概要
時間保護局が開発した恐竜型生体ロボ。Case File.43、44に登場。
ブイレックスのプロトタイプと呼べる存在だが、前傾型のブイレックスに対して、Gゾードは一昔前に想像されていた直立型の姿であり、ビジュアルはどちらかというと怪獣である。
ブイレックスと同様にλ2000をエネルギー源としているのだが、ブイレックスと違って高出力のミュートエネルギー炉を搭載しており、それ故にブイレックス以上の自己修復機能を有している。このミュートエネルギー炉の詳細は不明だが、ブイレックスとギエンの数千分の1の密度のλ2000で稼働しており、エネルギー増幅炉の類と思われる。ギエンによるとこのエネルギー炉があればλ2000のままでもζ3に匹敵するエネルギーを出せるとの事だが、彼の技術力をもってしても再現は難しい代物であるらしい。
完全なる自立型で自己修復機能を搭載している点も同じだが、プロトタイプ故に人型形態への変形機構や遠隔操作機能は搭載されていない（というより、後述する本機での失敗を踏まえて追加されたのが、ブイレックスの外部からの遠隔操作機能である）。
全身に内蔵されたミサイルやビーム砲を使った圧倒的な火力を有しており、水中でのスピードにも優れる。加えて、タイムロボの装備でも正面からの破壊は難しいとされる程、全身の装甲は非常に高い防御力を誇っている。
唯一の弱点は、ミュートエネルギー炉に直結している背後の排熱口だが、そこに近づくのは容易ではない。ただし、自身が攻撃を受けない限りは、戦闘モードには入らないという安全機能が一応ある。
経緯
西暦2994年の時間移動実験に失敗し、行方不明となっていたが、時空パルスの異常発生と同時に西暦2000年の地球に出現する。一方で、当初2994年の時間移動実験で失踪したのはブイレックスとされており、Gゾードはその存在すら知らされてなかったので、シオンは疑問を持っていた。
この時点で、制御を失って暴走状態となっており、ブイレックスのように遠隔の制御装置もないので完全に手に負えない状態となっている。
リュウヤ隊長が、Case File.1で話していた30世紀大消滅の危機を招いていた元凶（正確にはそのエネルギー炉が30世紀消滅の原因である）であり、リュウヤが本来の歴史を変えてまで未来戦隊タイムレンジャーを生かし、タイムジェットやタイムシャドウ派遣要請に応じていたのはこのGゾードを破壊する為の実地訓練だった。
休眠モードの間にリュウヤが変身したタイムレッドが指揮するタイムロボシャドウβの狙撃で排熱口を狙うも、Gゾードの悪用を企んだギエンが面白半分で刺激した事でGゾードは戦闘モードに移行。それに対してリュウヤがその言動から他の4人に強い反発と不信感を持たれ、チームの足を引っ張ったせいで上手く連携する事ができないタイムレンジャーは翻弄され、シャドウベータとブイレックスロボを圧倒される。
タイムファイヤーの機転によって、ブイレックスロボから戻ったブイレックスに右腕を噛みつかれながらも、至近距離からの胸部砲でブイレックスに大ダメージを与えるが右腕を食いちぎられてしまい、すぐに右腕を再生させるもエネルギーを大幅に消費した事から海中に一時撤退した。
翌日、街中に再び出現すると今度はタイムロボβとタイムシャドウと交戦。リュウヤはタイムシャドウで注意を引き付けている間にタイムロボβで背中を狙撃する策を立てたが、またもやギエンの妨害が入り、ギエンの用意したEMPで巨大ロボ3機は機能が停止し、ギエンに立ち向かったタイムレンジャーもEMPで変身不能になってしまう。
そこへ仲間達の救援の為に現れた浅見竜也がギエンを退け、EMPの発信部分の片方をチョップで壊した事で変身可能となり、巨大ロボ3機も再起動するもGゾードはタイムシャドウを圧倒する。
しかし、タイムレッドに復帰した竜也のとっさの機転で、タイムロボαをブイレックスの背中に乗せる騎乗戦法で接近を許してしまい時空剣でダメージを受けて怯み、後ろに回り込んだαの時空剣で背中のエネルギー炉を貫かれて、事実上の戦闘不能となったところをレックスレーザーを受けて大破した。
事件後
本機が破壊された事で歴史は修正され、ハバード星人であるシオン以外の地球の未来人達の歴史は大きく変化する事となった。
ユウリ：殺し屋マッドブラストの計画が未遂に終わり、殺害された家族が生存
ドモン：グラップ界永久追放から1年の出場停止処分に変更
ただし、これらの歴史改変が実際に起きたという事実確認はされておらず、リュウヤが彼等を丸め込む為に吹き込んだ嘘だった可能性もある。
その後、残骸はシティガーディアンズに回収され、第三総合研究所に保管されるが、大消滅の原因を突き止める為に潜入したシオン達の手でλ2000が回収された。
真相
終盤にて、λ2000には時空間を少しずつ蝕むという副作用が存在する事が明らかとなり、Gゾードに積載されたλ2000とそれを増幅するミュートエネルギー炉が、千年かけて時空間を少しずつ蝕んだ未来こそが、「30世紀の大消滅」である事が判明する。
さらにこの未来を形成したもう一つの要因は、このGゾードが本来の歴史で「21世紀の大消滅」を引き起こすギエンを殺害・排除した結果でもあった事が、最終話にて明らかになった。
また、時間移動実験で消えたのは本来Gゾードなのだが、リュウヤがその思惑からGゾードの存在を隠蔽し、時間移動実験の失敗と見せかけてブイレックスを過去に送っていた。その為、表向きは時間移動実験に失敗して消息不明になったのは、ブイレックスとして30世紀では公表されていたのである。
加えて、Gゾードを使った時空間移動実験を行ったのは他でもないリュウヤであり、彼がその事故で2つの過去の歴史とそこでの己の運命を垣間見た事が、リュウヤの作中での暗躍の切っ掛けとなっていたり等々、まさにGゾードは「本作の物語の全ての発端となった存在」だと言える。
関連タグ
魔獣ダイタニクス：メインライター繫がりのある作品で、Gゾード同様に12月の所謂クリスマス商戦シーズンにおけるメインエネミーであり、海中に撤退した事や背中が唯一の弱点である事も同じ。
