖のカルト教団が大麻を栽培、収穫した大麻をカレーの具材にしてそれを食べた引きこもりの青年が「母さんのカレーの味」と涙を流す、その後ヤク中で狂乱した老人に射殺。
  • 自衛隊が特定の思想の国民だけ脱出船に乗せる。その後突然始まるラップバトル
  • 第1話で主人公武藤歩が足に怪我を負うが、なぜか一切誰からも治療されない。最終話で救出されるが、この怪我が原因で足を切断。数年後、パラリンピックの陸上選手として主人公が活躍。

等々、総評としては左右のイデオロギー云々を飛び超えた 無茶苦茶な展開(=超展開)が賛否を呼んでいる状態にある。


脚本を担当した吉高寿男(『ドラゴンボール超』他)は本作へ色々な意見が寄せられていることに対して同年7月15日付けで

「ツッコミどころ満載は褒め言葉です。だってそう作ってるから。」

とツイート。続く17日付けで

「リアリティを追求した作品もあれば、リアリティより意外性を選んだ作品もある。どちらも好き嫌いあって当然。ツッコミやケチもつくだろう。それで構わない。賛否両論はエンタメで最高の勲章なのだから」

と発言し意図的なものであることを暗に認めた。

配信されるや絶賛の声も出てはいるが酷評の声が大きく、

「『東京マグニチュード8.0』を見る方がいい」

「カルト教団や大麻カレー辺りからの下りは完全に『ミッドサマー』のパロディで原作関係ない

「色々な要素が盛りだくさんだけど、意味不明胸糞の連続すぎてストーリーにも登場人物にも感情移入する余地がない

といったコメントだけでなく、「ギャグアニメ」「令和のチャー研」というある意味で不名誉なあだ名をつけられることになった。

(ちなみに、なぜか伊集院光は絶賛していて、吉高は自信の根源にしていることを仄めかしている。)


この他、震災時の人の死や負傷といった描写にリアリティがあると評されるが、一方で災害の影響で各インフラが破綻しているにもかかわらず、

●自動車での移動でガス欠描写が1回ある以外は問題なく『西へ』の逃避行を続ける( こんな状況下でガソリンスタンドは営業してるのか…?

●途中から主人公がスマホにアプリをダウンロードしている&一度も充電せず使用し続ける。

しかし、最終局面で件のYouTuberが電波受信用の気球を飛ばしてSOSを発信したことで一家も救助される描写があり、通信システムの麻痺具合に矛盾が生じている。

●そもそも『日本が沈没』しているという描写が(少なくとも中盤前後は)はほとんどされない。(このため、件のカルト教団編あたりでは視聴者から『焦燥感ゼロ』と評される)

…といった部分から、文明崩壊ものとしては考証レベルからして杜撰すぎるといった指摘もされている。

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