概要
『未来戦隊タイムレンジャー』に登場する橙色の高純度エネルギー結晶体。
浅見グループ傘下の第3総合研究所で開発・研究が進められており、公害を起こさないクリーンな新エネルギーとして期待を寄せられている。実際に後の西暦3000年において開発され、新たな主要エネルギーとして広く用いられているζ3もこのλ2000を元にしたものであることが作中でも明示されている。
もう少し具体的に説明するとζ3はλ2000を高熱処理することで変換された物質であり、変換の際には形状も橙色の金平糖に似た形状から、青色の細長い八面体に近いそれへと変化する。この処理技術は20世紀時点では未だ確立されていないことがタックによって言及されている。
ストーリーへのかかわり
作中での初出であるCase File.18ではギエンがテロリスト・サンドーラに命じて、第3総合研究所から強奪させており、タックの見立てでは「20世紀では資金源にならない為、ロンダーズファミリーが自家用で使うのだろう」とのことであったが実際にこの時奪われたλ2000はギエンが用意した専用装置でζ3に変換された上で破壊兵器ノヴァのエネルギー源として活用された。さらにノヴァ迎撃に用いられた政府治安維持局の特殊戦車・ライメイの動力源にもλ2000が使用されている。
その後、ギエンは第3総合研究所に殺人犯ハーバルをけしかけた上で大量のλ2000を強奪し、これらもまたζ3への変換を経て、ギエンの開発したメカ・クライシスとネオ・クライシスのエネルギー源として使われることになった。
このように当初は単に希少な高純度のエネルギー、それゆえに悪人に狙われる対象としての側面のみがクローズアップされていたが物語がクライマックスに近付くにつれて、より重要な意味を持つようにもなる…
関連タグ
エネトロン:『特命戦隊ゴーバスターズ』に登場するエネルギー。物語に深く関わるキーアイテムとして位置付けられているという点でλ2000と共通している
真実
注:ここには作品の終盤の展開が記されています。
物語終盤にて明らかにされた大消滅と呼ばれる歴史的大災害。
その原因を探り、発生を食い止めようとしていた未来戦隊タイムレンジャーは調査の過程である1つの事実に辿り着くこととなる。
その事実とは「公害を起こさないクリーンなエネルギー」と謳われていたλ2000には「僅かながら時空を蝕む性質」という唯一にして、致命的なデメリットが潜んでいたというものである。
大消滅という災害の実態はこの性質によって引き起こされた時空間の歪みによる現象であり、リュウヤ隊長が突如として、20世紀に直接介入しだしたのも30世紀で発生していたという同様の消滅現象の回避が理由の1つだったのである。
その30世紀で起こっていた消滅現象はその引き金となったGゾードの撃破に伴う歴史修正で回避されることとなるが今度は本来の歴史で起こるとされる2001年2月4日の大消滅を発生させる引き金となるべきλ2000が何処にあるのかという新たな謎が浮上する。
実際、20世紀ではまださほどの数が精製されている訳でもなく、Gゾードに動力源として搭載されていた分も撃破された際のダメージにより、大消滅を引き起こす要因にはなり得なかったのだが…その答えは程なくして、最悪な形で示されることとなる。
――そう、ネオ・クライシスを操縦するギエンとブイレックスの衝突によって、時空間の歪みの発生が本格化するという形で。
つまるところ、大消滅の引き金となるλ2000はこれら「ζ3が作られる前ゆえに高密度のλ2000を備えられた30世紀の存在たち」の動力源に用いられていたものであり、これらGゾードの数千倍とも言われるレベルの密度のλ2000が共鳴し、急速に時空間の歪みを引き起こした結果が2001年の大消滅だったのである。
ギエンとブイレックスがぶつかり合えばその分、事態が悪化するのは目に見えて明らかであったが、この時点でネオ・クライシスに対抗できる手段がブイレックスしかなかった上、持ち主である滝沢直人も前述した事実を信用せずに戦いを続行した為、時空間の歪みをさらに加速させるという事態を招いてしまった。
一応、これを食い止める方法がない訳ではない。
それはDVディフェンダーを調整し、これを用いて、ブイレックスの体内にあるλ2000を高熱処理することでζ3へと変換、さらにその状態から繰り出すマックスバーニングによって、ギエンの体内にあるλ2000を粒子レベルにまで分解するというものである。
この方法を実践するためには当然のことながらタイムファイヤーの協力が必要不可欠であり、前述した直人の反応からもそれは極めて困難かに思われたのだが、この難題は意外にして残酷な歴史的事実によってクリアされ、そしてギエンとの最終決戦へと繋がっていくこととなる…